古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

あの頃の事    宇野浩二

2016-10-27 10:18:44 | 小説の紹介
(子を貸し屋、所収)新潮文庫。


必至に文学修業のつもりでもって書いた原稿を


買い取ってもらえず、憤懣やるかたなく、指を


1,2,3、と折って数えて怒りを抑える。何


て人間臭いんだろう。所謂貧乏小説の王道であ


るが、そこには確かに生活がある。どんな哲学


より、経済学より生活が大事である。生活あっ


ての芸術であるが、生活が文藝として高められ


ている限り、そこには生活以上のなにかがある


はずだと思えるだろう。貧乏小説ファンはとし


ては近頃、文藝にまで高められた貧乏小説がな


かなか出にくくなっているのかな、という気が


します。僕はいつか貧乏小説をものにしてみた


いですな(-_-;)



コメント
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