古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

最後の晩餐    開高健

2018-01-28 11:50:40 | 開高健
文春文庫  1979年。


開高氏は外見からしてうまそうなものを食って


いそうであった。あるいは、食欲というものを


コントロールできていなかったかにも見受けら


れる。



この書では文豪は味について、言葉の妙技を尽く


している。一読しても、それは果たして、どうい



うことであるのか、と一考せずにはおかない深い



表現である。味というのは、とにかく深淵である


らしいのである。


冒頭から、喫人で終わると宣言しておられる通り、


喫人(ハンニバル)でこの書は終わる。


行きつくところはそこか、と思うが、なんとなく



読んでいて、涙がにじんできてしまった。


究極において、人間を食わなくちゃならなくなっ


たとしても、僕はムリだと思う。死を選ぶだろう。


そこで生きても、あとの生を全うできないとしたら


死んだほうがましであるからだ。


開高氏は人肉を食べたかったのだろうか、と考えると


、どこかで食べてみたかったんだろうな、と思う 。



人が人を食う、共食いは、中国では当たり前だった


らしいけどねえ。



人の食欲についてありとあらゆる方面から考察を行い、



美味しい話しを読むのが好きなんだったら、よんだ


ほうがいいかもね、とだけ書いておく。

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