たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

「雪の降る町を」

2020年01月07日 19時08分55秒 | 懐かしいあの曲

今日から明日に掛けて 発達した低気圧が日本海海上を移動する影響で 全国各地広い範囲で大荒れになる恐れ有りとの天気予報が繰り返されている。関東西部山沿いの当地も 強風、雨または雪になる可能性も有り 朝一番 病院予約が有る妻は 気をもんでいる。
今年は 1月になっても 北海道、東北、北陸等で 例年になく積雪が少ないのだそうだ。
スキー場の営業が出来なかったり 深刻な事態になっている地方も有るようで やはり 降るべき季節に、降るべきエリアには 降ってもらいたいものだ。
昭和20年代から30年代前半、高校卒業まで 北陸の山村で暮らした人間には 冬中 根雪に覆われた風景が イメージとして思い浮かんでしまうのだが、急速な温暖化で 今は積雪量も少なくなり、降っても直ぐ解けてしまうことが多くなっているのかも知れない。

雪が降る季節になると 必ず 思い浮かんでくる曲がある。
「雪の降る町を」である。
子供の頃、電波が極めて届き難く、NHKラジオ第1放送 1局しか入らない土地だったが 「ラジオ歌謡」という番組が 夕方有り、ある時期、「雪の降る町を」も 繰り返し繰り返し、流れていたことが有った。
当然 大人向けの歌ではあったが 脳裏に焼き付いてしまったのである。

今更になってネットで調べてみると、
「雪の降る町を」は 作詞 内村直也、作曲 中田喜直。
元々は 1951年(昭和26年)に NHKラジオ第1放送で放送された連続ラジオ放送劇「えり子とともに」の挿入歌だったのだそうだ。メロディーは 作曲者 中田喜直が 山形県鶴岡市で見かけた雪風景から紡いだものだと言われている。

雪深い山村で 黒いマントで身をくるみ、音もなく降り続くボタン雪の中を 雪を踏む自分の長靴の音だけを聞きながら 白と黒の世界の田圃道を とぼとぼ歩いて通学していた自分の姿と 「雪の降る町を」の曲調、歌詞が ダブっていたのかも知れない。

立川澄人等 数多の歌手にカバーされ、ダーク・ダックス等 コーラスグループにも 歌われているが
「雪の降る町を」と言えば やはり 子供の頃に 脳裏に焼きついた 高英男に限ると思ってしまうのである。

高英男の「雪の降る町を」
(YouTubeから共有)
 

(ネットから拝借)


前日の夕食も 「何食べたんだっけ?・・・」
忘れてしまう老脳
断片的ではあるが 何十年も前のことが 
昨日のごとく 蘇ってくるから 不思議である。


諸田玲子著 王朝捕物控え 「髭麻呂」

2020年01月07日 09時37分41秒 | 読書記

正月も7日、何事にもきっちりされるお宅では 七草粥で 年末年始に食べ過ぎた、飲み過ぎた胃腸を労り 今年1年の安寧を願う日である。
当地 今日は、薄ら寒い曇天、「夕方以降、ところにより 雨または雪」の予報も出ている。
とりあえず 「キョウヨウ無し」、「キョウイク無し」、
昨年末に図書館から借り、読み掛けのままになっていた 諸田玲子著 王朝捕物控え「髭麻呂」 (集英社)を やっとその気になり、読み終えた。

諸田玲子著 王朝捕物控え 「髭麻呂」

(目次)「楓館の怪」、「女心の怪」、「月夜の政変」、「かけがえのないもの」、「烏丸小路の女人」、「笙と琴」、「香たがえ」、「鬼法師の正体」(解説)

主人公は 検非違使庁(けびいし)(現在で言えば 警察)の下級役人・看督長(かどのおさ)(現在で言えば 刑事)の藤原資麻呂(ふじわらのすけまろ)。髭を蓄えて、一見強面にみせて、通称「髭麻呂」と呼ばれているが 実は 血を見ただけで卒倒しかねない、気が小さく臆病者、軟弱な優男(24歳)。
髭麻呂は 都で野犬の餌食になりそうだったところを助け、養っている こまっしゃぐれた少年雀丸(すずめまる)を従者として連れ歩く、なんともユーモラスな捕物小説、
平安中期、藤原家を中心とした摂関政治と武士層の出現、平安貴族達の政権争い、貧富の拡大、飢餓、天変地異、群盗等、治安が混乱していた時代を背景にした物語である。

主人公髭麻呂には 梓女(あずさめ)という頭脳明晰な恋人がいる。当時は 通い婚で一夫多妻の社会で有ったが 髭麻呂の梓女に対する思いは一途だった。しかし 梓女の母親は 現在でいう一流のデザイナー、祖母は 一流の調香師、自立した婦人達で よたよたの髭麻呂は 毎度、圧倒され、翻弄され 婿入りを躊躇している。

物語は 髭麻呂が 上司 検非違使庁長官尾張義久の命令で 都を騒がせている謎の盗賊蹴速丸(けはやまる)を追いかける筋書きで展開するが そこには 当時の藤原兼家や藤原道長、源義仲等のどろどろした政権争い、失脚させられた源高明等の事件が絡み合い、その真相究明になっていく。
単なる「捕物帳」「ユーモア探偵小説」とは異なり しっかりした歴史考証のもとに描かれた作品だと思う。
時代小説でも 「平安時代物」となると やや怯んでしまうが 登場人物のキャラクターは 現代人と等身大に描かれており、
「解説」で 鈴木輝一郎氏も 記述しているが まるで アニメ「ルパン3世」の雰囲気、髭麻呂が 「銭形刑事?」、梓女が 「ふーじこちゃーん?」かな。
諸田玲子氏のストーリー構成、展開は見事で 最後まで飽きない。面白く読める作品だと思った。

髭麻呂は 雀丸を・・・・、
蹴速丸は 実は・・・、

本書 最後に文節
二人は 西空を見上げる。胸のなかに ほかほかとあたたかなものが満ちてゆくのを感じながら。紅い雲たなびく夕焼け空を 鳥の群れが黒い矢のように過って消えた。