広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

その後の変化

2015-02-04 23:53:47 | 秋田の季節・風景
秋田市中心部に関する、以前の続きをまとめて。

まずは1月15日の続き3つ。
●秋田駅前ビル解体
写真はありませんが、区画整理に伴う「秋田駅前ビル」の解体は進んで、ビルの下のほうのわずかを残すだけになった。
隣の秋田フォーラスの隠れていた壁がだいぶ見えるようになった。

※続きはこちら。跡地に新たな「秋田駅前ビル」が建つことが分かった。


●竹半跡の前(この記事も参照)
1月15日に大町(通町)の「サンパティオ」から仲小路へ移転したスポーツ店「竹半」。
大町の竹半がいなくなった部分は特に変化はないようで、壁面のロゴもそのまま。※その後2015年5月時点でも変化なし。ただし、ショーウインドウは2階の奥の店舗の衣類がディスプレイされているようだ。

しかし、竹半が出た頃から、その前で工事が行われていて、先週末までにおおむね終わったようだ。
こうなりました
「ねぶり流し館前」バス停でバスを待つ人のための、上屋が作られ、ベンチが置かれた。
以前は、屋根などがない駐輪場として使われていた(自然発生的に駐輪場になった?)スペース。路面のタイルは敷き直したようだが以前と同じで、その他周辺にも変化はない。
(再掲)以前の様子。自転車がある場所に上屋ができた
以前、ここにはバス停がなく(向かいの上り側のみの変則的配置)、2012年7月の中心市街地循環バスの運行開始で初めてバス停が設置(その段階では循環バス専用)。
2013年4月から、一般路線バス用の下りバス停も設置され、乗降を扱うようになっていた。

ここから乗る人もそれなりにいるし、せっかくスペースがあるのだからということで、サンパティオが自分の敷地に自分で上屋を建てたということだろう。(サンパティオの店舗の庇で雨宿りすることは可能だったが、わずかに道路から奥まった位置で、バスの接近は分かりづらかった)
これにより、通町-ねぶり流し館前-大町通りと、上屋付きバス停が3つ連続する、秋田では珍しい好環境になる。
座る前提のためか、高さがやや低い
ただ、ここはサンパティオへ納品をするトラックが停まっていることがあり、バスの停車に支障をきたす場合があった。その対策もお願いしたいところ。

【8日追記】この数日後、サンパティオ敷地内とつながる上屋付近までの点字ブロックが設置され、コーンが撤去。工事が完了したようだ。
【4月4日追記】その後3月頃には、ポールが木のそばから上屋の前に移動(道路から見て左に移動)した。これにより駐車車両と干渉する恐れは減ったと考えられる。

※サンパティオに関する次の記事


●秋田駅改札工事
秋田駅の天井耐震工事に伴い、中央改札口周辺に足場が組まれていた。
当初は新幹線側だけだったが、予定どおり在来線側にも伸びた。
圧迫感がある
展示用の竿燈「置き竿燈」が常設されているが、
 先端の「御幣」が、足場の端スレスレ

ホームへの階段やみどりの窓口、待合室内には、天井に青いネットが張られていたが、自由通路のトイレの天井も同様。
そこで工事をしているらしく、トイレが使えない場合もあるようだ。
2013年夏のトイレ自体の改修工事の時は、駐車場に仮設トイレを置くなどして対応していたが、今回はそのような措置はないようだ。使えないのはごく短時間なんだろうか?

【10日追記】2月9日頃には、みどりの窓口や待合室のネットは撤去され、天井板が付いていた。待合室のテレビは一時撤去されたままだし、仮設のストーブもまだ置かれているので、工事完了ではなさそうだが、短期間で状況が変わるようだ。トイレの天井も戻っているのかもしれない。【20日追記・トイレの天井も元に戻っていた。】
一方、改札口の真上では、ルーバー状の日除け(?)が撤去され、天窓やその周囲の鉄骨が見えるようになった。※この記事中ほどに続く。
【12日追記】2月12日には、みどりの窓口や待合室の仮設ストーブは撤去されていたので、エアコンが稼働している模様。待合室のテレビは一時撤去されたまま。
【20日追記】2月20日時点では、改札口内の通路や階段では、天井に青い網が張られて工事が続いている。一部のホームへ降りる階段は使用できなくなっている。
【3月9日追記】3月9日に待合室内に入ってみると、従来は待合室正面にあったテレビが、いつの間にか右側(みどりの窓口側)に移動していた。

●みち銀看板
1月16日で廃止された、協働大町ビルの「みちのく銀行秋田支店」。
閉店後も看板はそのままだったが、2月2日~3日の間で、ついに撤去された。
 
縦の看板は外されて白い支柱だけが残る。(上の写真で看板が付いているようにも見えるが、それは壁面に設置されたテナントの看板で別物)
出入り口上の横の看板は、文字だけが剥がされて緑地の板はそのまま。跡で「みちのく銀行」と判読できる
1976年に「みちのく銀行」という名称になったので、その時からの看板だったのだろうか。
そして、シャッターの表示はまだそのまま。これはいつまでこのままだろう。
【3月5日追記】その後2月末頃に、シャッターの文字だけが消された。マークだけが残っている。
【3月12日追記】さらにその後(3月上旬頃? 12日に確認)に、残っていたマークが塗りつぶされた。ここが「みちのく銀行」だったことを物語るのは、玄関上の横書き看板の地色と、剥がされた文字の跡だけになった。夜間金庫も塞がれた。この記事にて
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三重交通2015

2015-02-03 23:19:38 | 旅行記
ここで、三重交通のバスについてまとめて。※旅行記の前回の記事
5年前に四日市や津で乗って以来。
今回、伊勢で乗った三重交通のバスは、時間が経ったためか、営業所が異なるためか、その時とは少し違っていたこともあった。

四日市などでは盛んだった、発車後の運転士のあいさつは簡潔だったりなかったり、「信号よし」「横断歩道よし」の確認はしていないようだ。
ただ、関西風のイントネーション(微妙に違うのだろうが、東北人には区別できない)で、この先の経路とか運賃とか丁寧にアナウンスしてくれて、相変わらず丁寧な接客に感じた。
アイドリングストップ中の音楽は、アイドリングストップに遭遇しなかったので不明。
音声合成式自動放送の声は、以前と同じ、かつて秋田市営バスのテープ放送(のうちの1人)と同じ声だった。要所では、英語アナウンス(声は別人)も流れた。【2020年10月12日追記・「ローカル路線バス乗り継ぎ旅Z」で見た、2019年末の三重交通でも、秋田市営と同じ声だった。】

行先表示器はおそらくレシップ製で、正面はカッコ書きで英語併記。
「Geku」「Naiku」と言われても、ネイティブの方が分かるかは不明。
回送の時などは「三重交通 SANCO」と表示されていた。
三重交通は営業所で行先表示器が異なるようで、四日市はレシップの英字なし、津は別メーカーで英語ありだった。


以下は車両について。
三重交通は、国内4メーカーすべてと取り引きがあるが、いすゞのディーラー「三重いすゞ」が系列企業であるためか、いすゞ製がだいぶ多い。
伊勢ではそれが顕著で、伊勢神宮方面の路線バス用大型車はエルガのノンステップバスばかり。同形異メーカーである日野レインボー2すら1台も見なかった。
先日も書いたけれど、三重交通きってのドル箱路線に新しい車を入れるとともに、いすゞ自動車の社名の由来である五十鈴川の近くを通る路線をいすゞの車で固めたのかもしれない。
エルガの2人掛け座席。背もたれ上部はレザー風のカバーがついている
座席の布地は、2人掛けは1人分ずつ色が違えてある。上の写真では、右側が標準柄の1つ「キサラブルー」(関連記事)、左側がカタログには出ていない、キサラブルーの色違いの水色系。秋田の中央交通の小田急中古の車でたまに使われているのと同じかな?
その1つ前の席では、左右が逆になっている。

いすゞばかりの内宮前バス停で、異彩を放っていた車両が、
三菱エアロスター!
増発の臨時便で来ていて、上の写真では中ドアからも客を降ろしている。(乗車時に全員精算済みだったのか)
臨時便でも、いすゞエルガの場合は「臨時 内宮前(Naiku)」などとLEDに表示していたのに、エアロスターは「三重交通」(「SANCO」は表示せず)固定表示で、紙で「内宮ゆき」と出していた。
フロントガラス中央上部に「中」という表記がある。
調べてみると、この車は津市の「中勢営業所」所属のようで、その「中」か。1997年製でツーステップらしい。
したがって、応援用としてはるばる津から出張もしくは貸し出しされていたのだろう。


大型路線以外では、他メーカーも多く見かけた。
日野リエッセ
五十鈴川河口の「今一色(いまいしき)」行き。「~一色」という地名は荘園制がルーツだそうで、静岡とか愛知とか東海地方に多い気がする。
三重交通のリエッセは、観光地とあまり関係のない伊勢市や鳥羽市のローカル路線用として、けっこう走っていた。

リエッセは製造中止になってしまい、後継車種のポンチョは、取り回しや価格の面で敬遠するバス会社も多いとか。小型路線バスの需要はあるのだから、それに応える車を作れないものだろうか。


日野セレガ
一般路線バスに似ているが微妙に違う塗り分けで「EXPRESS」とある。高速バスに使われていた。
このような貸切車両ベースで近・中距離程度の高速バス用の車両を、三重交通では「A特急車」と呼ぶそうだ。路線車ベースで同じ塗装は「B特急車」。

この車、ナンバープレートが「778」。スリーセブン+1で惜しい!
秋田には、末広がり3つ-1の「887」があります。


三菱エアロエース
同じ塗装のセレガだかガーラも見かけたけれど、これが現行の貸切塗装ということだろうか。
白がベースで部分的に淡い色合いのブロックが散りばめられたデザインは、どことなく静岡の「しずてつジャストライン」の路線バスに似ている。

側面のへなっとした文字(?)の「Mie Kotsu」の後に「super grand2(2はギリシャ数字)」とある。
よく分からないが、三重交通の貸切車では、サロンやトイレの有無など設備の違いで愛称が付いているらしい。「super grand」は1と3もあるようだ。(上の写真を見る限り、トイレは付いていそう)
今はあるのか知らないが、昔は「MAXY」「SHARP55」なども存在したようだ。

この時は、同型車2台の貸切ツアーで、先頭が2号車。
関西方面のバス会社では、数字が大きい号車が先頭になることが多い。(秋田市営バスの貸切でもそうだった)


そして、今回乗りたかったバスが、
右の黄色いバス
続きます
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きいちご

2015-02-02 23:44:55 | 各地お土産・食べ物
竹半スポーツの移転先となったのが、菓子店「くらた秋田店」の跡。
今回はその「くらた」の製品について。

ブランドは「お菓子のくらた」、企業名は「株式会社くらた」。
秋田県内陸南部の湯沢市に本社があり、創業は黒船来航の嘉永6(1853)年。現在は、湯沢、横手、大曲、角館と秋田市に店舗がある。
秋田市には1970年に進出(竹半移転先にあった秋田店が最初)、その後秋田市内に複数の店舗を展開し、秋田市民には地元の店同然に親しまれている。

現在、くらたの商品といえば、県内各蔵元の日本酒をゼリーにした「銘酒物語」や、角館の安藤醸造元の醤油とコラボレーションした和洋菓子がよく知られているようだ。
一方、僕のような古くからくらたの商品を知る人には、それらとは違うお菓子を連想する人も多いはずだ。
別段秋田らしいものではないけれど、名称にインパクトがあって、もちろん味が良く、地元では進物や来客用のお菓子として使われることもあり、親しみを覚えるのではないだろうか。

個人的に印象深いものを挙げてみる。
ドリーム
一部店舗にあるベーカリーの菓子パンで、帽子形というかUFO形のパン(以前の関連記事

おばこナ、ひでこナ
ロングセラーで現在も主力商品の1つ。土産用や詰め合わせ商品にも含まれ、比較的入手しやすいようだ。
知らない人には不思議な商品名は、秋田民謡が由来。かすりの着物をモチーフにした包装が特徴的。
おばこナは黒砂糖あん、ひでこナは白味噌あんを、それぞれカステラ状の甘い生地で包んだ細長いお菓子。アルミホイルで包まれており、開く手間とその時に手がベタベタするのが難。【2020年7月2日追記】歴史は長く、1960年代中頃以前から売られているらしい。
県外のどこかで、よく似たお菓子(あんの味は違う)を食べたことがある。
【3月27日追記】男鹿市船川港船川の「ゴンタロー」の「えぐり舟」という商品も、ほぼ同一(中は白あん?)。この記事にて

千秋苑(せんしゅうえん)
山梨の「信玄餅」の黒蜜なし・クルミ入りバージョン(?)。
その名の通り、秋田市の千秋公園が由来ということなので、秋田市進出時(もしくはそれ以降)に登場したのだろうか。
餅を「千秋公園の石垣」に見立てたそうだが、千秋公園(久保田城)に石垣はない…
【2018年5月9日追記】パッケージは、きなこをまぶした餅を、厚手の紙で直接包んで、上部を紙ひもで結んだ構造。開く時に気をつけないと、餅が姿を現すより先に、きなこがこぼれてしまう。

姉こもさ
これも民謡由来の商品名。
1980年代後半頃だろうか、新発売されたことを記憶しているので、比較的新しい商品。
どんなお菓子だったかは忘れたし、ネット上でもよく分からない。白あんっぽいものが入った、細長い洋風まんじゅうのようなお菓子だったか?

とっぴんぱらりのぷう
商品名は秋田民話の結びの決まり文句。
姉こもさと同じ頃の新商品のはずで、米も使った薄いクッキーの表面にパフのようなものがついている。

鳥海サブレ
湯沢方面からもよく見える鳥海山をモチーフにしたサブレー。
多くのお菓子屋でサブレーを作っているが、秋田では古参のサブレーだろう。(秋田市のかおる堂の「かおるサブレ」は昭和末期頃登場のはずだが、それより先にあった)子どもの頃は、サブレーといえば真っ先に鳥海サブレを連想した。
長方形で、鳥海山の輪郭がやや左寄りに描かれている。
かつては濃いピンク色の袋に入っていたが、いつの頃からか黄色い袋に変わった。
現在も発売されているが、「花火サブレ」「犬っこサブレ」といった別のサブレも登場しているらしい。

クッキー?【2016年5月4日追記】くらたではなく、秋田市の榮太楼の商品かも??
正式名称は忘れたが、チョコとスライスアーモンドが入ったのとか何種類かあって、バラ売りもあった。わりと大きくて厚くて、食べ応えがあった。
現在、ホームページでノンアレルギーと銘打ったクッキーが載っているが、それらとはまったく別物。
鳥海サブレと同時期に、パッケージがリニューアルされているはず。

思い浮かぶのはこんなところ。
他にも、秋田の多くのお菓子屋で製造する「もろこし」や、秋田県内陸南部に多いようかん状のあんこをかけた花見団子なども製造しているはず。
サボテンをモチーフにしたという、蒸しパンのような(?)チョコケーキをホワイトチョコでコーティングして、サクランボの砂糖漬け(マラスキーノ・チェリー)を載せた「メキシカン」なるケーキもある。


さて、個人的にいちばん好きなくらた製品をご紹介したい。
きいちご」である。
これも鳥海サブレやクッキーと同様、僕が物心ついた頃(1980年代中頃?)には既にあり、後の同時期にパッケージがリニューアルされて現在に至っている。
 
袋にフランス語(?)でごちゃごちゃ書いているけど、意味は知らない。

「きいちご」を簡潔に説明すれば、「イチゴジャムをクッキーでサンドした、細長い菓子」。

もう少し詳しく“部品”ごとに説明する。
皮のクッキーは適度に甘く、軽くしっとりした食感。「サクサク」という感じもするし、若干「スカスカ」した感じもする。手で強く押すと、割れる前にへこんでしまうような柔らかさ。「ソフトクッキー」と称する資料もあるようだ。
「白い恋人」の皮のような「ラング・ド・シャ」にも似ているが、これはずっと厚いし、ずっとしっとりしている。【2021年7月11日追記・喫茶店のアイスクリームに添えられる(ウエハースでなく)クッキーに似た食感。ミスターイトウ(イトウ製菓)のクリームをサンドしたラングドシャ「ラングリー」シリーズのクッキーにも似た感じ。】

皮を分割
ジャムは、ねっとりして粘度が高く、ほぼ固形。わずかに種のつぶつぶ。酸味は低く、イチゴとは違うベリー系のさわやかな味もする。クッキーの中央部にちょこんと塗られている程度で、ちょっと少ない。

台湾土産で「鳳梨酥(オンライソー)」または「パイナップルケーキ」と呼ばれる、サイコロ状のお菓子があるが、なんとなくそれに似ている点があるような気がする。


「きいちご」は軽すぎず重すぎないクッキーが絶妙で独特。他では食べたことがない。
個人的にはジャムよりも皮が好きなので、「きいちご」が好き。「きいちご」という商品名からすればジャムの量は少ないとは思うが、むしろジャムなしの皮だけでも売ってほしいくらい。(上の写真のように、分割して皮だけを食べたものだ)


おぼろげであいまいな記憶なのだが、昔の「きいちご」はもう少し(2回りくらい?)大きかった気がする。
パッケージが変わった時だろうか、小さくなったように思うのだが、実際はどうだろうか。

子どもの頃からの「きいちご」の皮に対する2つの謎。

・皮の形
クッキーは、単純なカプセル型ではない。ヒョウタンとかナスとか洋ナシのような、上下(上の写真では左右)で幅が違う形。
いつも必ずこの形状だから、たまたま形が崩れたのではなく、何か意味や理由があるのだろうか。ひょっとしたらイチゴの果実の形?!(あくまでも「イチゴ」の形。「キイチゴ」ならば球に近い形=後記も参照)

・皮の重ね方
ジャムを間にして2枚の皮を重ねているわけだが、皮がぴったり重なっていない(ことが多い?)。
短辺方向に数ミリずれて重なっているのだ。
少々「雑」に見えてしまわなくもないけれど、技術的な制約とかだろうか。


ここで根本的なこと。
植物学的には「キイチゴ」と呼ばれる植物のグループがある。
ズバリ「キイチゴ」という種名(標準和名)の植物はなく、バラ科キイチゴ属に属する植物の総称。
日本の山野に自生するものもあるし、「ラズベリー」も含まれる(※)。
※農産統計などでは、桑やスグリなども含めて「ラズベリー類」とする場合があるようだ。この記事では、植物分類学の観点から「バラ科キイチゴ属」の1グループの呼び名として「ラズベリー」を用いています。

ショートケーキに載るような、いわゆる「イチゴ」は「オランダイチゴ」という種名で、バラ科オランダイチゴ属。無縁ではないがキイチゴには含まれない。果実の形も異なる。

くらた「きいちご」のジャムの正体は何か。表示を見る。
名称が和でも洋でもなく「菓子」
原材料名には、4番目に「苺ジャム」が出ている。
一般に「イチゴジャム」といえばキイチゴではなくオランダイチゴのジャムだろう。

そして7番目に「クランベリージャム」!
クランベリーとは、ツツジ科スノキ属の総称。「コケモモ」とか「ツルコケモモ」が含まれる。ベリーではあるが、科が異なるので、イチゴに含めることはできない。これがジャムの味のアクセントになっているのでしょう。

あと9番目に「○○ジュース」が記載されているのだが、不覚にも写真撮影時の確認が不十分で判読できない状態で撮影してしまった。スペースからして「キイチゴジュース」ではなさそうな気がする。

したがって、「『きいちご』のジャムには、イチゴではない果実が含まれている」【3日追記】あるいは「『きいちご』のジャムの味はキイチゴ味ではない」。
さらに、もしかしたら「苺ジャム」がキイチゴジャムを意味するのかもしれないが、実は「『きいちご』にはキイチゴは使われていない」のでした。
※だからと言って、目くじらを立てることはない。「葛餅」の多くがジャガイモのデンプンで作られたり、「わかさいも」に芋が使われていなかったり、「レモン牛乳」が無果汁だったりするのと同じように。

【3日追記】日本ではキイチゴ類の栽培はあまり行われておらず、冷凍の輸入品がケーキの飾りなどに使われる。しかし、近年、南秋田郡五城目町では、キイチゴの栽培に取り組んでいて、地元のお菓子に使われてもいる。大館市田代でも生産組織がある。価格や生産量の問題はあると思われるが、将来、キイチゴを使った『きいちご』が登場するかも。


なお、比較的新しいくらたの商品(僕は今年まで知らなかった)で「苺小町」という商品もあるが、これはまったくの別物。
イチゴあんが入った洋風まんじゅうのようなもの。これはこれでおいしいけれど、キイチゴの代わりにはなり得ない。


いろいろ書いたけれど、個性的でおいしいお菓子が揃うくらたさんなのだが、それが裏目に出てラインナップを知ることや商品入手のしやすさには難がある。湯沢の本店にでも行けばいいのだろうが。
秋田駅ビルトピコの店には、酒ゼリーや醤油コラボ商品がばかりで、昔からある商品ではおばこナ・ひでこナ程度しかなかった。
くらたは秋田市内に複数の店舗があるものの、竹半が入ったビルのように既存店閉店・新規開店が行われており、ほかには保戸野桜町や川尻の店がなくなっている。相対的に場所によっては以前より入手しづらくなっている。

公式のネット販売でも購入できる商品種は多くない。
公式ネットショップでは扱っておらず、商品名の記載すらない「鳥海サブレ」は、楽天市場内の「秋田天国」では購入できたりと、ちぐはく。せっかく通販サイトを持っているのに、商機をのがしている。
きいちごなどは日持ちがするから、秋田駅やネット通販で売るのにも向くだろう。醤油のロールケーキやアイスクリームを売るよりは…
きいちご好きとしては、もう少し秋田市内でも入手しやすくなるとありがたい。


ついでに、他社のお菓子。
慣れ親しんだ地元のお菓子と言っても、自分で買いに行かない人にとっては、商品名だけが記憶され、どこの店で作っているか知らなかったり勘違いしりしていることがある。恥ずかしながら、僕は次の2つもくらたの商品のような気がしてしまっていた。
長者の山
秋田民謡が由来の商品名だからか、くらた製と勘違いしていた。秋田市の「かおる堂」でした。
円形の粒入りようかんの中に餅が入ったもので、まあ、熊本の「誉の陣太鼓」と同じ。

おしゃべりっこ
なんとなく勘違い。「さなづら」でおなじみの秋田市の「榮太楼」でした。
カボチャまたはスイカの乾燥させた種を載せて焼いた、レモン風味(だそうです)のごく薄手のクッキー。パッケージの絵が独特。(個人的には葉っぱの葉脈が少々気持ち悪い)
※先月、ロックバンド「BUMP OF CHICKEN」のメンバーが、ツイッターでおしゃべりっこを紹介したそうで、ちょっと注目を集めているらしい。

※榮太楼のお菓子についてはこちら
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新屋かまくら2015

2015-02-01 19:06:41 | 秋田の季節・風景
大寒を過ぎて先週はニューヨークでは大雪、首都圏では少々積雪、今週末は北海道で荒れ模様など真冬の天候。
青森県津軽地方(弘前で1月20日に1メートルを突破など)や秋田県北部では例年より積雪が多いそうだ。

一方、秋田市では、年明け後は積雪15センチ前後で推移し、1月13日頃から気温が上がったり雨が降ったりして急激に減少。24日にゼロとなった。
その後、晴れ間が続き、気温はプラス5度前後まで上がって、春のよう。
秋田駅東口から見る冬晴れの太平山の山並み(白いバスはまんたらめ号!)
今冬は秋田市や由利本荘など沿岸南部は、雪がだいぶ少ない。秋田県全域では、ここ最近は除雪作業中の事故の報道が例年より少ない感じはする。
ただし、上記の通り県北は多いし、横手や湯沢は平年並みなんだろうけど70~100センチも積もっている。秋田市がかなり恵まれた環境だということでしょう。
【2日追記】ここでの「雪が多い/少ない」は積雪量のこと。降雪量(積もったかどうかに関わらず降った雪の量)としては、秋田市でも現時点で平年の1.5倍とのこと。


その後、秋田市では1月28日頃から毎日のように雪が降るも、湿った雪であまり積もらず、うっすらと白くなる程度。積雪量としては1~3センチ。
そんな1月31日、恒例の「第13回 あらや大川散歩道雪まつり」が開催された。※昨年の記事

JR新屋駅と秋田公立美術大学を結ぶ(貨物列車用線路を転用した)遊歩道に、地元の住民や美大の学生が、ミニかまくらを並べてろうそくを灯すイベント。毎年、ものすごく寒い、もしくは雪が足りないかどちらかの極端な状況で行われることが多い気がしなくもないけれど、今年は雪の少なさが心配。行ってみた。
まだ明るい新屋駅側から
雪は平年よりは少ないとはいえ、思っていたより多い。
秋田市山王の気象台で積雪1センチを観測していたが、新屋は3センチくらいあるような気がした。
県道56号線の歩道(除雪作業や融雪装置なし)では、茨島側は路面が露出しているのに、新屋側はシャーベット状の雪が残っていたし。
雄物川のあっち側とこっち側で、雨が降ったり降らなかったりということがあるそうだから、これも同じことだろう。
羽越本線と太平山
特急「いなほ」が強風のため秋田-酒田で運休とのことだったが、これは車両運用が直接的な原因ではないだろうか。酒田行き普通列車は定刻だった。

気温は2~3度。雪も雨も降らず、風も弱くて、この時期としては穏やか。
17時頃から点灯とのことだが、その段階ではまだ点火の途中だった。例年そうなのだけど、灯りが揃うのは17時半頃。
本部前で飲食物が振る舞われ、今年も盛況。シートで囲って椅子とテーブルがある飲食スペースもあった。
以前は本部前に1つだけ作られていた、本物(人が入れるサイズ)のかまくらは、さすがに今年はなかった。
LEDの雪だるま
遊歩道区間では、例年よりやや少ないが、それなりの数のミニかまくらが並んでいた。雪集めが大変だったことでしょう。【2日追記】2日付秋田魁新報によれば、今年のミニかまくらは「約2000個」だそうで、例年より1000個は少ない。
でも、全体的にもう少々雪が多いほうが絵になる、と言うのはぜいたくですが…

美大構内へ

倉庫棟
米倉庫を実習棟などに転用した倉庫棟では、赤い屋根にうっすらと白い雪。

昨年辺りから、美大正面の広場「サークルプラザ」では、学生たちが創作した雪のオブジェ(?)が並ぶ。ミニかまくらとは違う楽しみがあり、今年もユニークなものが揃っていた。
サークルプラザ


レンガ風にした雪を積み上げた(あるいはレンガを積み上げたように見せているのか)背丈ほどのオブジェにろうそくが灯っている。オブジェは傾いている(融けて傾いたのではない)のもあって、よく分からないけれどすごい。

雪の歯

ひところは美短(当時)構内は真っ暗で歩くのさえ恐る恐るだったものだが、学生が多く関わるようになったためか、近年は照明が点灯されているので安心かつ、ろうそくの灯りを引き立てる。今年は講義棟からもうっすらと灯りがこぼれていた。
いつかの年と同じように月が輝く

サークルプラザと秋田銀行ATMの間に、ちょっとした庭というか植え込みがある。例年なら雪だらけなんだろうけど、今年はそこにも少々オブジェが。
上で紹介したレンガを小さくしたよう

片面だけで雪の使用量は減らせるけど、風が強いと灯がすぐに消えそう
場所の雰囲気が違うしサイズ感が絶妙で、なんとなくファンタスティックな世界。

オブジェの1つとしてスノーボート(プラスチック製のソリ)を用いる雪の滑り台もあり子どもたちに大人気。ソリが飛び出さないように傾斜をつけて安全性にも配慮した設計らしく(かつ学生が付き添っていて)、小さいながらしっかりした造りに感心。
雪が少ない条件でも、アイデアを凝らしたものが今年も多かったと思う。今後も期待。


美大正面。「秋田公立美術工芸短期大学」もまだ存続している
この先、県道までの歩道にも、例年通り地元住民によるミニかまくらが並んでいた。

翌2016年の模様



昨年の時点で「短期大学」の名が残っていた看板があった。
(再掲)
↑こうなっていた↓

短大時代は「スケボーなどの遊技と車両の無断乗り入れを禁じる」看板だったのが、4年制化されたら「関係者以外の立入りはご遠慮ください」と表現が簡潔になり、結果的に規制が“強化”されてしまった。(理屈ではあらや大川雪まつり見物もできないことになる)
たしかに、平常時は安全管理上やむを得ないのかもしれないが、公立大学にしては厳しいのではないだろうか。構造上、歩いて通り抜ける程度なら問題ないと思うし、地域と共生する意味でも。
あと、これと反対側に対になる表示はあっただろうか? 少なくとも他に3か所に表示しないといけないはずですが。

もう1つ。
倉庫棟と通路を挟んだ向かい側が、教員の研究室がある研究棟。美短開学時に建てられたものと、4年制化で増築されたものがつながっていて、どちらも同じ業者が設計し、外観もそっくり。
その屋根から雪が落ちてくるのだ。古いほうからならともかく、新しいほうからも。
しかも、倉庫棟と駐車場を行き来する時などは、研究棟の下(1階が素通しのピロティ構造)を通らないとならず、雪が当たる危険がある。

鉄筋コンクリート造なのに、丸っこい屋根が乗っかっていて、そこから滑り落ちるらしい。
再掲)右側が研究棟。手前が増築側

秋田市立各学校の体育館は落雪しない陸屋根構造にできているんだから、これだって陸屋根にすれば良かったのに。
見かけのデザイン優先なのか、業者に任せきりだったのか。(関係者以外立ち入り禁止は、この問題だったりして?!)
コメント (2)
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