新潮文庫 平成8年
広島の横川の楢さんでこの古本を贖って、三週間
かけて、じっくりと読んだ。
始め、荷風散策との題から、荷風散人の好きだった
散歩の道行きを書いたものかと思い込んでいたの
だが、荷風散人の文章をそのまま載せている部分が
半分は占めると云う評論であった。
ぼくは、想うのだが、荷風散人はまるで、舞台のレビ
ューを視るような格好で股を開いて坐っている女を
批判的に描いているが、散人のような好色で、漁色し
ているような色ボケ男が、そんな現代風な女を作った、
張本人ではないか、と云うことだ。
好色男だったが、偏奇館が戦火で焼けてしまってからは、
食ボケになられたようで、その様子もヘンだったと云う。
江藤氏は本書を書いた三年後、平成11年に亡くなられた。
RIP。
(読了日 2024年12・11(水)7:03)
(鶴岡 卓哉)
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