「虫喰い仙次」所収。 1986年
不思議な味わいの短編だった。昔の子供は運転手に
なりたがったらしいが、それは子供なりのポーズだ
ったと告白する。
電車に関して独自の想いがあり、畳のへりを線路に見
立てて走らせたり、けど、それは、男の子ならだれでもやる
と思う。
弟はなんでも電車に関することをメモしていたが、嫁には
見せず、ほかの人には見せたりしていたらしい。
この短編のラストの会話も奇妙だ。
父親は伊勢の方にいて雀の戸籍を作っている。俺たちの後生
よりいくらかよさそうだな、「ああ、いくらかな」と私はいった。
で、結ばれている。
ちょっと怖くもあり、ホラーめいていて、実に妙なおかしみ
もある、そんな短編だった。
(読了日 2024年12・29(日)2:45)
(鶴岡 卓哉)
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