リアルとデジタルの狭間で・・・
* * * * * * * *
全世界のユーザー5億人という巨大ソーシャルネットワークサービス
Facebook創設者のストーリーです。
2003年ハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグ。
彼の話す言葉は機関銃のように止めどなく流れ、
その思考も彼独特のものだから、彼女も会話について行けない。
また、彼がプログラムするためのキーボードさばきもまた機関銃のよう・・・。
常人とは頭の回転が違うという感じですね。
その彼が、親友エドゥワルドと共に、
学内の友人を増やすためのネットワーキングサービスを打ち立てる。
それがフェイスブックということなのですが・・・。
この映画は、始めから、このフェイスブック創設に関係する
三者の訴訟の調停の場を描写します。
マークとエドゥワルド、そしてウィンクルボス兄弟。
彼らの話から、私たちはこのフェイスブック創設のいきさつや
その後の顛末を知ることになります。
そもそも驚くのはもともとこのネットワークのアイデアが
このハーバード大学のエリート学生であるウィンクルボス兄弟のものだったらしい、
ということ。
マークには悪意はないんですよ。
お金を儲けたいわけでもない。
とにかく思いついたらやってみたい。広めたい。
それだけなんだろうなあ・・・というのは解ります。
でも、いかにもルール無視、関係者とのコミュニケーション不足。
自分のやり方だけがすべて。
それも一つの学校内だけのものなら、まだよかったのでしょう。
ところが、フェイスブックはあっという間に広まり、激流となり、
彼ら自身をも押し流す。
結局、人と人とのコミュニケーションを繋ぐネットワークの創始者が、
最も孤立した存在になっていくという皮肉。
苦いです。
苦いのですが、この作品、暗くはない。
全体を通してスピーディーな現代を映し、展開も怒濤のように早くエネルギッシュ。
5億人を動かした熱気がここにはある。
そんな中で、孤独で欠点ばかりのリアルな人間像が浮かび上がってきます。
本当は誰よりも人とつながり会いたいのは、この当人なのではないか。
優れた肉体とステータスを持っていたウィンクルボス兄弟と組んでいたら、
やはり大学内のネットワークに終わっていたのかも知れません。
この作品、本なら、圧倒されるような「筆力」というべきところなのですが
映画だとなんというべきなのでしょう。
やはり「映画力」でしょうか。
監督の底力を見る思いです。
それにしても、ICTの世界、
まだまだアイデア次第でこんなふうに
世界を巻き込むものすごいビジネスチャンスが生まれるということなのですね・・・。
これって、まともな人でも、人間関係がうまくいかなくなるのは当たり前なのかも、
と思えてきました。
生身の人間同士の直接的なコミュニティと、デジタルを介したコミュニティ。
私たちは今後否応なくその狭間で生きていくことになるのでしょう。
人と人との距離はどうなっていくのか。
私たちの新しい「ぐるり」の世界は混沌としているなあ・・・
「ソーシャル・ネットワーク」
2010年/アメリカ/120分
監督:デビッド・フィンチャー
原作:ベン・メズリック
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク、ジョセフ・マッゼロ、ルーニー・マーラ
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全世界のユーザー5億人という巨大ソーシャルネットワークサービス
Facebook創設者のストーリーです。
2003年ハーバード大学の学生マーク・ザッカーバーグ。
彼の話す言葉は機関銃のように止めどなく流れ、
その思考も彼独特のものだから、彼女も会話について行けない。
また、彼がプログラムするためのキーボードさばきもまた機関銃のよう・・・。
常人とは頭の回転が違うという感じですね。
その彼が、親友エドゥワルドと共に、
学内の友人を増やすためのネットワーキングサービスを打ち立てる。
それがフェイスブックということなのですが・・・。
この映画は、始めから、このフェイスブック創設に関係する
三者の訴訟の調停の場を描写します。
マークとエドゥワルド、そしてウィンクルボス兄弟。
彼らの話から、私たちはこのフェイスブック創設のいきさつや
その後の顛末を知ることになります。
そもそも驚くのはもともとこのネットワークのアイデアが
このハーバード大学のエリート学生であるウィンクルボス兄弟のものだったらしい、
ということ。
マークには悪意はないんですよ。
お金を儲けたいわけでもない。
とにかく思いついたらやってみたい。広めたい。
それだけなんだろうなあ・・・というのは解ります。
でも、いかにもルール無視、関係者とのコミュニケーション不足。
自分のやり方だけがすべて。
それも一つの学校内だけのものなら、まだよかったのでしょう。
ところが、フェイスブックはあっという間に広まり、激流となり、
彼ら自身をも押し流す。
結局、人と人とのコミュニケーションを繋ぐネットワークの創始者が、
最も孤立した存在になっていくという皮肉。
苦いです。
苦いのですが、この作品、暗くはない。
全体を通してスピーディーな現代を映し、展開も怒濤のように早くエネルギッシュ。
5億人を動かした熱気がここにはある。
そんな中で、孤独で欠点ばかりのリアルな人間像が浮かび上がってきます。
本当は誰よりも人とつながり会いたいのは、この当人なのではないか。
優れた肉体とステータスを持っていたウィンクルボス兄弟と組んでいたら、
やはり大学内のネットワークに終わっていたのかも知れません。
この作品、本なら、圧倒されるような「筆力」というべきところなのですが
映画だとなんというべきなのでしょう。
やはり「映画力」でしょうか。
監督の底力を見る思いです。
それにしても、ICTの世界、
まだまだアイデア次第でこんなふうに
世界を巻き込むものすごいビジネスチャンスが生まれるということなのですね・・・。
これって、まともな人でも、人間関係がうまくいかなくなるのは当たり前なのかも、
と思えてきました。
生身の人間同士の直接的なコミュニティと、デジタルを介したコミュニティ。
私たちは今後否応なくその狭間で生きていくことになるのでしょう。
人と人との距離はどうなっていくのか。
私たちの新しい「ぐるり」の世界は混沌としているなあ・・・
「ソーシャル・ネットワーク」
2010年/アメリカ/120分
監督:デビッド・フィンチャー
原作:ベン・メズリック
出演:ジェシー・アイゼンバーグ、アンドリュー・ガーフィールド、ジャスティン・ティンバーレイク、ジョセフ・マッゼロ、ルーニー・マーラ