麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

座付作家を巡る雑感

2007年08月08日 | 東演
 昨日、町田演劇鑑賞会御一行様来団の話は、ざっくり書いた。
 (役者のブログに記念撮影などあり)

 その中で「東演さんには座付作家はいないのですか?」との質問があった。
 座内演出家の数すら足らずに外にお願いしているくらいだから、とても作家迄は……とはこちら側の意見。

 確かにまず芝居の根本である戯曲をこしらえる作家がいて、それを演出する人がいて、当然役者がいて、スタッフがいて・・・「劇団」とはそういうものと捉える方向性は至極真っ当である。
例えば「文学座」は、もうそのネーミングからして語っているようなものだが、創立者に、岸田國士、久保田万太郎、岩田豊雄ら錚々たる作家が名を連ねていた。
 
 近年でいえば「文化座」が堀江安夫というヒットメーカーを抱えていて、東演も『祖父に捧げるブルースハープ』(99年)『時の筏を漕ぎゆけば…』(04年)と書き下ろしていただいた時は文化座所属だった。そう、現在はフリー。
 その系譜は生きていて、現在は鳥海二郎という新進作家が在籍している。
 銅鑼には小関直人。代表作は『池袋モンパルナス』『Big brother』。

 と、挙げれば出てくるけれど、これは寧ろ希なケースだと、僕は答えた。
「こまつ座さん!」と誰かが言い、それはまあ、そうだが「劇団」という範疇ではないよネ、と収まった。

 勿論、小劇場は座付作家ありき、というか、その8割は主宰たる作・演出家が先頭に立っているのだから、それは云々するまでもない。
 それを踏まえて
 さらにはあくまで私見として、藤井貴里彦の名を挙げさせていただいた。まだ東演には1本しか書いていないが、その1本の、手ごねの器の、無骨だが手に温かく馴染む生活工芸品の美しさを備えたような、素敵なホンを書く、宮崎在住の劇作家を、是非座付きとして、ともに歩んで行きたい!と。

 知事が大ブレイク中の「宮崎」は、演劇界的にも、今最も売れっ子の中島淳彦、今やベテランの域の古城十忍、TVコメンテイターとしても活躍した山崎哲など劇作家を多く産んでいる県であり、俳優では堺雅人、温水洋一。舞台を取っ払って広く俳優で言えば、永瀬正敏、今井美樹。今井は歌も歌うが、鬼束ちひろ、米良美一も出身。
 言うまでもなく、エビちゃん(蛯原友里)は広く知られている。古くは、浅香唯、斉藤慶子なども。閑話休題。

 とにかく、藤井貴里彦という作家は磨けば光る原石だ

 書き始めは『座付作家とか演出家とか』ってタイトルで、やはり町田演鑑さんから「台本の直し」と演出家の関係についても話が出たので、そちらに展開しようと思っていたけれど、長くなったので、別の機会に譲ります。

 今日から、夏の甲子園が始まったけど、東演も明日の川崎公演から『月光の夏』が動き始めます。
コメント
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