今日は、気が向いたので、レビューの
ほうをやっていきましょうかね。
新潮文庫 昭和28年
最近のぼくはすぐにわかるものはなんか
インチキ臭いと思い始めていて、分かり
にくいものほど真実を訴えているのだ、とい
う考えになってきている。そういう点で泰淳
さんの文章はリアルだ。
現実というものを捕まえていて、ものの本質を
捉えていると言える。
名前は明かにされていない流人島において、
殺されたものの、殺され切れなかった男が、親指を
よこせ、という。つめるわけだが、本懐を無事達し
島を離れてゆくと、東京湾に入り、花火が打ち上げ
られる風景。なんかすごく絵になって、かっこよか
ったなあ。
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