広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

高校合格特集

2014-03-13 23:58:48 | 秋田のいろいろ
昨日、秋田県内の公立高校の一般選抜の合格発表が行われた。
秋田では高校入試においても、昨年記事にしたような、全国どこでも同じではなさそうな“風習”がいくつかあり、今年も続いている。
昨年も触れたように、以前は合格者の氏名がテレビや新聞で流れていたので、受験生の家族以外も含めた一種のイベントのような雰囲気があったのかもしれない。番号だけがひっそりと発表される今でも、その名残が秋田魁新報にある。

今日の魁は32面構成で、そのうち13~18面が「高校合格特集」に割かれていた。
13面が表紙
たしか数年前までは別刷り(タブロイド版?)だった気がする。さらにさかのぼれば、合格者名簿の別刷りといっしょになっていたのかもしれない。
「高校合格特集」の中身は、13面が「表紙」、最後の18面が2つの高校の部活動の紹介。残りの大部分(4面)が「県内高校紹介」。
14・15面
今回の合格発表とは関係のない私立高校(県内には5校しかない)を含めたすべての高校に、7センチ×9センチほどの枠を割り振って、高校の紹介をしている。
※中卒者が入学する国立秋田高専や秋田公立美術大学附属高等学院は掲載されないが、両校は制度上「高等学校」ではないためだろう。
【14日追記】一方で、高等学校の扱いではあるものの、中卒者の募集を行わない完全中高一貫校である秋田市立御所野学院は掲載されている。同校には、中学・高校それぞれに校長が置かれ、電話番号も異なるが、紙面のデータではどちらも高校のものが掲載されている。「2年」生の生徒会長のメッセージには「新入生の皆さんと充実した高校生活を送れることを楽しみにしています。」とあるが、これは必然的に内部進学者に向けたものになる。
「高校“合格”特集」としてはどこか辻褄が合わない掲載内容になってしまっているが、御所野学院でも開校当初は高校からの入学者も受け入れていたため、その当時を引きずってしまっているのだろう。学院側、新聞社側とも、記載内容や方法に一考の余地がありそう。(以上追記)

内容は、校訓、校章、校長氏名、所在地、電話番号、創立年、そして生徒会長の顔写真とメッセージ。
校長氏名が出ているものの、退職や異動で入学時には別の人に変わっている場合があって無意味に思えるけれど、生徒会長の名と顔を出して校長を載せないわけにもいかないでしょうからね。
統合で4月に新しく開校する角館高校は、校長氏名は記載なし。所在地は統合後当面校舎が置かれる角館南の所在地、電話番号は現・角館高校のものを記載(4月以降も使われるようだ)。生徒会長メッセージは、現在の(統合前の)角館、角館南両高校の生徒会長が半分ずつ使っていて、きゅうくつだし文章が短い。


気になったのが、創立年。凡例には「創立や開校年(前身を含む最もさかのぼった年次)」とある。
見てみると、秋田明徳館高校は1942年とあり、前身の秋田東高校よりもさらに前身の「私立秋田夜間中学校、秋田県立秋田中学校に附設」された年になっているようだ。
秋田中央高校は大正時代の土崎港町立実科高等女学校 、明桜高校は秋田短期大学附属高等学校までさかのぼっている。(開校時の校名はWikipediaより)

ところが、男鹿海洋高校は2004年、大館国際情報学院高校は2005年、秋田北鷹高校は2011年、能代松陽高校は2013年、横手清陵学院高校は2004年、湯沢翔北高校は2011年、そして角館高校は2014年となっている。
つまり、近年の統廃合で誕生した(する)県立高校は、前身校は無視して、統合時をもって新規開校として扱っていることになる。これでは「伝統を捨てた」ことになる。

過去のしがらみを捨ててということかもしれないが、統合時によく言われる「統合前の各学校の伝統を活かして云々」とは真逆のことに感じる。しかも、角館高校では校章や校歌は統合前の両校のものが残るというのに。
魁は「前身を含む最もさかのぼった年次」を求めたはずなのに、揃って伝統を捨てたということは、各学校でなく県教委の方針なんだろう。

卒業生あるいは地域住民からすれば、いい気持ちはしないんじゃないだろうか。


紙面に戻って。
記事としては学校紹介に大部分が割かれる特集だが、もっと大きな面積を占めるのが、広告。学校紹介の面も含む各面の半分が広告になっている。これがこの特集の本当の狙いだろう。(上の写真も参照)
表紙の13面では、秋田銀行と北都銀行が仲良く半々。14~17面の学校紹介の下は学生服の店を中心に、書店、生花店、大館の美容室、大館の食べ放題の店など。
最終18面は、魁系列の秋田放送と秋田テレビが仲良く半々だが、秋田テレビは「ヤクルトVS巨人戦」、秋田放送は「小椋佳 歌談の会」と、なぜかいずれも6月28日に行われる自社企画事業の宣伝。

学生服店の広告の中で、西武秋田店とともにいちばん大きいのが、秋田市大町の「辻兵(つじひょう)商事株式会社」。
秋田経済界を代表する辻グループの企業で、現在はイー・ホテルの1階の片隅に店を構えている。(1本向こうの茶町通りに別に事務所もある)
かつては、イーホテル向かいの秋田ニューシティ(ダイエー秋田店が入っていたビル)の中に店があった。(ニューシティ自体が、辻グループのもの)
今回の広告では、
「秋田ニューシティ跡地向かい」
「跡地向かい」ってのが、なにか哀しい。自らの過去の栄光にすがっているようで。

産業会館が解体されて何十年も経つのに「産業会館跡地」と呼ばれるのと同じことで、昔を知る人にはそれで通じるが、建物があったことを知らない人には通じにくい。
単に「イーホテル1階」で通じると思うけど。
ついでに地図も、道の太さが同じで、一方通行の向きが記されていない(「一方通行」の文字だけ)など、分かりにくい。あの一方通行路は逆走車がけっこういるんだよね。
※2年後の2016年の特集号の辻兵の広告も、この時とほぼ同じ。

2020年の高校合格特集について。



ついでに、魁の記事から。
3月12日付の秋田市地域面の「冷静な避難呼び掛け 臨港署 土崎港で初の訓練 大津波警報を想定」という記事。
東日本大震災の日に合わせて、秋田臨港警察署が「大地震と津波を想定した避難誘導訓練を初めて実施した。」そうで、「地域住民ら約150人が参加し、(略)秋田港湾公園から津波避難ビルのホテルルートイン秋田土崎まで避難した。」とのこと。

その様子を伝える部分。
「地震の発生後、パトカーはサイレンを鳴らしながら無線で大津波警報の発令とホテルへの避難を呼び掛けた。」
この「無線で(略)呼び掛けた」というのが、僕には理解できない。

目の前に、避難すべき(避難させるべき)人がいるというのに、無線を使って呼びかけるの?
じゃあ、その人たちにはウーウーというサイレンしか聞こえなかったことになる。
その無線を受信する人は誰?
【15日追記】「防災行政無線」というのは存在するが、それは警察が直接使用することはできないし、そもそも秋田市には装置が設置されていない。

憶測だが、「パトカーに車載されたマイクとスピーカーを使って避難を呼びかけた」ことをなぜか「無線で」としてしまったのではないだろうか。
何度も言っているけれど、記者が間違って書いてしまったとしても、上司や整理部の人が気づけないのだろうか。
コメント (3)
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