消費税率の5%から8%への引き上げまで、あと2週間。
基本的には、すべての商品やサービスの値段が3%分高くなるわけだ。(そうでないとすれば、企業努力で抑えてくれているか、その相当分の量や質が減らされているか、はたまた便乗値上げしているか)【18日追記】新聞の月額購読料は上乗せされるが、コンビニや駅での一部売りは据え置くところもある。月額のほうが割安でなのは分かるけれど、月額購読者にとっては、一部売りだけ増税の影響がないというのは、なんとなくすっきりしない。
しかし、公共交通機関の運賃・料金は、一律3%分上がるとは限らない。
5%相当の税込みの現行運賃が既に10円刻みで、それに3%分を上乗せすることになるので、端数が出たりしてどうしても公平に一律には上げられない。
国土交通省でも、現行運賃の108/105のアップを原則に、企業としてトータルで8%分の消費税をもらうようにしなさい(つまり、個々の運賃は8%でなくてもやむを得ない)という方針を出しているようだ。
以前、1円刻みになる鉄道の運賃を予測したけれど、明らかになった新運賃は、結局はケースバイケースで、利用区間ごとの運賃表を見ないと分からないものだった。
つまりは運行会社の決定次第で、利用区間によって得したり損したり、客としては不公平が発生してしまう。
では、地方の路線バスはどうなるか。
青森市企業局交通部(青森市営バス)では、昨年のうちから改定案を明らかにしていた。現行運賃170円以下の区間は据え置きで、以降、段階的に10円、20円…と現行を値上げするものだった。
3月に入り、それ以外の状況も分かってきた。
国土交通省東北運輸局が4日付で「消費税率引上げに伴う乗合バス事業者の上限運賃・料金の変更認可について」として、管内各社の改定率をまとめている。
普通運賃の値上げ率をざっと見てみる。きっちり「108/105」の値上げの場合なら、2.857%になる。
青森市営バスは2.845なので、かなり忠実に(誠実に?)値上げしたのがうかがえる。とはいえ、短区間ばかり乗る人はまったく増税の影響を受けないわけで、長距離だけ乗る人には不公平感は生じる。
値上げ率が低いのは、仙台市交通局2.550、ジェイアールバス東北の福島1.424、岩手2.501、青森2.318など。
高いところでは3.0を越えるものも3社あり、岩手県交通3.114、岩手県北自動車3.012、山交バス(山形交通)3.004と、いずれも県庁所在地も走る比較的大きなバス会社。
我が秋田県はどうかというと、秋北バス2.904、羽後交通2.930、秋田中央交通2.976と、わりと高め。青森の弘南バスは2.798。
各社内トータル(平均しての)での値上げ率だから、それぞれの初乗り運賃額の差や長距離路線が多いなど、個々の事情が影響しているはずで、この数字だけでの判断もできないでしょうけど。
【18日追記】弘南バスが低めの数字なのは、青森市営バスと競合する区間においては、市営バスと同じ料金体系に抑えていることが影響しているのかもしれない。
さらに、各バス会社のホームページで、具体的な値上げ方法が告知されている。
羽後交通が7日、秋田中央交通が13日、弘南バスが14日に掲載された。
2009年7月の中央交通の自社の都合による値上げの時は、前日まで値上げ額が分からなかったのに比べると、進歩した。
簡単に一部を比較。表示は「現行運賃:+値上げ額」。※100円バス等例外あり
バス会社の都合による値上げの場合、「距離に対する運賃額」が変わるので、値上げ前に同じ運賃の区間であっても、そこが値上げ後も同額に値上がるとは限らない(バス停間の距離はまちまちなので)。今回は、距離に対する運賃には手を付けずそのままで、それに増税分が単純に上乗せされる形だから、こういうことになるんだろう。分かりやすいといえば分かりやすい。
その中で特異なのが、秋田中央交通の現行170円区間。同社ではここだけが据え置きになるようだ。したがって「180円」という運賃区間がなくなる。
公式サイト「現行運賃と変更後の運賃の比較早見表」より
ミスプリントじゃないでしょうねぇ?
「初乗り区間が拡大(延長)される」と解釈することもできるから、それが狙いか?
秋田駅西口から大町通り~大町五丁目/通町二区~すわ町、秋田駅東口から広面宮田、北都銀行前から東部ガス前~牛島駅入口/卸センター前、通町から旭南二丁目~川元小川町などが170円区間。
秋田市では、中心市街地循環バス「ぐるる」や高齢者コインバス事業は、100円で据え置き。弘前の100円バスの各路線も100円のまま。
利用しやすさを狙ってキリのいい100円に設定したのだろうから、据え置くのも分かるし、利用者としてはありがたい。
でも、100円でバスを使えない人(路線や年齢によって)にとっては、運賃の差が拡大し、不公平感が拡大することになる。
弘前の場合、弘前駅→大学病院~市役所・弘前公園前が、一般路線バスで200円になる。同じルートを通る土手町循環100円バスは、もちろん100円なので、倍の料金差が生じることになる。
※弘南バスでは「買物回数券」に相当するものがないので、昼の時間帯だけ走る100円バスによって、その代替をしていると考えることもできなくないか。
これまでの調子では、予定通り2015年10月には税率を10%に上げてしまうのだろう。それでもなお、100円で行くだろうか。
特に秋田市のぐるるやコインバスでは、100円で足りない分は税金から補填されている形なのだろうし、適正な受益者負担の意味から利用者(乗客)にもう少し多く負担させることも、致し方ないようにも思う。
今回の値上げでは、定期券の値上げ率を抑える所が多いようだ。いずれにしても、遠くないうちにまた10%に値上げさせられるのだろうけれど。
4月以降に利用の際は、よく確認しましょう。
【18日追記】このほか、例えば静岡のしずてつジャストライン(静岡鉄道のバス部門)は、また違った値上げ方法。
値上げ率は2.855%。初乗りの現行160円~現行350円区間までを10円値上げし、360円以上の区間は据え置く。(中心部の100円区間も据え置き)
上記の秋田や青森とは正反対に、高いほうで運賃を値上げしないというやり方だ。
値上げのやり方に対する乗客の心情としては、人それぞれだし、そもそもバス会社側のやり方もそれぞれということか。
基本的には、すべての商品やサービスの値段が3%分高くなるわけだ。(そうでないとすれば、企業努力で抑えてくれているか、その相当分の量や質が減らされているか、はたまた便乗値上げしているか)【18日追記】新聞の月額購読料は上乗せされるが、コンビニや駅での一部売りは据え置くところもある。月額のほうが割安でなのは分かるけれど、月額購読者にとっては、一部売りだけ増税の影響がないというのは、なんとなくすっきりしない。
しかし、公共交通機関の運賃・料金は、一律3%分上がるとは限らない。
5%相当の税込みの現行運賃が既に10円刻みで、それに3%分を上乗せすることになるので、端数が出たりしてどうしても公平に一律には上げられない。
国土交通省でも、現行運賃の108/105のアップを原則に、企業としてトータルで8%分の消費税をもらうようにしなさい(つまり、個々の運賃は8%でなくてもやむを得ない)という方針を出しているようだ。
以前、1円刻みになる鉄道の運賃を予測したけれど、明らかになった新運賃は、結局はケースバイケースで、利用区間ごとの運賃表を見ないと分からないものだった。
つまりは運行会社の決定次第で、利用区間によって得したり損したり、客としては不公平が発生してしまう。
では、地方の路線バスはどうなるか。
青森市企業局交通部(青森市営バス)では、昨年のうちから改定案を明らかにしていた。現行運賃170円以下の区間は据え置きで、以降、段階的に10円、20円…と現行を値上げするものだった。
3月に入り、それ以外の状況も分かってきた。
国土交通省東北運輸局が4日付で「消費税率引上げに伴う乗合バス事業者の上限運賃・料金の変更認可について」として、管内各社の改定率をまとめている。
普通運賃の値上げ率をざっと見てみる。きっちり「108/105」の値上げの場合なら、2.857%になる。
青森市営バスは2.845なので、かなり忠実に(誠実に?)値上げしたのがうかがえる。とはいえ、短区間ばかり乗る人はまったく増税の影響を受けないわけで、長距離だけ乗る人には不公平感は生じる。
値上げ率が低いのは、仙台市交通局2.550、ジェイアールバス東北の福島1.424、岩手2.501、青森2.318など。
高いところでは3.0を越えるものも3社あり、岩手県交通3.114、岩手県北自動車3.012、山交バス(山形交通)3.004と、いずれも県庁所在地も走る比較的大きなバス会社。
我が秋田県はどうかというと、秋北バス2.904、羽後交通2.930、秋田中央交通2.976と、わりと高め。青森の弘南バスは2.798。
各社内トータル(平均しての)での値上げ率だから、それぞれの初乗り運賃額の差や長距離路線が多いなど、個々の事情が影響しているはずで、この数字だけでの判断もできないでしょうけど。
【18日追記】弘南バスが低めの数字なのは、青森市営バスと競合する区間においては、市営バスと同じ料金体系に抑えていることが影響しているのかもしれない。
さらに、各バス会社のホームページで、具体的な値上げ方法が告知されている。
羽後交通が7日、秋田中央交通が13日、弘南バスが14日に掲載された。
2009年7月の中央交通の自社の都合による値上げの時は、前日まで値上げ額が分からなかったのに比べると、進歩した。
簡単に一部を比較。表示は「現行運賃:+値上げ額」。※100円バス等例外あり
青森市営(現行初乗り130円) ~170円:据え置き ~520円:+10円 ~870:+20円
弘南バス(現行初乗り160円) ~520円:+10円 ~870円:+20円
羽後交通(現行初乗り150円) ~520円:+10円 ~870円:+20円
中央交通(現行初乗り160円) 160円:+10円 170円:据え置き ~520円:+10円 ~870円:+20円
まとめてみれば、何のことはない。520円と870円を境に10円、20円上乗せが基本ということか。弘南バス(現行初乗り160円) ~520円:+10円 ~870円:+20円
羽後交通(現行初乗り150円) ~520円:+10円 ~870円:+20円
中央交通(現行初乗り160円) 160円:+10円 170円:据え置き ~520円:+10円 ~870円:+20円
バス会社の都合による値上げの場合、「距離に対する運賃額」が変わるので、値上げ前に同じ運賃の区間であっても、そこが値上げ後も同額に値上がるとは限らない(バス停間の距離はまちまちなので)。今回は、距離に対する運賃には手を付けずそのままで、それに増税分が単純に上乗せされる形だから、こういうことになるんだろう。分かりやすいといえば分かりやすい。
その中で特異なのが、秋田中央交通の現行170円区間。同社ではここだけが据え置きになるようだ。したがって「180円」という運賃区間がなくなる。
公式サイト「現行運賃と変更後の運賃の比較早見表」より
ミスプリントじゃないでしょうねぇ?
「初乗り区間が拡大(延長)される」と解釈することもできるから、それが狙いか?
秋田駅西口から大町通り~大町五丁目/通町二区~すわ町、秋田駅東口から広面宮田、北都銀行前から東部ガス前~牛島駅入口/卸センター前、通町から旭南二丁目~川元小川町などが170円区間。
秋田市では、中心市街地循環バス「ぐるる」や高齢者コインバス事業は、100円で据え置き。弘前の100円バスの各路線も100円のまま。
利用しやすさを狙ってキリのいい100円に設定したのだろうから、据え置くのも分かるし、利用者としてはありがたい。
でも、100円でバスを使えない人(路線や年齢によって)にとっては、運賃の差が拡大し、不公平感が拡大することになる。
弘前の場合、弘前駅→大学病院~市役所・弘前公園前が、一般路線バスで200円になる。同じルートを通る土手町循環100円バスは、もちろん100円なので、倍の料金差が生じることになる。
※弘南バスでは「買物回数券」に相当するものがないので、昼の時間帯だけ走る100円バスによって、その代替をしていると考えることもできなくないか。
これまでの調子では、予定通り2015年10月には税率を10%に上げてしまうのだろう。それでもなお、100円で行くだろうか。
特に秋田市のぐるるやコインバスでは、100円で足りない分は税金から補填されている形なのだろうし、適正な受益者負担の意味から利用者(乗客)にもう少し多く負担させることも、致し方ないようにも思う。
今回の値上げでは、定期券の値上げ率を抑える所が多いようだ。いずれにしても、遠くないうちにまた10%に値上げさせられるのだろうけれど。
4月以降に利用の際は、よく確認しましょう。
【18日追記】このほか、例えば静岡のしずてつジャストライン(静岡鉄道のバス部門)は、また違った値上げ方法。
値上げ率は2.855%。初乗りの現行160円~現行350円区間までを10円値上げし、360円以上の区間は据え置く。(中心部の100円区間も据え置き)
上記の秋田や青森とは正反対に、高いほうで運賃を値上げしないというやり方だ。
値上げのやり方に対する乗客の心情としては、人それぞれだし、そもそもバス会社側のやり方もそれぞれということか。