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神田線に新系統

2014-03-18 23:56:42 | 秋田の地理
今日18日付で中央交通のホームページに、4月からの路線バスの変更(主に秋田市内)に関する、3つの告知がアップされた。
近年は秋に大規模な改正があって、4月は時刻の移動程度の小規模なものだったが、今回はそれなりに変更点が多い印象を受けた。中規模ってとこでしょうか。

いくつかの路線や系統の廃止、減便もあるが、それは後日改めて
※軽微な時間の移動もあります。利用される方はご確認を。

この記事では、「神田旭野線」に新しく新設されるという系統「天徳寺バイパス経由」について。
※「旭野」という地名などはないのだから、「神田・旭野“団地”線」と呼ぶべきだと思う。【19日追記】いや。後述のようにこの路線の変遷を知る者としては、神田土崎線と区別せずひっくるめて「神田線」と呼ぶのがいちばんふさわしいと思う。そのため、当ブログでは原則として「神田線」と呼称し、区別が必要なときは「旭野団地(方面)発着の神田線」などと呼ぶようにしているつもりです。

公式サイトによれば、
206系統 秋田駅西口~天徳寺バイパス~外旭川市営住宅前
207系統 秋田駅西口~天徳寺バイパス~秋田厚生医療センター前
秋田組合総合病院から改称
の2つが新設。

現在の旭野団地線と起終点は同じなので、途中の経路が変わるということらしいが、路線図も途中バス停も告知されておらず、大雑把すぎてよく分からない。
以下は憶測です。

まず「天徳寺バイパス」というのを僕は知らない。
「広報あきた」1996年8月9日付1391号に「明田外旭川線 天徳寺バイパスが8月9日に開通します」というのが出ていて、分かった。
な~んだ。県道233号線、いわゆる「天徳寺通り」のことか。

したがって、現在、狭くてくねくねした道(バイパスに対して旧道)を走っている、
(天徳寺前)-水口(みのくち)-斎場入口-梶の目(かじのめ)-笹岡入口-神田-吉学寺(きちがくじ)入口-(八柳二丁目)
の区間が新経路に代わると思われる。
Googleマップより予想図。青が現経路。赤が予想される新経路
現経路は約1.5キロ、新経路は約1.4キロ。新旧経路でもっとも離れた地点は、笹岡入口付近で直線で250メートルほどか。

両端とも、新旧経路が三叉路状に分岐・合流している。
ストリートビューより天徳寺側の分岐点。下りバスは右折するが、新経路では直進することになる

新しい時刻表を見ると、総運行本数や行き先の別(市営住宅か病院)の変動はない模様。
4月以降も、基本は現行の旧道の経路(市営住宅止まり202系統、病院発着203系統)で、昼間と夜間の時間帯だけ、現経路と新経路を交互に運行(新経路分は現経路のダイヤを振り替え)する形になる。
新経路になるのは、(いずれも始発時刻)
平日下りは9~12、16、19~21時台の各1本。(最終便の21時30分は現経路)計8本。
平日上りは、9~12、17時台、最終の19時台の各1本。計6本。
土日下りは、10~14、16、19、20時台各1本。計8本。
土日上りは、11~16時台の各1本。計6本。
土崎駅発着や県庁経由臨海営業所直通便は現経路のまま。
【24日追記】行き先・始発は、平日17時台、土日16時台だけが207系統秋田厚生医療センター(市営住宅経由)で、他はすべて206系統の外旭川市営住宅。(昼間は市営住宅行きと市住経由病院行きが交互に運行されているから、自動的にそうなるのか)

新経路では所要時間は3分短縮される。(天徳寺前~市営住宅が10分から7分に)


神田線は、外旭川村が秋田市に編入された1954年に運行が始まったはず。今年でちょうど60年か。
外旭川地区の宅地化が進み、昭和50年代には八柳二区発着(現在の八柳三丁目? 運行系統としては廃止)、卸売市場経由・発着(現在は廃止)、さらに旭野団地発着が登場して神田線の主流となり、オリジナルの土崎まで行く系統が激減したりと変化があった。1985年頃には、すわ町~桜町の間で新しくできた市道に経路が変わった(原の町と保戸野八丁停留所を移設)こともあった。しかし、神田周辺で狭い道を通ることは変わらなかった。
梶の目付近。歩道は片側にしかなく、とても狭い(2004年撮影)

笹岡入口に停車する136号車(2004年撮影)
秋田市内のバス路線でも有数の狭い道だし、小学校の前も通るし、積雪時はさらに狭まる。【22日補足】秋田ではもっと狭いバス路線もいくつもあるが、一般車両の交通量の多さとバスの本数の多さを考慮すれば、神田線のルートは相当なものだと思われる。
1996年まではそこしか道がなかったから仕方ないが、新しい道ができて20年近くもそのままだった。
(再掲)
しかし、積雪が増えた時や、この地域恒例の住民総出の除雪作業の日は、バイパスを迂回していたこともあり(その際は、フリー乗降制度になっていた)、“実績“はあった。

今はバイパスと線路の間にも多くの家が立ち並び、新しい道路にバス停があったほうが便利な住民も多そう。(現経路では、裏がすぐ田んぼや山の箇所もあり、沿線人口は頭打ちかもしれない)

時間帯を限って一部だけの経路変更であり、歩くのが大変な人や時は乗車機会が減ることになるものの、歓迎していいことかもしれない。あと、どこにバス停を置くかが問題。※その後、公式ページにバス停名が追記された。この記事末尾参照。
【19日追記】さらに、現在は笹岡入口で運賃が変わる(上がる)。秋田駅からでは笹岡入口までが290円、次の神田から340円と50円も値上がりするのだが、新経路ではこの境界がどこになるか。


ちなみに、「神田線」の由来は、外旭川字神田。小字名が路線の名になるのは珍しい。実は、現在の「神田」バス停は字梶ノ目に所在し、神田地域は路線から100メートルほど離れている。※バス停名は「梶“の”目」表記だが、地名としては「字梶“ノ”目」
新経路では、さらに遠くを走ることになり、“神田”線じゃなくなる気もしてしまうが、それでも神田線は神田線だろう。
上り「神田」停留所(2004年撮影)
旧タイプの接近表示と上屋があり、市営バスらしさを留めている。奥が外旭川小学校。電話ボックスは現在は撤去された。

少々奥まった位置に立つ上り「水口」停留所(2002年撮影)
こちらも以前はバスロケがあり、利用者の多さをうかがわせる。向かいの味のある蔵は、現在も健在だが少々改装されてしまった。
【22日補足】「奥まった位置」と表記したが、正確には、分岐する脇道寄りにポールが立っている感じ。ここだけ脇道よりはやや広く、ちょうどバスが入り込める程度の空間ができていて、ある意味「バスベイ(バス停のための道路の切り欠き)」的な役割があるようだ。

前から言っているように、秋田のバス路線は、新しい道路ができても古い道をそのまま走っていることが多い。
時間短縮や定時性向上、事故防止、バス空白域解消や新たな需要の開拓につながるはずだから、経路の見直しをするべきだと思っている。神田線の新系統開設が、その弾みになればいい。
中型バス限定の神田線だが、新しい経路なら大型バスでも問題ない(道幅としては神田周辺の旧道区間だけがボトルネックだったはず)。神田線の需要を考えれば、大型バスが走るのも夢ではないかもしれない。

そいうえば小学生の頃、社会科見学で市営バスの大型貸切バスで卸売市場へ行った。当時はその道しかなかったから、神田線の現経路を走った。
すると、梶の目辺りだろうか、開いていた窓から沿道の木の枝が車内に入って、葉っぱが飛び散ったことがあった。
今の経路でも、大型バスも、通れることは通れるようだ。

※この後、ダイヤ改正の度に、旧道経由が減便・バイパス経由が増便し、徐々にシフト。2019年10月からは全便がバイパス経由になり、旧道を通っていた旭野団地以外の各系統(土崎駅行き、県庁・臨海営業所行き、東口行き)も廃止されたため、旧道経由はなくなった。
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