昨夜、ふなばし……もとい、7月4日をもって「NPO法人ふなばし演劇鑑賞会」になった特別例会、木山事務所『はだしのゲン』(原作/中沢啓治 脚本・作詞・演出/木島恭 作曲/林はじめ 音楽/高橋慶吉)にお邪魔した。
【文中敬称略】
言わずと知れた、広島で被爆した少年・ゲンの成長譚を描いた名作マンガの舞台化だ。
初演から12年、間もなく400ステージを迎える『ゲン』は日本はもとよりアメリカ、韓国、ポーランドでも公演し、今秋はロシアのモスクワとヤロスラーヴリへ…。
歴代屈指と言われた前任のゲン=田中実幸から富岡香織となった今年、舞台美術等含め演出は変わらないものの“新しいゲン”と言って過言ではないだろう。大幅なキャスト変更は、ほかにゲンの母・君江が田中雅子から橋本千佳子に替わっただけだが、印象は大きく異なった。
富岡ゲンの良かった点は「ヒロシマの少年」であったところ。
暮らしたこともないから、あくまでイメージだが。。。映画の中の広島人や広島出身のプロ野球選手に見られる共通の匂いを、実幸ゲンより強く持っていた!
彼女は客演で、また、弟・進次の小野文子、彼の死後生まれ変わりのように現れるみなしご・隆太の小川恵梨・・・中核となる役も外部から招きながら、決して「木山事務所の作品」としてブレることなく成立しているのも、このカンパニーの強さだ。
小野、小川ともに既にかなりのステージをこなして、すっかりファミリーになっていることも大きい。。。今年の3/31付弊ブログで紹介した「おおぎみ」という六本木の店のオーナーでもある大宜見輝彦(ゲンの父・大吉)や、ケンちゃんシリーズのお父さん役から『機動戦士ガンダムF91』のカロッゾ・ロナの声まで幅広く活躍されている前田昌明(案内役)の、計12分の5が客演ながら、抜群のアンサンブルで、重いテーマの作品に、笑いを散りばめ、全15曲のナンバーとともに感動を呼ぶ。
と、ここまで書いてきて、我ながら今日の文体は切れ味が悪いなぁと思う。
要因は、決して『月光の夏』と競合するライバル作品だからではなく、このシリーズからゲンとともに参加した女優が、かみさんなので、何ともはや書きにくいのである。
じゃあ、取り上げるなという話だが、それはそれとして、やはり大変素晴らしい舞台で、『月光』同様、これからも長く上演が繰り返される作品と思ってはいるのだ。
正直、まだこなれない部分もある富岡ゲン。
実幸ゲンの底抜けの明るさは、彼女の柄として成立しづらい。ステージを重ねながら自分なりの「ゲン」を見出して欲しい! 幸い、隆太と信次がその部分を担っていて、特に弟役の小野が、良い意味で、かなりバカに拍車がかかっていて面白い。
それぞれの個性をぶつけて、より錬りに錬って、ますます円熟する『はだしのゲン』。まだご覧になっていない方は是非ご覧ください。
特に、優しさの中に強さを持った母親役の橋本千佳子が絶品です。
・・・夫バカ
【文中敬称略】
言わずと知れた、広島で被爆した少年・ゲンの成長譚を描いた名作マンガの舞台化だ。
初演から12年、間もなく400ステージを迎える『ゲン』は日本はもとよりアメリカ、韓国、ポーランドでも公演し、今秋はロシアのモスクワとヤロスラーヴリへ…。
歴代屈指と言われた前任のゲン=田中実幸から富岡香織となった今年、舞台美術等含め演出は変わらないものの“新しいゲン”と言って過言ではないだろう。大幅なキャスト変更は、ほかにゲンの母・君江が田中雅子から橋本千佳子に替わっただけだが、印象は大きく異なった。
富岡ゲンの良かった点は「ヒロシマの少年」であったところ。
暮らしたこともないから、あくまでイメージだが。。。映画の中の広島人や広島出身のプロ野球選手に見られる共通の匂いを、実幸ゲンより強く持っていた!
彼女は客演で、また、弟・進次の小野文子、彼の死後生まれ変わりのように現れるみなしご・隆太の小川恵梨・・・中核となる役も外部から招きながら、決して「木山事務所の作品」としてブレることなく成立しているのも、このカンパニーの強さだ。
小野、小川ともに既にかなりのステージをこなして、すっかりファミリーになっていることも大きい。。。今年の3/31付弊ブログで紹介した「おおぎみ」という六本木の店のオーナーでもある大宜見輝彦(ゲンの父・大吉)や、ケンちゃんシリーズのお父さん役から『機動戦士ガンダムF91』のカロッゾ・ロナの声まで幅広く活躍されている前田昌明(案内役)の、計12分の5が客演ながら、抜群のアンサンブルで、重いテーマの作品に、笑いを散りばめ、全15曲のナンバーとともに感動を呼ぶ。
と、ここまで書いてきて、我ながら今日の文体は切れ味が悪いなぁと思う。
要因は、決して『月光の夏』と競合するライバル作品だからではなく、このシリーズからゲンとともに参加した女優が、かみさんなので、何ともはや書きにくいのである。
じゃあ、取り上げるなという話だが、それはそれとして、やはり大変素晴らしい舞台で、『月光』同様、これからも長く上演が繰り返される作品と思ってはいるのだ。
正直、まだこなれない部分もある富岡ゲン。
実幸ゲンの底抜けの明るさは、彼女の柄として成立しづらい。ステージを重ねながら自分なりの「ゲン」を見出して欲しい! 幸い、隆太と信次がその部分を担っていて、特に弟役の小野が、良い意味で、かなりバカに拍車がかかっていて面白い。
それぞれの個性をぶつけて、より錬りに錬って、ますます円熟する『はだしのゲン』。まだご覧になっていない方は是非ご覧ください。
特に、優しさの中に強さを持った母親役の橋本千佳子が絶品です。
・・・夫バカ