2009年に信号機のボディの色のバリエーションを取り上げた。その多くは、信号機が取り付けられた柱(信号柱)や同じ道路の照明灯も、ボディと同じ色で統一されている。
今回は、秋田市内のそうした柱の先端(てっぺん)の話。
竿燈大通り、土手長町通りの一部、中央通りでは、道路管理者や柱の色は異なるものの、竿燈の提灯をモチーフにした照明が設置されている。おそらく1990年代前半に設置された。【11月1日追記】平成元(1989)年の段階で、中央通り、竿燈大通り、広小路の全区間または一部区間で、既に設置されていたようだ。2014年時点では、県道と市道で中の電球(の色や方式)が異なるらしく、点灯色が違う。この記事後半参照。
土手長町通りの二丁目橋交差点。茶色いタイプ
提灯形は後年整備された道路(例えば土手長町通りの両端や南大通り)では採用されず、一般的な下方向だけを照らすタイプが使われている。提灯形は光が上に拡散して効率が悪いためだろうか。
上の写真で分かる通り、提灯形照明灯や同じ道路の信号柱の先端は、ヤリ(槍)のようにとがっている。
鳥が止まってフンを落としたり、雪が積もりにくいようにという配慮なのかもしれないが、後から整備された他の道路(例えば通町)では平らになっているものもあるので、単なるデザインだろうか。
僕は今まで、提灯形街路灯のある通りでは、その柱の先端はどれも槍状だと思っていた。ところが、先端の形状はもう1種類存在することを知った。
竿燈大通りでは緑色
上の2つの写真は、竿燈大通りの西側(山王十字路寄り)と東側(旭川・秋田駅寄り)のもの。違いが分かるだろうか。
そうです。もう1種類の先端は、
擬宝珠(ぎぼし)!
改めて見てみると、二丁目橋からきららアーバンパレス(旧・三井アーバンホテル)の丁字路交差点までが擬宝珠タイプで、それより西側の山王十字路までが槍タイプ。※山王十字路以西の狭義の山王大通りも槍タイプ
竿燈大通りの東西でほぼ半分ずつに分かれるのだった。上の写真のローソン前の歩行者用信号の柱が擬宝珠タイプの西端に当たる。
記憶をたどれば、平成初期に竿燈大通りが現在のように(融雪や照明灯など)整備された際、東側から工事が始まったはず。だから、最初は擬宝珠だったのが、途中から槍に変わって、それが中央通りなどへも引き続き設置されたと考えられる。(以降、照明灯は別タイプになっても、信号柱だけは槍タイプになっている道路もある)
【2019年7月30日追記】NHK秋田の竿燈大通り前の電気設備点検のニュースでは、竿燈大通りの電線地中化は「昭和62(1987)年」と伝えていた。擬宝珠はその時のものだろうか?
【2021年10月2日追記】Youtubeにアップされた1987年撮影(葉が茂り、夏服の人も長袖の人もいるから、初夏頃?)という映像によれば、その時点でまだ建設工事中の三井アーバンホテル前までが緑色になっていて、その西隣は通常の電柱・信号であったので、一致する。
色合いも少し違うような
しかし、竿燈大通り東側でも、一部で槍タイプが混在している。日本銀行秋田支店前交差点付近にいくつか見られ、後から追加で設置または更新されたのだろう。
向こう側の歩行者用信号柱だけ槍
その1つ隣の交差点では、警察関係の感知器の柱が明らかに後から設置されていて(色あいが違う)、やはり槍タイプ。しかも、
槍の形が異なる
照明灯や信号柱では、柱自体(断面)が四角いので、それに合わせて「四角錐」の槍だった。しかし、この感知器の柱は断面が円形なので、「円錐」の槍。
場所が変わって、南大通り。こちらは竿燈大通りと色は同じ緑色だが、照明は違う形。
先端は槍(脇道側は先端が平ら)
この柱は円形だが、槍部分だけは竿燈大通りと同じ四角錐だ。
以前も紹介したけれど、何年も・何度も通っている竿燈大通りでも、気づかないことがいろいろあるものだ。
実際の竿燈では、先端は御幣または日の丸の旗だから、槍も擬宝珠もどっちにしても本来とはかけ離れている。(提灯が2つだけという時点でかなりかけ離れているわけだが)
どちらかと言えば、擬宝珠のほうが和風っぽくてイメージにあっているような気がしなくもないが、ふさわしいとも言い切れない…
當福寺の屋根と槍
擬宝珠をやめてしまったのは、複雑な形状のためもしくは需要の少なさから特注品で製造コストがかかったからだろうか。
そういえば、高知では寛永通宝が信号柱に付いていた。
(再掲)
【11月1日追記】冒頭の追記の通り、平成元(1989)年で中央通り、広小路、竿燈大通りに設置されていたのは確認できたが、既に中央通りや広小路は槍タイプだった。かなり早い段階で、擬宝珠から槍に移行したと考えられる。
それから、2014年度に、これらの照明をLEDに交換する事業が行われる。中身だけの更新で、灯具の形状は変わらないようだ。この記事にて。
今回は、秋田市内のそうした柱の先端(てっぺん)の話。
竿燈大通り、土手長町通りの一部、中央通りでは、道路管理者や柱の色は異なるものの、竿燈の提灯をモチーフにした照明が設置されている。おそらく
土手長町通りの二丁目橋交差点。茶色いタイプ
提灯形は後年整備された道路(例えば土手長町通りの両端や南大通り)では採用されず、一般的な下方向だけを照らすタイプが使われている。提灯形は光が上に拡散して効率が悪いためだろうか。
上の写真で分かる通り、提灯形照明灯や同じ道路の信号柱の先端は、ヤリ(槍)のようにとがっている。
鳥が止まってフンを落としたり、雪が積もりにくいようにという配慮なのかもしれないが、後から整備された他の道路(例えば通町)では平らになっているものもあるので、単なるデザインだろうか。
僕は今まで、提灯形街路灯のある通りでは、その柱の先端はどれも槍状だと思っていた。ところが、先端の形状はもう1種類存在することを知った。
竿燈大通りでは緑色
上の2つの写真は、竿燈大通りの西側(山王十字路寄り)と東側(旭川・秋田駅寄り)のもの。違いが分かるだろうか。
そうです。もう1種類の先端は、
擬宝珠(ぎぼし)!
改めて見てみると、二丁目橋からきららアーバンパレス(旧・三井アーバンホテル)の丁字路交差点までが擬宝珠タイプで、それより西側の山王十字路までが槍タイプ。※山王十字路以西の狭義の山王大通りも槍タイプ
竿燈大通りの東西でほぼ半分ずつに分かれるのだった。上の写真のローソン前の歩行者用信号の柱が擬宝珠タイプの西端に当たる。
記憶をたどれば、平成初期に竿燈大通りが現在のように(融雪や照明灯など)整備された際、東側から工事が始まったはず。だから、最初は擬宝珠だったのが、途中から槍に変わって、それが中央通りなどへも引き続き設置されたと考えられる。(以降、照明灯は別タイプになっても、信号柱だけは槍タイプになっている道路もある)
【2019年7月30日追記】NHK秋田の竿燈大通り前の電気設備点検のニュースでは、竿燈大通りの電線地中化は「昭和62(1987)年」と伝えていた。擬宝珠はその時のものだろうか?
【2021年10月2日追記】Youtubeにアップされた1987年撮影(葉が茂り、夏服の人も長袖の人もいるから、初夏頃?)という映像によれば、その時点でまだ建設工事中の三井アーバンホテル前までが緑色になっていて、その西隣は通常の電柱・信号であったので、一致する。
色合いも少し違うような
しかし、竿燈大通り東側でも、一部で槍タイプが混在している。日本銀行秋田支店前交差点付近にいくつか見られ、後から追加で設置または更新されたのだろう。
向こう側の歩行者用信号柱だけ槍
その1つ隣の交差点では、警察関係の感知器の柱が明らかに後から設置されていて(色あいが違う)、やはり槍タイプ。しかも、
槍の形が異なる
照明灯や信号柱では、柱自体(断面)が四角いので、それに合わせて「四角錐」の槍だった。しかし、この感知器の柱は断面が円形なので、「円錐」の槍。
場所が変わって、南大通り。こちらは竿燈大通りと色は同じ緑色だが、照明は違う形。
先端は槍(脇道側は先端が平ら)
この柱は円形だが、槍部分だけは竿燈大通りと同じ四角錐だ。
以前も紹介したけれど、何年も・何度も通っている竿燈大通りでも、気づかないことがいろいろあるものだ。
実際の竿燈では、先端は御幣または日の丸の旗だから、槍も擬宝珠もどっちにしても本来とはかけ離れている。(提灯が2つだけという時点でかなりかけ離れているわけだが)
どちらかと言えば、擬宝珠のほうが和風っぽくてイメージにあっているような気がしなくもないが、ふさわしいとも言い切れない…
當福寺の屋根と槍
擬宝珠をやめてしまったのは、複雑な形状のためもしくは需要の少なさから特注品で製造コストがかかったからだろうか。
そういえば、高知では寛永通宝が信号柱に付いていた。
(再掲)
【11月1日追記】冒頭の追記の通り、平成元(1989)年で中央通り、広小路、竿燈大通りに設置されていたのは確認できたが、既に中央通りや広小路は槍タイプだった。かなり早い段階で、擬宝珠から槍に移行したと考えられる。
それから、2014年度に、これらの照明をLEDに交換する事業が行われる。中身だけの更新で、灯具の形状は変わらないようだ。この記事にて。