たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

「どこかで春が」

2024年02月23日 18時50分47秒 | 懐かしいあの曲

今日は、全国的に、真冬並みの寒さの1日だったようだが、
当地も、霙混じりの冷たい雨が降り続いた。
先日は、初夏を思わせる異常な暑さで、今日は、真冬に逆戻り、
2月下旬、これから先もしばらくは、三寒四温が続くのかも知れない。
今冬は、おおむね、暖冬だったと言えるようで、
雪国でも、降雪量積雪量共、例年よりかなり少なかったようだが、
それが、良かったのかどうなのか、
異常気象が、次第に異常でなくなりつつある近年、
日本の四季の巡りも、かなり変化している気がする。
  異常気象出る時期迷うふきのとう
とは言っても、植物は健気に季節を知らせてくれる。
童謡、「どこかで春が」が、思い浮かんでくる季節である。

フキノトウ(蕗の薹)

今更になってネットで調べてみると
「どこかで春が」は、1923年(大正12年)に、作詞 百田宗治、作曲 草川信で、発表された日本の歌曲。
厳しい冬も峠を越えて、あちこちで春の息吹が感じられる今頃の歌でもある。

「どこかで春が」 (YouTubeから共有)


宮沢賢治著 「風の又三郎」(再)

2024年02月23日 17時27分14秒 | 読書記

2月23日、「今日は、何の日?」
未だに、瞬間的に出てこない類だが、
国民の祝日「天皇誕生日」である。
世の中は、三連休の初日。
当地、今日は、生憎の天候で、終日、霙(みぞれ)混じりの雨降りで、
真冬並みの寒さとなっている。
毎週金曜日は、定例の食料買い出しの運転手、
冬用ダウンを着込んで出掛けてきた。
午後は、もっぱらコタツムリ?、
「雨読」としたいところだったが、
図書館から借りていた本は、読み終わっており・・・。
通っている図書館は、毎年2月の中旬から下旬に掛けての2週間、蔵書の点検整理作業のため休館となるが、今年も今、その休館中で、次に借りられるのは、来週以降になるため、なんとなく手持ち無沙汰?、ふっと、書棚に並んでいる本の1冊、宮沢賢治著、「風の又三郎」(ポプラ社文庫)に目を止まった。
自分で買った記憶無く、息子達が置いていったものなのか、妻が実家から持ってきたものなのか、 定かではないが、かなり古くて、すでに、変色、腐食、綴じ部は崩れて、ページがバラバラになっている本だ。数年前に、大胆に本類を廃棄処分したことが有ったが、その際にも、子供の頃から愛着が有る、「宮沢賢治」、「風の又三郎」・・・、なんとなく残しておいたものだ。

宮沢賢治著 「風の又三郎」

本書には、表題作の「風の又三郎」の他、「雪渡り(ゆきわたり)」「とっこぺとら子」「ざしき童子(ぼっこ)のはなし」「よだかの星」「虔十公園林(けんじゅうこうえんりん)」「なめとこ山のくま」の6作品が収録されている。

◯雪渡り
 その1 子ぎつね紺三郎
  雪がすっかり凍って大理石よりかたくなり、空も冷たいなめらかな青い石の板でできている
  らしいのです。

  「かた雪かんこ、しみ雪しんこ」
  お日様がまっ白に燃えてゆりのにおいをまきちらし、また雪をぎらぎら照らしました。
  木なんかみんなザラメをかけたように霜でぴかぴかしています。
  「かた雪かんこ、しみ雪しんこ」
  四郎とかん子とは小さな雪ぐつをはいてキックキックキック、野原に出ました。
  (後略)

  ※「雪渡り」=昭和20年代、30年代、子供の頃、北陸の山村では、
   「凍み渡り(しみわたり)」と、言っていたような気がする。


 その2 きつね小学校の幻燈会
  おとらぎつねのはなしは、どなたもよくご存じでしょう。おとらぎつねにも、いろいろ
  あったのでしょうか、私の知っているのは、「とっこべ、とら子」というのです。

  (中略)
  さて、むかし、とっこべとら子は大きな川の岸に住んでいて、夜、網打ち行った人から
  魚を盗ったり・・・。

  (後略

  ※岩手の伝承民話お書き改めた作品。

◯ざしき童子のはなし
  ぼくらの方のざしき童子のはなしです。
  (中略)
  どこかで ざわっさわっと ほうきの音が聞えます。
  (後略)

  ※岩手の伝承民話お書き改めた作品。

◯よだかの星
  よだかは 実にみにくい鳥です。顔は、ところどころ、みそをつけたようにまだらで。
  くちばしは、ひらたくて、耳までさけています。

  (中略)
  そしてよだかの星は燃えつづけました。いつまでもいつまでも燃えつづけました。
  今でもまだ燃えています。


◯虔十公園林
  敬虔十はいつもなわのおびをしめて、わらって森の中の畑の間をゆっくりあるいているの
  です。

  (中略)
  そして林は、虔十のいた時のとおり雨が降っては、すきとおる冷たいしずくをみじかい草に
  ポタリポタリと落とし、お日さまが輝いては、新しいきれいな空気をさわやかに
  はきだすのでした。


  ※みんなにバカにされていた虔十、
   賢治は、この作品の最後で、「まったく誰が賢くて誰が賢くないかは分らない」と、
   博士に言わせている。


◯なめとこ山のくま
  なめとこ山のくまのことならおもしろい。なめとこ山は大きな山だ。
  (中略)
  「おお小十郎、おまえを殺すつもりはなかった」。もうおれは死んだ、と小十郎は思った。
  ほんとうにそれらの大きな黒いものは、参(からすき)の星が天のまん中にきても、
  もっと西に傾いても、じっと化石したようにうごかなかった。


  ※くまとりの名人、淵沢小十郎は、熊をうたなくては暮していけない。
   熊と対峙する小十郎、悲しい物語だ。

◯風の又三郎
  どっどど どどうど どどうど どどう
  青いくるみも吹きとばせ
  すっぱいくゎりんも吹きとばせ
  どっどど どどうど どどうど どどう
  谷川の岸に小さな学校がありました。教室はたった一つでしたが、生徒は一年から六年まで
  みんなありました。

  (中略)
  「そうだなぃな。やっぱりあいづは風の又三郎だったな」
  嘉助が高く叫びました。
  (中略)
  風はまだやまず、窓ガラスは雨つぶのために曇りながら、まだがたがた鳴りました。

  ※教室がたった一つの小さな小学校に、一人の転校生、高田三郎がやってきた。
   村の子供達が、三郎を、伝説の風の子「又三郎」だと信じていく心の揺れ動きを、
   親しみ深く描いている作品。


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