古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

流人島にて 武田泰淳

2024-03-02 06:39:43 | 小説の紹介
今日は、気が向いたので、レビューの

ほうをやっていきましょうかね。

新潮文庫 昭和28年

最近のぼくはすぐにわかるものはなんか

インチキ臭いと思い始めていて、分かり

にくいものほど真実を訴えているのだ、とい

う考えになってきている。そういう点で泰淳

さんの文章はリアルだ。

現実というものを捕まえていて、ものの本質を

捉えていると言える。

名前は明かにされていない流人島において、

殺されたものの、殺され切れなかった男が、親指を

よこせ、という。つめるわけだが、本懐を無事達し

島を離れてゆくと、東京湾に入り、花火が打ち上げ

られる風景。なんかすごく絵になって、かっこよか

ったなあ。












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