古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

異邦人     辻亮一

2016-10-18 16:39:19 | 小説の紹介
№178


第二十三回昭和25年上半期。



日本人として、木枯国人となり、共産主義の


国で労働者として働く姿を描く。それにして


も、思想とはここで描かれている便所掃除の


如くバッチイものか、と思ってしまう。その


バッチサは糞尿譚の比ではない。働くという



こと、そして、どんなところでも懸命にやっ



ていれば、道は拓けてくる、というメッセ



ージは確かに受け取った。


この作品ともういっさくしか人生で書かれな



かったらしい。実に二作のみとは、それはそ



れで深い苦悩もあったでしょうが、おもしろ



い気がする。貴重な一文一文だった。
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わたしのグランパ   筒井康隆 

2016-10-18 16:37:59 | 小説の紹介
№179


文春文庫。



ムショに入っていたおじいちゃんが十五年ぶりに


娑婆に出てきて、孫娘との思い出深い日々を過ご


すという話しである。やたらとヤクザが出てくる


が。設定の頃は88年か、バブル期で、地上げ屋な



どがモチーフとして出てくる。グランパは狡猾に



立ち回り、いろいろやらかす。そこらへんも読み



どころなのだが。その背景に校内暴力やいじめな



どの時事問題も的確に挟み込んでくる。2h20



mくらいで読み終わってしまったが……充実した内



容だった。いつも筒井作品には驚かされる。
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