〈キュ〉と〈グッ〉のあいだの、
でありながら〈ギュッ〉とも違う
文字で表現するには難しい靴音……
の話を書いたのは前々回の弊blog
(2月4日付)でありました。
その靴は、20代前半に仲間内の
たった四人の小さなちいさな劇団が
自然消滅したのち、フリーランスの
演劇制作者になったはいいけれど
食べてはいけないので、その傍ら
損保代理店となった時の先輩で、
今尚お世話になっている
清水さんから戴いた物である。
ある日、そのことに改めて気付き、
身なりを確認してみたらば。
履いていたジーパンは、
制作で参加した芝居のNGモノ。
Tシャツは某劇団公演の物販を
スタッフは戴けて……ただ随分昔ゆえ
プリントが剥げ、臍の左側に辛うじて
デザインの痕跡が残る、白T。
セーターは父の形見。
長年おじさん臭いからと放っていたが
気付けば年相応になった厚手の深緑。
胸に大きな刺繍のあるスタジャンは、
衣裳さんが長年の仕事でたまった中から
在庫処分するにあたり
「高橋くん着られそうなサイズかも」と
戴いた物だ。
イカラシさん、改めて感謝
つまり靴下とポロシャツ、
あ、あとブリーフも……以外は
有り難くも戴いた物だった。
還暦を数年後に控えて情けないと
思わなくもないけれど
身に付ける物に限らず、
そもそも私自身まるまる全部が
多くの方々からの〈戴き物〉で
形作られているわけで。
更には今後もやはりそうやって、
生かされていくのだな~きっと!
と。
キュとグッとギュッなどナイマゼの
靴音を聞きながらしみじみ思ったのは
雪の降り始めた昨夕のことだ。
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