映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

武士道シックスティーン

2011年01月20日 | 映画(は行)
嫌なら、やめろ。好きなら、あきらめるな!



               * * * * * * * *

誉田哲也原作です。
剣道をする二人の少女が登場します。
香織は幼い頃から剣道家の父に鍛えられ、修行に励んできた。
これまでの生活がすべて剣道漬け。
ただ勝つことだけがすべて。
そう教わってきたのですね。
ところが中学のときに全く無名の選手、早苗にあっさり負けてしまった。
それが悔しくてならない香織は、早苗のいる高校に進学します。
一方、早苗はただ楽しくて剣道をしているという。
勝ち負けは二の次。
剣道部の中でもぜんぜん目立たない。
あのときはたまたまマグレで勝った、と思っている。



二人は全く両極端ではありますが、
スポーツをする上ではたぶん誰もが突き当たる壁なのかも知れません。
何のために剣道をするのか。
ただ勝つため?
楽しむため?
二人とも答えを見失い、それぞれに悩み、もうやめようかと思うのですが・・・。
お互いがいい刺激になるようですね。



そもそも、この早苗さん、性格がよいのです。
天然にお人好し?とでも言いましょうか。
香織はいつもむっつり怖い顔で一人でいます。
こんな人には、あまり近寄りたくないですよね。
でも早苗は、「宮本武蔵だ!」といって積極的に近寄って来ます。
うん。この子はいい。
これだけでもすごい才能だと思う。
香織を連れ出して、ケーキの食べ放題をしたり、ゲームやプリクラを楽しむ。
こういう子がいたらいじめも起きないかも・・・と、
まあ、テーマとは関係ない想像をしてしまいます。

早苗のお父さんが言いました。
「嫌なら、やめろ。好きなら、あきらめるな!」
そうなんですよね。好きと思えるかどうか。それが一番大事です。
さわやかな青春ドラマでした。

武士道シックスティーン [DVD]
成海璃子,北乃きい,石黒英雄,荒井萌,山下リオ
ポニーキャニオン


2009年/日本/109分
監督:古厩智之
原作:誉田哲也
出演:成海璃子、北乃きい、石黒英雄、荒井萌、山下リオ