古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

人間腸詰     夢野久作

2019-03-23 10:54:51 | 小説の紹介
角川ホラー文庫


人間腸詰(そうせえじ)、焦点を合わせる、一足お先に、


キチガイ地獄他全10編所収。


一人称の滑らかな語り口につい引き込まれる。まったくこ


んなスゴい才能がいたなんて、時代を超越している。


江戸川乱歩さんも激賞したという押絵の奇蹟、丹念に手紙を


書き込んでいて、女性目線で描かれている。


おれっちが一番好きだったのは、切った足の夢をみて、殺人


の濡れ衣を着せられそうになる「一足お先に」だ。


幻想とリアリティがうまく融合した、危うい作品だ。まったく


こんな作品を昭和6年に書くなんて、かなりいかれている。


もちろん、良い意味でだけど。

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