図書館から借りていた、葉室麟著 「千鳥舞う」(徳間書店)を、読み終えた。
読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー「読書記」に、書き留め置くことにしている。
■目次
「比翼屏風(ひよくびょうぶ)」「濡衣夜雨(ぬれぎぬやう)」
「長橋春潮(ながはししゅんちょう)」「箱崎晴嵐(はこざきせいらん)」
「奈多落雁(なたらくがん)」「名島夕照(なじませきしょう)」
「香椎暮雪(かしいぼせつ)」「横岳晩鐘(よこたけばんしょう)」
「博多帰帆(はかたきはん)」「挙哀女図(こあいじょず)」
■主な登場人物
里緒(りお、春香(しゅんこう)、福岡藩作事方箭内重藏(やないじゅうぞう)の三女)
杉岡外記(すぎおかげき、狩野守英(かのうもりひで))
衣笠春崖(きぬがさしゅんがい)、春楼(しゅんろう)、千歳、
白水養左衛門(養禎(ようてい))、お葉、
亀屋藤兵衛、
お文、捨吉、おりう、弥永小四郎、
加瀬屋加瀬茂作
相模屋善右衛門、妙、
与三兵衛・とみ、
瀬川新九郎・お峰、清吉(瀬川清吉)、瀬川豊松、
七代目市川團十郎、中山七藏、藤川勝蔵、
湖白尼(お雪)、恵心尼(百合)、
仙崖和尚、智照、
福岡藩第11代藩主黒田長溥
■あらすじ等
三年前に、妻子ある狩野門の絵師・杉岡外記との不義密通が公になり、師の衣笠春崖から破門
されていた女絵師・春香(里緒)は、博多織を江戸ではやらせた豪商・亀屋藤兵衛から、
「博多八景」の屏風絵を描く依頼を受ける。三年後に迎えにくると約束して江戸に戻った外記を
待ち続ける春香の揺れ動く想いと、「博多八景」を描きながら出会った女性たちの人生が交錯、
涙と感動の長編時代小説である。
離れ離れになった人達の哀切に満ちた恋の行方は?、
里緒は、お葉の姿をしっかり見据えて、女の悲しみを伝える「挙哀女図」を描こうと
思い立った。
で、物語が終わっている。
著者の綿密な時代考証による、「博多(はかた)」「福岡(ふくおか)」の成り立ち等や、
「博多八景」に関わる旧地名が随所に登場、当時の風景描写がされており、
その都度、現代地図で、だいたいの位置や方向等、見当を付けながら読み進めたものだが、
一度も訪れたことの無い「博多」「福岡」が、かなり身近に感じられるようになった気がする。