猫が名推理をするんだニャ
* * * * * * * * * * * *
アルバイトをしながら、自分を見つめ直している佐多くんは、
あるお屋敷で、突然やって来た一匹の猫とその秘書だという男に出会う。
実業家のA・ニャンと紹介されたその猫が、
過去に屋敷で起こった変死事件を解き明かす?!
って、ニャーニャー鳴くのを通訳しているようだが本当?
次々と不思議な出来事とニャン氏に出くわす青年の姿を描いた連作ミステリ。
文庫オリジナルだニャ。
* * * * * * * * * * * *
松尾由美さんの連作短編ミステリ。
文庫オリジナル!
そしてなんと、名探偵は猫のニャン氏!!
猫が名探偵という設定は、ありがちではありますが、
このニャン氏は実業家で童話作家でもあるという。
そしてその秘書兼運転手兼通訳が丸山。
常に慇懃無礼な姿勢を崩さない丸山が、
ニャン氏の推理を人間の言葉に通訳するのです。
つまりこれは、もしや猫ではなく丸山自身の推理?
とも思えるのですが、まあ、余計な詮索は野暮というものでしょう。
それで本作では、宅配のアルバイトをしている佐多くんが、
何故か行く先々で不可思議な事件と、このニャン氏と丸山のおかしなコンビと出会い、
名推理を披露するのを目撃することになるのです。
そんなことが続いた後には、佐多くんの人の良さをニャン氏が認めたのや否や、
佐多くんはニャン氏の財団にスカウトまでされてしまうという・・・。
一篇ずつのミステリの楽しさにくわえた、こうしたゆるーいストーリーがまた、たまりません。
本シリーズはこの後も出ていまして、もちろん、読みますとも!!
「ニャン氏の事件簿」松尾由美 創元推理文庫
満足度★★★★☆
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます