昨年秋、書棚整理中に さほど分厚く無い「小倉百人一首」の解説本(文英堂)が ふっと目に止まった。なんとも懐かしくなってしまい、ページを捲ってみると、これが、なかなか詳しく、分かりやすい解説本であり、不勉強で無学、知らないこと、忘れてしまったこと多過ぎる爺さん、今更ながら目から鱗になったものだった。結局、廃棄処分するどころか 以後、座右の書になってしまっている感有りだ。多分 長男か次男かが 学生時代に参考書として使っていたものに違いなく、至るところ ピンク、青色、黄色等のマーカーだらけだが、十分に役に立つ。
「小倉百人一首」に収められている歌には、「秋」を詠んだ歌が最も多いことを知って、昨年秋に、抜粋してブログに書き込んだものだが、今年の春には 「春」を詠んだ歌も抽出して ブログに書き込んでいる。
今回 「夏」を詠んだ歌を 書き込んで見ようと思ってみたが、「夏」は 抒情的になりにくい季節のためか、「小倉百人一首」に収められている「夏」を詠んだ歌は わずか4首しかないという。
小倉百人一首で「夏」を詠んだ歌 その1
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の
衣干すてふ 天の香久山
出典 新古今和歌集(巻三)
歌番号
2
作者
持統天皇(じとうてんのう)
第41代、女性天皇、
天智天皇(中大兄皇子)の第2皇女、
天武天皇(第40代天皇・大海人皇子)に 嫁ぎ、
天武天皇没後、即位
都を 藤原京に移した。
歌意
いつのまにか春が過ぎて夏がやって来たらしい。
夏になると白い衣を干すと言われている天の香久山、
その山裾には真っ白い衣が干してあるのが見えることよ
白妙・・・楮(こうぞ)の皮の繊維をさらして織った白い布のこと。
天の香久山・・奈良県に有る大和三山(香久山、畝傍山、耳成山)
のひとつ。標高 152m。
天の・・・敬称、
(つづく)
今年は本当にいつの間にか夏になりますね。