映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ヴィジット

2015年11月09日 | 映画(あ行)
ヘンゼルとグレーテル?



* * * * * * * * * *

M・ナイト・シャマラン監督作品となると、どうしてつい期待してしまうのでしょう。
つまりは「シックス・センス」の衝撃があまりにも強かったのですね。
しかし、これまでにその「シックス・センス」を凌ぐ作品は、
はっきり言ってありません。
本作もまた然り・・・。



休暇を利用し、初めて会う祖父母の家で
一週間を過ごすことになる姉弟のストーリー。
母は、駆け落ちのため家を出て、これまで一度も実家に帰ったことがなかったのです。
だから15歳姉ベッカも、13歳弟タイラーも、祖父母には一度もあったことがない。
まあ、そこがミソというわけです。



初めて出会った祖父母はいかにも温かく良い人に思えました。
しかし、姉弟は次第に何か異様な雰囲気を祖父母に感じ始めます。
人目を忍ぶように納屋に出入りする祖父。
夜中に素裸で壁を引っ掻いている祖母・・・。
その異様さは日に日にエスカレートしていき・・・。
シャマラン監督作品なので、ついいろいろとこの結末を予想してしまいます。
もしかするとこの祖父母はとっくに亡くなっていて・・・とか。
しかし、確かに意外な結末ではありましたが、
ちょっとつまらなくもあります。
やっぱり「シックス・センス」の大どんでん返しには及びませんね。



でもこの姉弟はなかなか良かった。
映画監督志望のベッカはこの事件の一連をビデオ撮影。
つまりこの映画自体が彼女の撮った映像なのです。
ゆれるビデオ映像がリアルな臨場感を生み出します。
が、まあ、この手はやや使い古されていますけどね。
ラップが得意なタイラーくんも魅力的。
最後はと~ってもカワイソウでしたが。
本作はこの二人の魅力でだいぶ救われています。
そうそう、あのオーブンの掃除をさせられるベッカのシーンにはハラハラさせられました。
祖母は奥まで入って拭けという。
イヤ、ダメだよそれ、危険だよ~!!
と私たちはつい思わされますね・・・!
私にはこの二人がヘンゼルとグレーテルに思えてきました。


「ヴィジット」
2015年/アメリカ/94分
監督:M・ナイト・シャマラン
出演:キャスリン・ハーン、ディアナ・デュナガン、ピーター・マクロビー、エド・オフセンボールド、オリビア・デヨング

恐怖度★★★★☆
驚き度★★★☆☆
満足度★★★☆☆