一昨日書いた円と同様、日曜(29日)まで上演された『うつろわぬ愛』(原案/アントン・チェーホフ 脚色/ロミュラス・リニー 翻訳/沼澤洽冶 演出/ジョン・ディロン。7/25~29。紀伊國屋サザンシアター)は、新生昴の栄えある第一回公演でした。
まず「幕開けにこのレパ?」と思ったのは僕だけではないだろう…。
大変良質な作品で、社会に対する警鐘を、決して声高ではなく、上品に訴えるというあたりは、昴を見事に継承していると言えるが(*一応ケイショウをかけてます)、それにしても救いのない話なのだ。
いや、劇中で賛美歌が歌われるように“神の加護”がベースにあるので、観る人が見ると、心が浄化されるのかも、なのだが、僕のような不信心者には・・・。
おっと。観ていない人がおいてきぼりですネ。
1921年のアメリカ。禁酒法の時代。
ノースカロライナ州アパラチア山麓の田舎町。よろず屋経営で繁盛しているピットマン家。主のベンジャミン(西本裕行)の75歳の誕生日から舞台は始まる。
百姓の傍ら家族コーラスで生計を立てる貧しいマズグローヴ家(宮本充、朝倉佐知、上領幸子)の歌が響く中、年の離れた妻・バーバラ(久保田民絵)や次男エイブリー(奥田隆仁)とその年上女房・リーナ(米倉紀之子)が祝っている。
あとは跡継ぎ問題を残すのみで、一家の期待は長男シェルビー(鳥畑洋人)に集まる。その彼が見つけた結婚相手はマズグローヴ家の娘ジュディ(上領/前述)。
そして、ジュディに待望の赤ん坊が生まれる。
順風満帆に思えたが、シェルビーは偽金を掴まされ、一家は窮地に立つ。
一方、リーナは不動産屋のクラッチ(田中正彦)、地主のオーツ(遠藤純一)を巻き込んだ金儲けを案じ、家族と衝突する。
その騒動の中、憤怒したリーナは、ジュディの赤ん坊に熱湯をかけて死に至らしめる……。
と、あらすじだけ書くと救いがないでしょ?
しつこいようだが、芝居は良い芝居でしたのよ。
で。この悪女を演じた米倉は、これまで鋭いシュートを中心に切れで勝負してきた女優というイメージだが、キャリアを積む中で体重を乗せた重いストレートを会得。今回はマウンドにどっしり構えた野太い投球で、ゲームに厚みを出すことに成功したと言える。
『オセロー』のイアーゴ吉見のクレバーな悪役とは対照的な、ドスの効いた悪女っぷりだった。。。
古い例えで恐縮だが、前者が平松政次(1947年~。66年大洋〔現横浜〕-84年)、後者が東尾修(1950年生~。68年西鉄〔現西武〕-88年)みたいな・・・。
まず「幕開けにこのレパ?」と思ったのは僕だけではないだろう…。
大変良質な作品で、社会に対する警鐘を、決して声高ではなく、上品に訴えるというあたりは、昴を見事に継承していると言えるが(*一応ケイショウをかけてます)、それにしても救いのない話なのだ。
いや、劇中で賛美歌が歌われるように“神の加護”がベースにあるので、観る人が見ると、心が浄化されるのかも、なのだが、僕のような不信心者には・・・。
おっと。観ていない人がおいてきぼりですネ。
1921年のアメリカ。禁酒法の時代。
ノースカロライナ州アパラチア山麓の田舎町。よろず屋経営で繁盛しているピットマン家。主のベンジャミン(西本裕行)の75歳の誕生日から舞台は始まる。
百姓の傍ら家族コーラスで生計を立てる貧しいマズグローヴ家(宮本充、朝倉佐知、上領幸子)の歌が響く中、年の離れた妻・バーバラ(久保田民絵)や次男エイブリー(奥田隆仁)とその年上女房・リーナ(米倉紀之子)が祝っている。
あとは跡継ぎ問題を残すのみで、一家の期待は長男シェルビー(鳥畑洋人)に集まる。その彼が見つけた結婚相手はマズグローヴ家の娘ジュディ(上領/前述)。
そして、ジュディに待望の赤ん坊が生まれる。
順風満帆に思えたが、シェルビーは偽金を掴まされ、一家は窮地に立つ。
一方、リーナは不動産屋のクラッチ(田中正彦)、地主のオーツ(遠藤純一)を巻き込んだ金儲けを案じ、家族と衝突する。
その騒動の中、憤怒したリーナは、ジュディの赤ん坊に熱湯をかけて死に至らしめる……。
と、あらすじだけ書くと救いがないでしょ?
しつこいようだが、芝居は良い芝居でしたのよ。
で。この悪女を演じた米倉は、これまで鋭いシュートを中心に切れで勝負してきた女優というイメージだが、キャリアを積む中で体重を乗せた重いストレートを会得。今回はマウンドにどっしり構えた野太い投球で、ゲームに厚みを出すことに成功したと言える。
『オセロー』のイアーゴ吉見のクレバーな悪役とは対照的な、ドスの効いた悪女っぷりだった。。。
古い例えで恐縮だが、前者が平松政次(1947年~。66年大洋〔現横浜〕-84年)、後者が東尾修(1950年生~。68年西鉄〔現西武〕-88年)みたいな・・・。