映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

青くて痛くて脆い

2020年09月14日 | 映画(あ行)

イタくてイタい・・・

* * * * * * * * * * * *

コミュニケーションが苦手で、人と距離を置くようにしていた田端(吉沢亮)。
大学に入り、理想を目指すあまり空気を読めない発言をし周囲から浮いている秋好(杉咲花)と知り合います。
実を言えば苦手で近づきたくないタイプ。
けれど彼女の方から妙に近寄ってきて親しげにするので、
いつしか、いろいろなことを話すように。



そして、ひとりぼっち同士の二人は「世界を変える」ことを目標とする
秘密結社サークル「モアイ」を立ち上げます。

その3年後。

モアイは当初の理想とかけ離れた、コネ作りや企業への媚び売りを目的とした
意識高い系の就活サークルに成り果てています。
とうにサークルから離れていた田端は、
いまのモアイを憎み、友人と共にモアイ奪還計画を企てますが・・・。

う~ん、確かに秋好もイタい存在ですが、
実は田端はそれ以上にイタい男だった・・・、というところが本作の意外性。
こうした後にはこの男は破滅・・・というラストになってほしいのだけれど、
妙に希望めいたラストだったのが残念。
イタいというよりも、むしろアブナイ男。
途中ではそれがうまくいっていたのに
終盤で、薄れてしまったと思います。

しかし、ラスト付近の教室での言い合いのシーンは、
双方のヒリヒリとした感情の発露が現れていて、迫力がありました。

住野よるさん原作ということでその人気を狙ったと思いますが、
私にはどこに感動していいのかよくわからないというものでした・・・。

<シネマフロンティアにて>

「青くて痛くて脆い」

2020年/日本/118分

監督:狩山俊輔

原作:住野よる

出演:吉沢亮、杉咲花、岡山天音、松本穂香、清水尋也、柄本佑

 

意外な事実度★★★★☆

満足度★★★☆☆