映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

キャッツ

2020年12月13日 | 映画(か行)

猫に寄せすぎ・・・

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言わずと知れたミュージカルの金字塔、キャッツ。
私、劇団四季のキャッツが大好きで、札幌に四季劇場があったときに何度も見ました。

それで、本作も劇場で見ようかと思ってはいたのですが、
CGであまりにも人を猫に近寄せすぎていて気色悪い・・・
と、不評だったようなのです。
それでなんとなく見そびれていましたが、
この度、音楽を楽しむだけでもいいか・・・と思って拝見。

満月の夜、年に一度開かれるジェリクル舞踏会に参加するため、
ロンドンの街の片隅に個性豊かな猫たちが集まってきます。

そしてその日は、新しい人生(ニャン生)を生きることを許される
たった一匹の猫が選ばれる特別の日でもあります。
生まれ変わるために天上に昇るジェリクルキャッツとなるのは、一体誰?

さてさて、見始めてやはり、その猫猫しさにちょっとギクッとします。
四つん這いのスタイルになられたりすると、
「人面猫」みたいでかなりキモチワルイ。
でもまあ、見てるうちに少しずつなれてきます・・・。
あ、でもネズミやゴキブリまでもが人間のミニサイズで出てくるのは
さすがに気味悪かったかなあ・・・。
まあ、おなじみの歌を楽しめただけでも良しとしますか。
でも結局、本作は舞台でこそ楽しめるものだなあ・・・という認識は新たにしました。

猫を擬人化したというよりも、猫のように私たちも自由で個性豊かであれ、
という物語であるように思うので、
ムリに猫そっくりにしなくてもいいのではないかなあ。

それと以前から思ってはいたのですが、
生まれ変わるために天上へ上っていくとはすなわち「死」ですよね。
死をこんなにも寿ぐというのが、本作の最も深遠なるところ・・・という気がします。

そんな中で、イギリスの誇る名優ジュディ・デンチとイアン・マッケラン。
この人たちが出てくるとさすがにオーラがあるといいますか、
猫まみれの姿でありながらしっかりした存在感。
歌は他のプロ級の歌い手たちと比べたら、ささやくような感じなのに、胸に響く。
これぞ超ベテランの味というものか。
すばらしかった・・・。

 

Amazonプライムビデオにて

「キャッツ」

2019年/イギリス・アメリカ/109分

監督:トム・クーパー

原作:T.S.エリオット、アンドリュー・ロイド=ウェーバー

出演:フランチェスカ・ヘイワード、ロビー・フェアチャイルド、ジェニファー・ハドソン、
   ジュディ・デンチ、ローリー・デビッドソン、イアン・マッケラン、イドリス・エルバ

 

音楽・ダンス★★★★★

猫の造形度★★☆☆☆

満足度★★★☆☆

 



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