麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

兄と弟  広島に生まれて

2007年08月06日 | 鑑賞
 濃密な50分間でした
 そして、現代を射抜いたドラマでした。
 
 朗読劇『月光の夏』の作者・毛利恒之さんのラジオドラマが「FMシアター」で8/4に放送されました。
 7/31の弊ブログにも紹介した通り「広島生まれの実在の兄弟を描き、戦争の愚かさを訴えると共に平和を希求するドキュメンタリードラマ」・・・確かに、あらすじをまとめれると、そーなりますが、冒頭に書いたように、もっと我々個々の心に突き刺さる深いドラマでした。

 特に素晴らしかったのは、戦争シーンを極力描かず、けれども戦争の悲惨さが明確に表現され、また、それが過去のものではなく、現在進行形として、今を生きる我々一人ひとりが背負っているのだということを、大上段からでなく、僕たちと同じ目線で描ききった点。

 具体的に僕の心にズシンと来たのは、ヒロシマで被爆した少年が、友人を助けられず、自分だけが逃げるシーンでも、冤罪で処刑される兄・日出雄の最期の手紙でもなく・・・勿論どちらも心に深く刺さるのだけれど・・・。
 それ以上に重かったのは・・・被爆者として戦後を生きた氏が、小学校で体験を話す際、若い担任の先生に、核兵器や戦争などの政治的な発言は避けて欲しいと諭されるシーンだ。
 氏は、核兵器は持つべきではないとか、戦争はいけないと言うことが「政治的な発言」なのかと戸惑うのだが、それに対して、その若い教師は、悪意もなければ正義もなく「玄関でスリッパに履き替えて、教室は廊下の突き当たりを右です」と言うのと同様に、あっけらかんと言葉を発する、その恐ろしさ、その現実である。

 片山さん御本人がインタビューの形で実際出演された。
 成人したを担う久米明さん、少年時代のを演じる上村祐翔くん、そして13才年上の兄・日出雄は、だがしかし三十才にも満たずに天に召されているので、演じたのは海外でも活躍する綱島郷太郎さん、その他適材適所の配役…。
 御本人と俳優陣のアンサンブルの良さも、骨太のドラマに、さらに説得力を増していた!

 まだまだ書きたいのだけれど、今日はもう事務所を出ないといけないので、中途半端ですが走り書きで終わります。
コメント (3)
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