旺文社文庫
こういうのを読書感想文というのだろうか。
少し照れる。小学生みたいだ。
いちばんえらいのは大きいのだ、とか、背が
高いのがいちばん、とか、いやいや、頭のとが
っているのがいちばんえらいんです、と誰がい
ちばんえらいのかの裁判に刈りだされた一郎。
そうだな、いちばん大きのがえらいことにしよう、
とぼくなどはつい口走ってしまいそうだが、この
一郎さんはちがう。この中で、いちばんえらくな
くて、ばかで、めちゃくちゃで、てんでなってな
くて、あたまのつぶれたようなやつがいちばん
えらいのだ、と判決します。
どんぐりたちは、皆、黙ってしまい、一郎くんの
報酬になり、家の前では光を失い、ただのどんぐ
りとなってしまいます。結局は、言うに及ばない
ことなのです。だれもいちばんえらいなんてこと
はないんです。みんないちばんえらくて、いちばん
だめで、めちゃくちゃなのれす。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます