宇江佐真理さんを偲んで
* * * * * * * * * *
この記事は、本当ならもう2・3日後にアップする予定だったのですが、
その矢先、宇江佐真理さんの訃報が飛び込んできました。
この本を読んで、著者の病のことを初めて知ったのですが
ほとんど、その直後にこんなことになるとは・・・
66歳だったそうです。
残念です。
謹んでご冥福を祈ります。
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髪結い伊三次捕物余話シリーズなどで人気の時代小説作家によるエッセイ集第二弾。
函館在住の主婦でもある筆者の日々のあれこれ。
* * * * * * * * * *
「笑顔千両」に続く宇江佐真理さんのエッセイ集。
函館在住で小説を書き続けている著者に、いつも勝手ながら親しみを感じさせていただいています。
本作で興味深かったのは、
「国語に100点はない」
著者の文章が高校入試の問題に使われたそうです。
試みに著者自身が問題を解いてみれば、
「明確な答えが出せなかった。」というのです。
「作者本人にもわからないものがどうして生徒たちに分かるだろうか。」
・・・というわけで、以来問題集への掲載依頼は断り続けているとのこと。
そうですよねー。
本は大好きでも国語の時間が好きにはなれなかった私。
言いたいことはよくわかります!!
「ぶつかることもまた、良し」
著者は結婚前の10年ほど会社勤めをされていたそうなのですが、
その時のこと。
「人間的に優れた上司は半分ほどで、
他の半分はなんでこんな者が会社の役付になっているのかと
首を傾げたくなるものばかりだった。
―――ここは利口に立ち回り、自分の周りに波風を建てずに過ごすのが
得策だったかもしれないが、私はそうできない人間だった。
意固地になって反発することが多く、
ずい分、上司にも周りにも迷惑をかけたと思う」
などとあります。
なんでしょうねえ、きっぷの良い江戸の女将さんって言う感じ。
この歯切れの良さが魅力です。
さてさて、ところが本巻の巻末にショッキングなことが!!
「私の乳癌リポート」ということで、
著者の闘病記が描かれています。
乳癌は早期発見できれば割と寛解率が高いのですが、
著者の場合、真の病巣が見つかる前に骨とリンパ節に移転していたということで、
寛解は無理のようなのです。
気丈にもこれらのことを淡々と記述してあります。
けれど幸い抗癌剤が効き、一時は股関節の不調で歩くのも困難だったのが、
一応普通の生活を送れるようになっているとのこと。
けれど、副作用のひどい抗癌剤は使用しないこととし、
病とともに生きる決意をされているようです。
どうかお体を大切に。
私ももっとずっと宇江佐さんの本を読み続けたいです。
そうそう、今度函館へ行ったら、
宇江佐さんおススメ「ラッキーピエロ」のハンバーガー、
「ハセガワストア」のやきとり弁当をぜひ食べますね。
「見上げた空の色 ウエザ・リポート」宇江佐真理 文春文庫
満足度★★★★☆
・・・ということで、なんともショックでした。
![]() | ウエザ・リポート 見上げた空の色 (文春文庫 う 11-20) |
宇江佐 真理 | |
文藝春秋 |
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この記事は、本当ならもう2・3日後にアップする予定だったのですが、
その矢先、宇江佐真理さんの訃報が飛び込んできました。
この本を読んで、著者の病のことを初めて知ったのですが
ほとんど、その直後にこんなことになるとは・・・
66歳だったそうです。
残念です。
謹んでご冥福を祈ります。
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髪結い伊三次捕物余話シリーズなどで人気の時代小説作家によるエッセイ集第二弾。
函館在住の主婦でもある筆者の日々のあれこれ。
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「笑顔千両」に続く宇江佐真理さんのエッセイ集。
函館在住で小説を書き続けている著者に、いつも勝手ながら親しみを感じさせていただいています。
本作で興味深かったのは、
「国語に100点はない」
著者の文章が高校入試の問題に使われたそうです。
試みに著者自身が問題を解いてみれば、
「明確な答えが出せなかった。」というのです。
「作者本人にもわからないものがどうして生徒たちに分かるだろうか。」
・・・というわけで、以来問題集への掲載依頼は断り続けているとのこと。
そうですよねー。
本は大好きでも国語の時間が好きにはなれなかった私。
言いたいことはよくわかります!!
「ぶつかることもまた、良し」
著者は結婚前の10年ほど会社勤めをされていたそうなのですが、
その時のこと。
「人間的に優れた上司は半分ほどで、
他の半分はなんでこんな者が会社の役付になっているのかと
首を傾げたくなるものばかりだった。
―――ここは利口に立ち回り、自分の周りに波風を建てずに過ごすのが
得策だったかもしれないが、私はそうできない人間だった。
意固地になって反発することが多く、
ずい分、上司にも周りにも迷惑をかけたと思う」
などとあります。
なんでしょうねえ、きっぷの良い江戸の女将さんって言う感じ。
この歯切れの良さが魅力です。
さてさて、ところが本巻の巻末にショッキングなことが!!
「私の乳癌リポート」ということで、
著者の闘病記が描かれています。
乳癌は早期発見できれば割と寛解率が高いのですが、
著者の場合、真の病巣が見つかる前に骨とリンパ節に移転していたということで、
寛解は無理のようなのです。
気丈にもこれらのことを淡々と記述してあります。
けれど幸い抗癌剤が効き、一時は股関節の不調で歩くのも困難だったのが、
一応普通の生活を送れるようになっているとのこと。
けれど、副作用のひどい抗癌剤は使用しないこととし、
病とともに生きる決意をされているようです。
どうかお体を大切に。
私ももっとずっと宇江佐さんの本を読み続けたいです。
そうそう、今度函館へ行ったら、
宇江佐さんおススメ「ラッキーピエロ」のハンバーガー、
「ハセガワストア」のやきとり弁当をぜひ食べますね。
「見上げた空の色 ウエザ・リポート」宇江佐真理 文春文庫
満足度★★★★☆
・・・ということで、なんともショックでした。