映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

日々の考え

2009年10月05日 | 本(エッセイ)
日々の考え (幻冬舎文庫)
よしもと ばなな
幻冬舎

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よしもとばななさんのエッセイです。
日常を飾りない言葉で描く本音と本気のエッセイ・・・。
飾りない? 
あ、表現がつつましすぎでした。
これでいいんですか?といいたくなるような、シモネタも入っちゃっています。
実にきどらないエッセイです。
特に彼女のお姉様のエピソードは壮絶。


この本が出たのが2003年。
「リトルモア」という冊子に連載されていた
それまでのエッセイをまとめたものなので、
一番初めの文章はそれからさらに前のものですね。
微妙にその頃の世間を感じる部分があって、面白い。


彼女は時に、妙な気配を感じることがあるようなのです。
例えば、ある空き地の横を通ると、妙に沈んだ気持ちになってしまう。
その後、その場所が殺人現場となった・・・。

友人と時折通じるテレパシーのようなもの・・・。

しかし彼女は、声高にスピリチュアルを解く人を、
胡散臭く危険と感じてもいるのです。
この辺の境界は何処?・・・と思いながら、
でも、私自身も、似たような判断基準を持って暮らしていることに気づきます。
身の回りのちょっとした、不思議なこと。
霊的なこと。
うん、そういうことってあると思う。
あるかも・・・。
だけど、それをウリにして、
テレビに出たり商売にしている人を私は信じられないんですよね。
こういう感覚は大事なんじゃないかと思います。


彼女の飼っていたカメさんのエピソードも楽しいし、
ボーイフレンドがいつの間にか旦那さんになっていて
(これ、別人だそうです!)、
妊娠までするという変遷も楽しい。

時には、こういう気の張らない本もいいですね。

満足度★★★☆☆