少年と老人が本を通して語り合う
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「イタリアの最も美しい村」の一つに数えられるチビテッラ・トロントが舞台となっています。
イタリアの風光明媚な丘陵地帯を見おろす丘の上に小さな古書店があります。
店主のリベロは、店の外で本をながめていた移民のエシエンに声をかけます。
好奇心旺盛なエシエンを気に入ったリベロは、彼に次々と店の本を貸して、
本を返しに来たエシエンの感想を聞くのを楽しみにします。
二人の間に年齢や国籍を超えた友情が芽生えていきます。
舞台はこの書店の内部と、表の通りのみ。
書店を訪れる人々も描写されていきます。
中でも隣のカフェ店員の青年、ニコラは
用があってもなくてもちょくちょくやって来て、話をする気のイイ奴。
いつもゴミ箱から拾った本を売りに来て小遣い稼ぎをする男、
怪しい思想の持ち主らしき者、
本当に本が好きで本を買いに来る人は少ないくらい(?)ではありますが。
ゆったりと流れる時間の中で、特にエシエンが来るとフレッシュな風が巻き上がります。
最初は漫画の本。
次は「ピノキオ」、「イソップ物語」、そして「白鯨」。
リベロの選ぶ本は読書の入門にピッタリですね。
例のゴミ箱から拾ってきたという本のなかに、古い日記帳がありまして。
リベロはそれを少しずつ読んでいきます。
それは1950年代の若い女性、とあるお屋敷の小間使いをしているらしい女性が、
新たな希望を見出していくまでが描かれていて、それもまたステキです。
気になるのはリベロはかなりのご高齢で体調があまりよくないようなのですが・・・。
美しい物語でした。
<WOWOW視聴にて>
「丘の上の本屋さん」
2021年/イタリア/84分
監督・脚本:クラウディオ・ロッシ・マッシミ
出演:レモ・ジローネ、コッラード・フォルトゥーナ、ディディー・ローレンツ・チュング、ピノ・カラブレーゼ
のどか度★★★★☆
老人と少年の交流度★★★★★
満足度★★★★★
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