前回、秋田新幹線の車両の話が出たので、今回も便乗記事です。
2月2日に、JR東日本から「新型高速新幹線(E6 系)量産先行車について」という発表があった(同社公式サイトのPDFファイル http://www.jreast.co.jp/press/2009/20100203.pdf)。
今年末の東北新幹線新青森開業に向け、最高運転速度320km/hの「E5系」電車が既に落成し試運転が行われている(先日盛岡駅で見かけた)。今回、量産先行車を製作することが発表されたのは、将来的にはそれといっしょに320km/hで走行する、秋田新幹線用「E6系」電車。
「こまち」の「E3系」電車(最高速度275km/h)の後継車両ということになる。
今年7月に落成し(試運転後、一部改良して量産を経て)、2012年度末に300km/hでの営業運転、2013年度末には320km/hで営業運転する計画とのこと。
乗り心地、環境、バリアフリー、防犯等に配慮した設計。最近流行りの座席用コンセントも設置される。
定員は現在とまったく同じだが、鼻が長くなる(13メートル。E3系は6メートル)などして座席数を確保できないため、1両増の7両編成になる。
【23日追記】それに伴い、ホーム延長工事が行われているようだ。
また、現在の「こまち」は全席指定席だが、開業当初は自由席と指定席があった。その関係で現在のE3系車両では、同じ普通車指定席なのに号車によって座席の間隔が異なっている。
元から指定席だった茶色いシートの11~14号車が98センチで、元自由席の青いシートの15・16号車は91センチ。わずか7センチ差だが、意識して座ると結構違う。(長距離の指定券を予約すると、空いている限り、自動的に広い方の車両から割り当てるようだが)
窓の配置も座席に合わせてあるから、全席指定になっても統一することが不可能だったのだろうが、新車両では普通車はすべて98センチに統一される。
最近の鉄道車両には、デザインのコンセプトがあり、このE6系は、エクステリアデザインは「気品と大胆さを併せ持つ塗色」として上部(鼻から屋根上)が「茜(あかね)色」、車体が「飛雲(ひうん)ホワイト」、帯が「アローシルバー」。
インテリアデザインは「「ゆとり」「やさしさ」「あなたの」をキーワードに「丁寧な拵え(こしらえ)と誂え(あつらえ)」をコンセプトとしてデザイン」したもので、普通車は「豊かに実った稲穂の中へ分け入る時の高揚感や自然の恵みを感じられる空間」だそう。
車体外観のデザインは、まだイメージ図と模型でしか分からないが、光沢感のある塗装のようだ。先日見かけたE5系と似たような感じの色違いなのだろう。赤系統で、しかも屋根上に色が塗られた新幹線車両は全国的に初めてだが、どんな感じになるんだろう?
車内は黄金色のシートが豪華そうだ。普通車なのに可動式のヘッドレスト(枕)と思われるものが付いているのはうれしい。僕は居眠りすると首が痛くなってしまうので。
ちなみに、現在のこまち用E3系は、エクステリアが「颯爽(さっそう)」というコンセプトで色は車体色は「セラミックホワイト」と「メタリックシルバー」、帯が「ビビットピンク」。インテリアは「包容」というコンセプトだったと記憶している。Wikipediaによれば工業デザイナー榮久庵憲司(えくあんけんじ)氏が主宰する「GKインダストリアルデザイン」がデザインしたという。
リリース文中にはないが、報道によれば、E6系はフェラーリなどのデザインも手がける工業デザイナーの奥山清行氏(山形市出身)が監修。
グリーン車の濃い青の内装は大仙市南外地区の「楢岡焼」の青色をモチーフにし、車体の茜色は竿燈・なまはげ・秋田産リンゴをイメージしたという。
この茜色の由来はややこじつけのような気がする。
竿燈にはこんな色の物はなく、イメージとしては黄色やオレンジ色。なまはげって、お面の色? 秋田産リンゴも青森産に負けないおいしさではあるが、全国的な知名度は低い。主に首都圏の消費者にしてみれば、「リンゴと言えば青森か信州なのに、なんで秋田新幹線に?」という印象ではないだろうか。
「デザイン上、茜色にしました」だけじゃダメ?
由来はともかく、いい色だと僕は思うが、特に秋田県民には「秋田新幹線=こまち=ピンク色」というのがすっかり定着しているから、どう受け取られるのか。
JR側も駅名標のラインカラーなどにピンク色を使っているがどうなる?
一部報道では、列車名は「こまち」以外にすることも検討しているという。おそらく、「改名ありき」ではなく「まだ白紙」ということだと思うが。新青森まで行く新幹線も「はやて」でなくするかもしれないと報道されているので、それがどうなるかにも影響されそうだ。
その新青森開業時には、「リゾートしらかみ」の新型ハイブリッド車両も導入されるし、(発表はなく、あくまで憶測ですが)特急「かもしか」にも変化があるかもしれない。そして新しい新幹線車両。今年の秋田の鉄道は注目を集めそうだ。
ところで、このE6系製造のデータ収集のための試作車として、2006年に製造された「FASTECH(ファステック)360 Z」というのがあった(現在は廃車)。
秋田に来ていた際に車両基地で撮影
現「こまち」と並んで異彩を放っていた。色は違うが、おおむねこんな感じのデザインになるのではないだろうか。
2月2日に、JR東日本から「新型高速新幹線(E6 系)量産先行車について」という発表があった(同社公式サイトのPDFファイル http://www.jreast.co.jp/press/2009/20100203.pdf)。
今年末の東北新幹線新青森開業に向け、最高運転速度320km/hの「E5系」電車が既に落成し試運転が行われている(先日盛岡駅で見かけた)。今回、量産先行車を製作することが発表されたのは、将来的にはそれといっしょに320km/hで走行する、秋田新幹線用「E6系」電車。
「こまち」の「E3系」電車(最高速度275km/h)の後継車両ということになる。
今年7月に落成し(試運転後、一部改良して量産を経て)、2012年度末に300km/hでの営業運転、2013年度末には320km/hで営業運転する計画とのこと。
乗り心地、環境、バリアフリー、防犯等に配慮した設計。最近流行りの座席用コンセントも設置される。
定員は現在とまったく同じだが、鼻が長くなる(13メートル。E3系は6メートル)などして座席数を確保できないため、1両増の7両編成になる。
【23日追記】それに伴い、ホーム延長工事が行われているようだ。
また、現在の「こまち」は全席指定席だが、開業当初は自由席と指定席があった。その関係で現在のE3系車両では、同じ普通車指定席なのに号車によって座席の間隔が異なっている。
元から指定席だった茶色いシートの11~14号車が98センチで、元自由席の青いシートの15・16号車は91センチ。わずか7センチ差だが、意識して座ると結構違う。(長距離の指定券を予約すると、空いている限り、自動的に広い方の車両から割り当てるようだが)
窓の配置も座席に合わせてあるから、全席指定になっても統一することが不可能だったのだろうが、新車両では普通車はすべて98センチに統一される。
最近の鉄道車両には、デザインのコンセプトがあり、このE6系は、エクステリアデザインは「気品と大胆さを併せ持つ塗色」として上部(鼻から屋根上)が「茜(あかね)色」、車体が「飛雲(ひうん)ホワイト」、帯が「アローシルバー」。
インテリアデザインは「「ゆとり」「やさしさ」「あなたの」をキーワードに「丁寧な拵え(こしらえ)と誂え(あつらえ)」をコンセプトとしてデザイン」したもので、普通車は「豊かに実った稲穂の中へ分け入る時の高揚感や自然の恵みを感じられる空間」だそう。
車体外観のデザインは、まだイメージ図と模型でしか分からないが、光沢感のある塗装のようだ。先日見かけたE5系と似たような感じの色違いなのだろう。赤系統で、しかも屋根上に色が塗られた新幹線車両は全国的に初めてだが、どんな感じになるんだろう?
車内は黄金色のシートが豪華そうだ。普通車なのに可動式のヘッドレスト(枕)と思われるものが付いているのはうれしい。僕は居眠りすると首が痛くなってしまうので。
ちなみに、現在のこまち用E3系は、エクステリアが「颯爽(さっそう)」というコンセプトで色は車体色は「セラミックホワイト」と「メタリックシルバー」、帯が「ビビットピンク」。インテリアは「包容」というコンセプトだったと記憶している。Wikipediaによれば工業デザイナー榮久庵憲司(えくあんけんじ)氏が主宰する「GKインダストリアルデザイン」がデザインしたという。
リリース文中にはないが、報道によれば、E6系はフェラーリなどのデザインも手がける工業デザイナーの奥山清行氏(山形市出身)が監修。
グリーン車の濃い青の内装は大仙市南外地区の「楢岡焼」の青色をモチーフにし、車体の茜色は竿燈・なまはげ・秋田産リンゴをイメージしたという。
この茜色の由来はややこじつけのような気がする。
竿燈にはこんな色の物はなく、イメージとしては黄色やオレンジ色。なまはげって、お面の色? 秋田産リンゴも青森産に負けないおいしさではあるが、全国的な知名度は低い。主に首都圏の消費者にしてみれば、「リンゴと言えば青森か信州なのに、なんで秋田新幹線に?」という印象ではないだろうか。
「デザイン上、茜色にしました」だけじゃダメ?
由来はともかく、いい色だと僕は思うが、特に秋田県民には「秋田新幹線=こまち=ピンク色」というのがすっかり定着しているから、どう受け取られるのか。
JR側も駅名標のラインカラーなどにピンク色を使っているがどうなる?
一部報道では、列車名は「こまち」以外にすることも検討しているという。おそらく、「改名ありき」ではなく「まだ白紙」ということだと思うが。新青森まで行く新幹線も「はやて」でなくするかもしれないと報道されているので、それがどうなるかにも影響されそうだ。
その新青森開業時には、「リゾートしらかみ」の新型ハイブリッド車両も導入されるし、(発表はなく、あくまで憶測ですが)特急「かもしか」にも変化があるかもしれない。そして新しい新幹線車両。今年の秋田の鉄道は注目を集めそうだ。
ところで、このE6系製造のデータ収集のための試作車として、2006年に製造された「FASTECH(ファステック)360 Z」というのがあった(現在は廃車)。
秋田に来ていた際に車両基地で撮影
現「こまち」と並んで異彩を放っていた。色は違うが、おおむねこんな感じのデザインになるのではないだろうか。