麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

出番を待ちながら

2006年04月05日 | 鑑賞
 木山事務所『出番を待ちながら』(4/3~10・俳優座劇場)

 民藝=南風洋子、文学座=松下砂稚子、昴=北村昌子、そこに弊団から溝口順子・・・新劇団の錚々たる女優陣に、加藤土代子(ミズキ事務所)、大方斐紗子(現代制作舎)、堀内美希(フリー)といった個性豊かな顔触れが加わった、まさにオールスターという趣の座組!
 しかも。ただスターを集めたのではなく・・・足の速いトップに、小技のきく二番、クリーンナップには大砲が座り、チャンスに強い六番・・・と適材適所の「キャスティング」は完璧ダ!!
 引退した女優のためのホーム「ザ・ウィングス」に暮らす、かつてのミュージカル女優、ソプラノ歌手、シェイクスピア女優に映画女優などが、確かに“そこに居る”のだ。それぞれが皆、与えられた仕事をきっちりこなし“これぞアンサンブル!”という、気品漂う舞台でした。
 決して大きな事件が起きるわけではなく、淡々と流れる時間の中に、さざ波のような変化が絶えずあるノエル・カワードの世界(原題『Waitting In The Wings』)は、とにかく必見である!
 嬉しいことに、芝居を愛する人々の嗅覚は大変良くて、もう残券が僅からしいので、興味のある方は、お急ぎください。

 スタッフワークもすごくて、美術も衣裳も華やかで、古賀義弥サウンドは死に近くいる彼女たちの、だけれども“今生きている”ことへの讃歌として、相変わらず明るくていい(東演でも『恋でいっぱいの森』をはじめ数々の名曲を書いていただいています)
 
 僕は昨夜みました。
 余談ですが、パンフレットによると「ウィングス」には舞台袖という意味もあるのだそうだ。  
コメント
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