活版印刷には詩や短歌がよく似合う
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小さな活版印刷所「三日月堂」には、今日も悩みを抱えたお客がやってくる。
店主の弓子が活字を拾い刷り上げるのは、
誰かの忘れていた記憶や、言えなかった想い。
しかし三日月堂を続けていく中で、弓子自身も考えるところがあり…。
転機を迎える、大好評シリーズ第三弾!
ブクログ1位、読書メーター1位、第5回静岡書店大賞、第9回天竜文学賞、4冠!
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図書館の貸し出しが再開されて、やっと本作の続きを読むことができました。
今時、時代に逆行するとも言える活版印刷ですが、
この三日月堂の印刷品が人から人の手を渡り、
ささやかながらも、口コミで評判が広がっています。
そして人と人の輪もまたつながっていく。
そんなところが実に読んでいても心地よいのです。
本作では、弓子の亡きお母さんのことに触れられています。
弓子が物心つく前に亡くなってしまったお母さん。
それだから弓子にはほとんどお母さんの思い出がありません。
この度、そのお母さんの学生時代の友人と、
お母さんが詠んだという短歌のことが出てきます。
初めて自分の母親がかつて実際に「生きて」いたことを実感する弓子さん。
しみじみ来ます・・・。
そして、これまで動かすことができなかった古い大型の活版印刷機(平台)が
とうとう始動できそうなのです!
そのことについては、次巻で詳しく語られていくことになるでしょう。
楽しみです!!
本作での三日月堂のお仕事。
★ミニシアターのイベントチケット
★故人を偲ぶ短歌のカード
★庭の植物のイラストカード
★八木重吉のミニ詩集(ただし別工房にて印刷)
「活版印刷三日月堂 庭のアルバム」ほしおさなえ ポプラ文庫
満足度★★★★☆
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