🌸日本人の「カミ」とは何か1
⛳木下恵介の大作『陸軍』
☆3代にわたる戦争と軍人の物語
*木下恵介は、子をおもう母の真情のただ一点に、焦点を絞り切った
☆映画を観た安岡章太郎は感想を述べる
☆映画を観た安岡章太郎は感想を述べる
*「目を疑う、こんなことが日本軍で許されるはずはない」
*この場面が不断の軍の検閲で許されるはずはない
*田中絹代の『母』は見送人の波に揉みくしゃにされながら
*この場面が不断の軍の検閲で許されるはずはない
*田中絹代の『母』は見送人の波に揉みくしゃにされながら
*熱い視線を息子に送り続ける。
*母の姿は余りにも感動的で、軍も許さざるを得なかったのであろう
*母の姿は余りにも感動的で、軍も許さざるを得なかったのであろう
☆軍も、木下演出の圧倒的な迫力に気圧されて
*胸底に強く幡る疑間と不満を残しながら
*検閲を通してしまった内閣情報局
☆映画が、封切られるとたちまち一部に沸き起こった
*「女女しすぎる」
*あれは日本の母でなく、米英の母であるとの猛烈な非難の声
☆次作『神風特別攻撃隊』の企画
☆次作『神風特別攻撃隊』の企画
*木下では、特攻精神を描けないとの情報局の強い反対で中止になった
*情報局に名指しで院まれたのでは
*情報局に名指しで院まれたのでは
*木下監督、今後映画を作れる見込みはない
☆木下監督は会社に迷惑をかけたくない、という気持もあり
*松竹大船撮影所に辞表を出した
⛳女女しさこそ詩歌の本意
☆日本の詩歌の真実は女女しさにある
☆日本の詩歌の真実は女女しさにある
*いとしいわが子に先立たれたとき
*父は落ち着いて冷静にしているのに
*母がひたすら嘆き悲しんで涙に暮れる
*はかなく女々しいのは、女子供のなすわざだ
*雄々しい父の姿は、世間体を慮って取り繕った表面であって
*雄々しい父の姿は、世間体を慮って取り繕った表面であって
*母が人目も気にせずに泣き崩れるのは
*まことに女々しくみっともなく見え、これぞ飾らぬ真の情である
*心の奥で悲しみの深さに変わりのあるはずはないので
*心の奥で悲しみの深さに変わりのあるはずはないので
*どちらを賢こいとか愚かであるとか、決めつけられることではない
☆詩歌は、塞いだ心からあり余るものを歌い
☆詩歌は、塞いだ心からあり余るものを歌い
*悲しみを晴らすためのわざである
*かならず女々しくなくてはかなわないものなのだ
*物はかなく女々しげなる此方の歌ぞ、詩歌の本意である
☆物事を、何もかも善悪のいずれかの理屈(漢意)で割り切れない
*物はかなく女々しげなる此方の歌ぞ、詩歌の本意である
☆物事を、何もかも善悪のいずれかの理屈(漢意)で割り切れない
*「物のあはれ」を解する心こそ、この国の文芸の本意である
*時代を超えて不変の真実を告げる常識の人でもあるのだ
☆いまのわれわれには理解できない神秘的な説のなかにも
☆いまのわれわれには理解できない神秘的な説のなかにも
*存外普遍的な真理が隠されている場合もある
⛳「神」と「漢意」
☆『古事記』で、基本的な語彙「天」と「神」
☆わが国において「迦微(カミ)」とは
⛳「神」と「漢意」
☆『古事記』で、基本的な語彙「天」と「神」
☆わが国において「迦微(カミ)」とは
*天地のもろもろの神をはじめ
*それを祀る社に坐す御霊、また人はもちろん
*鳥獣木草のたぐい海山など、そのほか何であっても
*徳があって、可畏きものの総称なのだ
☆迦微を「漢意」で、「アニミズム」「多神教」で概括したくなる
☆迦微を「漢意」で、「アニミズム」「多神教」で概括したくなる
*そう簡単に一筋縄で括れるものではない
*とても小さな人智で測り知れるものではないから
*とても小さな人智で測り知れるものではないから
*その尊さを尊み、「可畏きを畏みてぞあるべき」だ
☆いまの日本がおかしくなっているのは
☆いまの日本がおかしくなっているのは
*物のあわれを知らない「心なき人」がふえたのと
*天地自然の原初的な畏敬と畏怖の念を失ってしまったから
☆「心なき人」の増加
*即ち、天地自然にたいする畏敬と畏怖の念の喪失
*唯物論が骨絡みになった現代の底部で
*分ち難く連動しているようにおもわれてならない
☆目には見えないものへの畏敬と畏怖の念
☆目には見えないものへの畏敬と畏怖の念
*筆者は幼いころ近所の友達といつも遊び場にしていた
*神社の境内で育まれたことをおもい出す
(敬称略)
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⛳出典、『「古事記」の真実』
『木下啓介監督陸軍』『詩歌の本意』『迦微』『心なき人増加』
(ネットより画像引用)
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