角川文庫。
「失踪者たちの王国」では身の回りで疾走してゆく
、失われてゆく人たちを描く。「盗作」では、弟に
ついて描かれ、「エーデルワイス」でも主題は弟で
ある。「キリコさんの失敗」はお手伝いさんのキリ
コさんがツボを手違いで違うひとに渡してしまう話
しだ。川上弘美さんはこの話しが好きだという。
「蘇生」ではアナスタシアと名乗る老女が絡んでくる。
袋にたまる水によって、声を失う女性を描く、「涙腺
水晶結石症」。おれっちはこの雨に日に病気の犬と数カ月に
なる息子ととぼとぼと歩き、犬が動かなくなったところ
に颯爽と現れる獣医、というのがスゴクカッコよく思えた。
なんか感動的な趣さえある。サッと犬の病気を治してしま
うのが実にスマートに描かれているのだ。
「失踪者たちの王国」では身の回りで疾走してゆく
、失われてゆく人たちを描く。「盗作」では、弟に
ついて描かれ、「エーデルワイス」でも主題は弟で
ある。「キリコさんの失敗」はお手伝いさんのキリ
コさんがツボを手違いで違うひとに渡してしまう話
しだ。川上弘美さんはこの話しが好きだという。
「蘇生」ではアナスタシアと名乗る老女が絡んでくる。
袋にたまる水によって、声を失う女性を描く、「涙腺
水晶結石症」。おれっちはこの雨に日に病気の犬と数カ月に
なる息子ととぼとぼと歩き、犬が動かなくなったところ
に颯爽と現れる獣医、というのがスゴクカッコよく思えた。
なんか感動的な趣さえある。サッと犬の病気を治してしま
うのが実にスマートに描かれているのだ。