原作を超えた恐怖・・・でもホラーじゃありません!!
* * * * * * * *
さて、原作本を読んだ次の日、映画を見に行きました。
そもそもこのストーリーは、ラストの驚きに意義があるのであって、
それを知っていて見る映画なんて興味半減かそれ以下・・・と、思ったんですよね。
でも、つい引き込まれて見てしまった。
これはキャスティングの良さのためかもしれません。
それぞれ、なかなかの味が出ています。
スポーツヒーロー役の多い林遣都くんは、見事な転身ぶりでサトルを演じきっています。
金髪の少年。
誰に対しても調子よく話を合わせ、その実、誰もが話の合わないタイプとうそぶいたりする。
ここの部屋には最も似つかわしい人物なのかもしれません。
他人の部屋に忍び込んで怪しげな行為にふけったりする。
よくもまあ、彼にこんな役を振りましたよねえ。
その英断に拍手。
琴ちゃんのどこか茫洋とした感じ、
未来さんの退廃ぶり
・・・それぞれにいい味が出ていました。
藤原竜也・・・?
彼はどうも地の個性が強すぎて、なんか違う気も・・・。
そして「ふぬけの大学生」の良介役は小出恵介くんなんですが、
「風が強く吹いている」では、面倒見のいい頼りになる先輩で、
そのイメージが残っているせいか、やや違和感がありました。
まあ、そんなことを思うのは私だけでしょうけれど。
などといろいろ楽しめるのも、先に本を読んでいたおかげなんですが。
そして、問題のラストです。
もちろん基本は同じ。
でも、映画のラストは本よりも一段と怖いです!!
原作を踏まえてさらにひねりがある。
思わず、ぞっとしてトリハダがたってしまいました。
まさに現代の、空虚な心を抱えた人と人のつながりの問題点をえぐる衝撃作。
ここには甘さはありません。
孤独に世界と戦う心の闇があるだけ。
ちょっと考えすぎかもしれませんが、
結局この部屋は
「彼」が頭の中で作り出した幻想だったのかも・・・
というような気さえしてくるのです。
本当の自分と向き合うことを避けてきた「彼」。
闇には目をつぶり
表面的なこと、軽いことだけを見るようにしている。
元々そこは彼の部屋なのですし・・・。
サトルが未来さんの大事にしているビデオの上に
別なものを録画してしまう、というエピソードがあります。
私は始めこの話は、
サトルがこんなモノを見て暗く沈む未来さんを救おうとしたのかと思いました。
でも、この映画を見た後ではちょっと考えが変わりました。
この家では、そうして暗く思い沈んでいてはいけない。
深刻さはタブー。
だから、あえて上からつまらないドラマを録画してしまったのですね。
実は原作では、ここはピンクパンサーのアニメでつぶすのです。
そのコミカルさが、先の私の思いの原因のようです。
この作品の毒にも薬にもならない「ドラマ」
というところに、また何か冷ややかさを感じるわけです。
と、いうようなことを考えると、
このストーリーについては、本を先に読んだのが正解だったように思います。
順番から考えても原作があって映画があって・・・
だから本を先に読むのが自然なのか・・・???
結局よくわからなくなってしまいました。
成り行きに任せるしかありませんね。
将来の映画化を予期せずに本を読むことだってありますしね。
お騒がせ・・・というか勝手に話題を振って勝手に訳がわからなくなっている私。
お許しを・・・。
2010年/日本
監督・脚本:行定勲
出演:藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、林遣都、小出恵介
2010年2月公開『パレード』予告編
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さて、原作本を読んだ次の日、映画を見に行きました。
そもそもこのストーリーは、ラストの驚きに意義があるのであって、
それを知っていて見る映画なんて興味半減かそれ以下・・・と、思ったんですよね。
でも、つい引き込まれて見てしまった。
これはキャスティングの良さのためかもしれません。
それぞれ、なかなかの味が出ています。
スポーツヒーロー役の多い林遣都くんは、見事な転身ぶりでサトルを演じきっています。
金髪の少年。
誰に対しても調子よく話を合わせ、その実、誰もが話の合わないタイプとうそぶいたりする。
ここの部屋には最も似つかわしい人物なのかもしれません。
他人の部屋に忍び込んで怪しげな行為にふけったりする。
よくもまあ、彼にこんな役を振りましたよねえ。
その英断に拍手。
琴ちゃんのどこか茫洋とした感じ、
未来さんの退廃ぶり
・・・それぞれにいい味が出ていました。
藤原竜也・・・?
彼はどうも地の個性が強すぎて、なんか違う気も・・・。
そして「ふぬけの大学生」の良介役は小出恵介くんなんですが、
「風が強く吹いている」では、面倒見のいい頼りになる先輩で、
そのイメージが残っているせいか、やや違和感がありました。
まあ、そんなことを思うのは私だけでしょうけれど。
などといろいろ楽しめるのも、先に本を読んでいたおかげなんですが。
そして、問題のラストです。
もちろん基本は同じ。
でも、映画のラストは本よりも一段と怖いです!!
原作を踏まえてさらにひねりがある。
思わず、ぞっとしてトリハダがたってしまいました。
まさに現代の、空虚な心を抱えた人と人のつながりの問題点をえぐる衝撃作。
ここには甘さはありません。
孤独に世界と戦う心の闇があるだけ。
ちょっと考えすぎかもしれませんが、
結局この部屋は
「彼」が頭の中で作り出した幻想だったのかも・・・
というような気さえしてくるのです。
本当の自分と向き合うことを避けてきた「彼」。
闇には目をつぶり
表面的なこと、軽いことだけを見るようにしている。
元々そこは彼の部屋なのですし・・・。
サトルが未来さんの大事にしているビデオの上に
別なものを録画してしまう、というエピソードがあります。
私は始めこの話は、
サトルがこんなモノを見て暗く沈む未来さんを救おうとしたのかと思いました。
でも、この映画を見た後ではちょっと考えが変わりました。
この家では、そうして暗く思い沈んでいてはいけない。
深刻さはタブー。
だから、あえて上からつまらないドラマを録画してしまったのですね。
実は原作では、ここはピンクパンサーのアニメでつぶすのです。
そのコミカルさが、先の私の思いの原因のようです。
この作品の毒にも薬にもならない「ドラマ」
というところに、また何か冷ややかさを感じるわけです。
と、いうようなことを考えると、
このストーリーについては、本を先に読んだのが正解だったように思います。
順番から考えても原作があって映画があって・・・
だから本を先に読むのが自然なのか・・・???
結局よくわからなくなってしまいました。
成り行きに任せるしかありませんね。
将来の映画化を予期せずに本を読むことだってありますしね。
お騒がせ・・・というか勝手に話題を振って勝手に訳がわからなくなっている私。
お許しを・・・。
2010年/日本
監督・脚本:行定勲
出演:藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、林遣都、小出恵介
2010年2月公開『パレード』予告編