映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

劇場版MOZU

2015年11月12日 | 西島秀俊
ここが地獄だよ。



* * * * * * * * * *

まってました~! 劇場版のMOZU。
ブログ記事にはしなかったけれど、当然TVドラマ版は見ていたんだよね。
あたり前ですよ~。西島秀俊さんが出てるんだから。
 いやもう、だから、嬉しくて、楽しくて、ワクワクの2時間でしたー。
しかしねー、この日家に帰って、よく参考にさせてもらっている渡まち子さんの
 「MOZU」の評価を見たら50点(100点満点)というのには思わず笑ってしまった。
 渡氏は、ドラマ見ていなかったそうで・・・。
うん、これはもうほとんどマニアックな世界なのだろうと思う。
 私としては95点くらいつけてもいいと思ってる。
それはあまりにも甘いかもしれないけどね・・・。
 TVドラマを面白いと思った人か、西島秀俊さんファンなら絶対楽しめる。
だけど、ドラマを見たことがない人にはおススメはできないなあ・・・。
 まずはこのMOZUの独自の世界観をわかっていないと、すぐには入り込めないだろうと思う。
 私なんか、MOZUのテーマミュージックを聞いただけで血が騒いじゃうよー。



TVドラマでは、池松壮亮さん演じる殺人鬼「百舌(もず)」を中心にストーリーが進むね。
 公安の捜査官倉木(西島秀俊)は、妻と娘の死の謎を説くことを生きる命題としているのだけれど、
 その謎を小出しにしながら、百舌の事件を追う。
 …そしていつしかそれは警察内部に巣食う闇を白日のもとにさらけ出すことにつながっていく…。
大杉警部補(香川照之)と倉木のからみ合いがまた、むちゃくちゃ面白いわけです。
 互いに気に入らない奴だと思い反目しあっていたのが、いつしか協力関係を結んでいく。

そしてまたTVドラマはでは、その背景として「ダルマ」という不可思議な存在が常にある。
 でもついにその謎については最後まで触れられなかったのだよね。
そう、満を持してようやく劇場版で「ダルマ」のストーリーになるんだよね。
まあ、その正体については映画をご覧くださいというわけで。
でもまあ、さんざん予告編で流れてるから言っちゃうけれど、
 つまりビートたけしさんがその「ダルマ」の役で、
 これがもう、ほかにはとても考えられないくらいにぴったりだよね。
それもそのはず、羽住監督は、当初から「ダルマ」は
 ビートたけしさんをイメージしていたらしいよ。
でも本作の中で一番キョーレツなのは長谷川博己さん演じるところの東(ヒガシ)だよね。
 なんともクレイジーな極悪人。
 TVドラマの時から大好きでした。
 本作のカーアクションシーンが、このクレイジーさと相まってスゴイ!! 
 ヒガシの倉木への執心、・・・つまりこれは“愛”だよね、“愛”。

はい、それ以外には考えられません・・・。
それから、松坂桃李VS池松壮亮の死闘も凄かったー。
今をときめく若手俳優のライバル対決と思えばこれもまたスリルがある。

松坂桃李の権藤も十分クレイジーだけど、ヒガシに比べたら、まだまだだな・・・ふっ。
ここはやっぱり本家新谷和彦こそが正統派(?)の殺人鬼。



さて本作、いきなり高層ビル爆破のテロ事件が起こります。
 特に自分には関係ないと歩いていた倉木の横を、
 そのビルに入っていたペナム共和国の大使館から避難する車が通りかかる。
 その刹那、その車を襲撃し、乗っていた母子を拉致しようとする者が現れる。
 事情はよくわからないものの、倉木は襲撃犯たちをボコボコにのしてしまった!!
きゃーカッコイイ!!
その母子の拉致に失敗したとの報を受け、
 なんとビルを占拠していたテロ実行犯たちがさっさと撤収してしまった。
 まずは序盤の事件の収束。
 これがオープニングだね。
なんとも鮮やか。ワクワクさせる導入だなあ・・・! 



TVドラマでも、本作でも、とにかく倉木はタバコを吸い続け、常に仏頂面。
 そんな彼が一応の事件の決着を見たあとでニッコリする場面があるんだよね。
それがもう、すご~く魅力的なのだ!!
 本作も最後の最後に彼の笑顔が見られるよ。
 お楽しみにー

「劇場版MOZU」
2015年/日本/116分
監督:羽住英一郎
原作:逢坂剛
出演:西島秀俊、香川照之、ビートたけし、真木よう子、伊勢谷友介、松坂桃李、池松壮亮、長谷川博己、杉咲花
アクション度★★★★☆
西島秀俊の魅力度★★★★★
満足度★★★★★