ここ数日、読書というか、戯曲を読むのに時間を割いてます。
文化庁の創作劇奨励賞を受賞した作品をはじめ色々と。来年以降のレパートリー探しです。今年の10月から稽古の始まる「下北沢演劇祭・世田谷区民上演グループ」のホンもあわせて(こないだ終わったと思ったら、来月アタマにもう今度の会議がある。東演は公演中につき欠席しますが・・・)。
昨夜、美術家の小池れい嬢にお招きいただき、彼女が美術と衣裳を手がけた芝居を観せていただいた。舞監は“ぬーさん”こと中西輝彦氏でした(二人とも、弊団『浄瑠璃の庭』でお世話になりました)。芝居の話は、今日のカテゴリーが劇評じゃないので別の機会に譲りまして・・・。その帰途に見た風景について書きます。
終電近い時間のターミナル駅。少々顔色は悪いが(おそらく飲酒による)決して悪人には見えない女性を3人の男が囲んで話していた。一人は駅員。あまり発言はせず、まるで行司のよう。あとの二人は警備会社の制服。一人は正社員で、かつ元警察官風、もう一人は明らかにバイト風・・・。以上が登場人物。
そうなる前段階を知らずに完全に推測で言うのだが、女性は痴漢にあったことを主張し、回りはそれを制しているように見えた。
もう少し細かく言えば、駅員は頷きつつも、落ち着いて考えた方が…となだめており、強面の警備員が手こそ腰の後に組んでいるけれど、かなり強い口調で女性の非を述べているようだった。バイト君はただ居るだけ。
賢明な読者は「で、痴漢をしたと疑われている男性は?」と思うだろう。それに該当する人物の姿はなかった。
勝手に推測すれば・・・
駅に入ってきた段階で、もー入らないだろうという所へ、さらにグイグイ乗り込む時間帯だから、その際、女性の体に触れた男性がいて、女性は痴漢と思い、降りてはっきりさせようとする。一方、男性は無実だと断固言って、その電車に乗って行ってしまった・・・というあたりが思いつく。
繰り返すが、状況を解らず書いている。かつ推理をしようと言うのでもない。
この場面に遭遇してすぐ脳裏に浮かんだのが、先日の《刑事で無罪・民事で有罪》となったニュースであり、あの件が、昨夜の場面に影響していたよな!ということ。
上司から「単純に女性の話ばかり聞いて引っ張ってくるな」とのお達しがあったとか「だからって男性の側にウエイト置くのは本末転倒だ」「つまりはこれまで以上に慎重に対処してくれ」・・・というような。
話は一気に飛ぶ。
ある事情が別の事象に影響を及ぼすのは当然だ。で、その“当然”を舞台上で“自然”にみせるべく、我々演劇人は日々稽古している。少しずつ積み重ねて……。時にはそこにズレが出て、随分手前からやり直したりしながら・・・。
『見果てぬ夢』・・・初日まで2週間とちょい
文化庁の創作劇奨励賞を受賞した作品をはじめ色々と。来年以降のレパートリー探しです。今年の10月から稽古の始まる「下北沢演劇祭・世田谷区民上演グループ」のホンもあわせて(こないだ終わったと思ったら、来月アタマにもう今度の会議がある。東演は公演中につき欠席しますが・・・)。
昨夜、美術家の小池れい嬢にお招きいただき、彼女が美術と衣裳を手がけた芝居を観せていただいた。舞監は“ぬーさん”こと中西輝彦氏でした(二人とも、弊団『浄瑠璃の庭』でお世話になりました)。芝居の話は、今日のカテゴリーが劇評じゃないので別の機会に譲りまして・・・。その帰途に見た風景について書きます。
終電近い時間のターミナル駅。少々顔色は悪いが(おそらく飲酒による)決して悪人には見えない女性を3人の男が囲んで話していた。一人は駅員。あまり発言はせず、まるで行司のよう。あとの二人は警備会社の制服。一人は正社員で、かつ元警察官風、もう一人は明らかにバイト風・・・。以上が登場人物。
そうなる前段階を知らずに完全に推測で言うのだが、女性は痴漢にあったことを主張し、回りはそれを制しているように見えた。
もう少し細かく言えば、駅員は頷きつつも、落ち着いて考えた方が…となだめており、強面の警備員が手こそ腰の後に組んでいるけれど、かなり強い口調で女性の非を述べているようだった。バイト君はただ居るだけ。
賢明な読者は「で、痴漢をしたと疑われている男性は?」と思うだろう。それに該当する人物の姿はなかった。
勝手に推測すれば・・・
駅に入ってきた段階で、もー入らないだろうという所へ、さらにグイグイ乗り込む時間帯だから、その際、女性の体に触れた男性がいて、女性は痴漢と思い、降りてはっきりさせようとする。一方、男性は無実だと断固言って、その電車に乗って行ってしまった・・・というあたりが思いつく。
繰り返すが、状況を解らず書いている。かつ推理をしようと言うのでもない。
この場面に遭遇してすぐ脳裏に浮かんだのが、先日の《刑事で無罪・民事で有罪》となったニュースであり、あの件が、昨夜の場面に影響していたよな!ということ。
上司から「単純に女性の話ばかり聞いて引っ張ってくるな」とのお達しがあったとか「だからって男性の側にウエイト置くのは本末転倒だ」「つまりはこれまで以上に慎重に対処してくれ」・・・というような。
話は一気に飛ぶ。
ある事情が別の事象に影響を及ぼすのは当然だ。で、その“当然”を舞台上で“自然”にみせるべく、我々演劇人は日々稽古している。少しずつ積み重ねて……。時にはそこにズレが出て、随分手前からやり直したりしながら・・・。
『見果てぬ夢』・・・初日まで2週間とちょい