映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

俺はまだ本気出してないだけ

2014年02月01日 | 映画(あ行)
まだ・・・というからには、いつかは・・・?



* * * * * * * * * *

42歳。
バツイチ。
子持ち。
その上、本当の自分を探すという理由で会社をやめてしまった
イタい男のストーリーです。



彼、大黒シズオ(堤真一)は、
しかし結局何かを始めるでもなく朝からゲーム。
いや、このままではヤバい。
そういう自覚はあるのです。
人から言われるまでもない。
だがしかし、踏み出せない。
笑っちゃうけど、笑えない。
そういう部分はどんな人の中にもありますよね。
だからつい共感を持って見てしまうのだろうなあ。
そしてある日、ついに決心したのは「漫画家になる」ということ。
そんな無茶な、とは思いますが・・・。
作品を見ているとその決心の原点が見えてきますね。
つまりは小学生の頃にそんな夢を持っていたことがあるらしい。
自分が子供の頃描いていた夢を実現しようとする、
これって本当はすごく贅沢なことのように思えてきました。



彼の周囲の人達もユニークです。
彼の友人宮田(生瀬勝久)は、バツイチですが、
淡々と仕事をこなすサラリーマン。
会社ではある程度の地位まで出世している。
でも、ちょっぴりシズオの自由さが羨ましくなってきます。
シズオがバイト先で知り合った市野沢(山田孝之)は、口数少ない男子。
何をやりたいという思いもなく、バイトを点々としてきた彼もまた、
シズオの有り様を見てなにか感じるものがあるようだ・・・。
高校生の娘・鈴子(橋本愛・・・ユイちゃん!)は、こんな父を見てもグレもせず、
家の家事を担い、今どきの女子高生とは思えないくらいにいたって真面目・・・
のようなのですが・・・!?



「自分探し」なんていうと陳腐に聞こえてしまうのですが、
本当に自分がやりたいことをする、
結局そういうことに惹かれるのです。
没個性のサラリーマンからの脱却。
ただし、それで生活できれば・・・。
うーん、やはりそこが問題だ!!



それにしてもシズオ役にお笑い芸人か誰かでなく、
堤真一さんを起用というのがナイスですね。
ご本人のイメージとのギャップが・・・。
やはり自分探しをしている編集者、濱田岳もよかった!

俺はまだ本気出してないだけ 通常版 [DVD]
堤真一,橋本愛,生瀬勝久,山田孝之,濱田岳
Happinet(SB)(D)



「俺はまだ本気出してないだけ」
2013年/日本/105分
監督・脚本:福田雄一
原作:青野春秋
出演:堤真一、橋本愛、生瀬勝久、山田孝之、濱田岳
脱力度★★★☆☆
共感度★★★★☆
満足度★★★★☆


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2 コメント

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濱田クン (こに)
2014-02-02 09:55:54
今年は大河にも出ているし、着々と足場を固めていますね。

堤さん
たんぽぽさんが貼り付けてらっしゃるお風呂上がりのシーン、自然体で笑えました。反応しない山田さんも良かったです。
バラエティに富んだキャラを持つ役者さんを観るのは楽しいです。
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濱田クン (たんぽぽ)
2014-02-03 19:58:20
>こにさま
ちょい役だけれど、毎回必ず顔を出す、美味しい役ですよね。今後はもこみちくんも一緒のようで、楽しみです。
本作もただの編集者・・・と思わせて、意外なオチ、楽しませてもらいました。
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