広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

秋田の特異日

2014-03-05 23:44:33 | 秋田の季節・風景
秋田市は、2月下旬以降も引き続き穏やかな冬。
特に2月最後の週は、最高気温がかなり高く、27日には10.5度まで上がった。
積雪は23日の30センチがピーク。3月2日16時には、ついに積雪量がゼロとなった。
広小路西端付近の旭川
道路も極端に日当たりが悪い場所以外は雪が完全に消え、支障なく通行できるようになった。
卸町の卸団地内。広い道路の端には除雪でできた雪山が残る
でも秋田で、このまま春になるはずがない。
ここ数日はまた寒くなってきた。今日5日は雨だったものの、明日から今週後半はさらに冷えて雪が降って荒れる予報。


ところで、「特異日」というのがある。
「世界大百科事典」によれば「1年のうち,ある特定の日に,その前後の日と比べ,偶然とは思われないほど多く,ある気象状態が現れる現象,あるいはその日のこと。」。
資料によっては「その前後の日と比べて」という点が省かれているものもある。
その気象状態(天気)になる割合が何割以上だとか、過去何年間のデータで見た場合にとかいうような条件は決まっていないようだ。
1964年の東京オリンピックの開会式の10月10日が「晴れの特異日」とされることがあるが、それは間違いだそう。

季節ごとの気象の変化が明確な日本では、毎年同じ時期に同じ天候になるものであり、「この頃はこの天気になる(※)」という“感覚的な特異日(=統計上はそうではない)”との境界線があいまいにも感じられる。単なるジンクスではなく、統計的に立証されているのではあるが。
※「この頃はこの天気になる」秋田の例では、「学校の夏休みが明ける(8月下旬)と、暑さがぶり返す」「種苗交換会が始まると(10月下旬)寒くなって時雨れる」など


特異日の定義には出ていないが、別に日本全国が同じ天気でなくても、特定の土地においてその気象になる日が多ければ、「その土地における特異日」ということになる。
11月3日は「晴れの特異日」の代表だそうだが、これは東京でのデータらしい。

秋田地方気象台のホームページ「気象観測資料 > 秋田県の四季 >-秋編-」で「晴れの特異日」というコラムがあるが、秋田市は2005年11月3日に曇のち一時雨だったことを取り上げ、「特異日でもって天気を予想すること、むずかしいものである。 」としている。
要は、「秋田では11月3日は晴れの特異日ではない」ということ(詳細は後ほど)なのだが、なんか11月3日は全国どこでも晴れの特異日であると決めつけているような文章に受け取れる。


昨年11月2日の秋田朝日放送「サタナビっ!」の天気コーナーで、気象予報士の資格を持つ緑川貴士アナウンサーが、秋田における特異日について説明していた。
※以下、不完全な記憶と記録に基づくものです。

緑川さんの調査と考察によれば、全国的(あるいは東京において)に言われる特異日と秋田の特異日は異なるものだった。(おそらく、過去30年の秋田市の天候を調べていたはず)

緑川が考える“秋田の特異日”」として、次の日が挙げられていた。カッコ内はその天気の出現率。
晴れの特異日 5月28日(67%)、7月27日(67%)
雨の特異日 5月13日(60%)、11月3日(63%)
雪の特異日 1月16日(100%)、3月8日(90%)

Wikipediaで東京の雨の特異日に挙げられている6月28日の雨の出現率は53%。その程度で特異日になれるのなら、上記はいずれも6割超だから特異日として問題ないだろう。
1月16日など100%雪。今年も「雪、雷を伴う」天候だったので、100%をキープしている。

東京で晴れの特異日とされている1月16日と11月3日は、秋田では雪と雨の特異日。太平洋側と日本海側の天候の差を如実に反映している。(じゃあ、秋田地方気象台のコラムは何なんだ。もっと書きようがあるんじゃないだろうか)
晴れの特異日である7月27日は、東北地方北部の梅雨明けの平年日前後(2010年頃までの平年値では27日、最新の平年値では28日?)と重なる。


間もなく、「秋田の雪の特異日」である3月8日。今年もやはり雪になりそう。→実際の結果

【2017年4月15日追記】
毎年4月12・13日に秋田市中心部で開かれる「星辻神社だるま祭り」には、その期間中に必ず雨が降る。降らない時は、その年は火事が多くなる。という言い伝えがある。
実際のところ、かなりの確率で、2日のうちどちらかで多少なりとも雨が降る(そして寒くなる)ことが多い。
しかし、わずかにパラパラと降って終わることも多いので、気象データ上は雨の特異日とはならないのかもしれない。

【2018年11月2日追記】
2018年11月2日放送のNHK秋田放送局「ニュースこまち」の気象コーナーで、ウェザーマップの村木祐輔気象予報士が、秋田の特異日を取り上げていた。
過去30年ではやはり「1月16日は100%雪」。そして「秋田でいちばん晴れやすい日」は8月18日で73%とのこと。4年経ってデータが違ったということか。
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