人の命を奪って生きる「罰」
* * * * * * * *
トム・クルーズとブラッド・ピット主演、
しかも双方ヴァンパイア、というこの作品。
前から興味はありましたが、見る機会がないままでしたが、やっと見ました。
サンフランシスコ、とある一室でインタビューが始まります。
インタビューに答える青年ルイ(ブラッド・ピット)は、
いきなり自分はヴァンパイアだと語り始める・・・。
時は200年ほどさかのぼります。
ルイはニューオリンズの農場主でしたが、妻を亡くし生きる望みを失っていました。
そこへ接近したのがヴァンパイアのレスタト(トム・クルーズ)。
レスタトはルイに自らの選択の機会を与え、
彼を永遠の命を生きる仲間にするのです。
人間として見た最後の朝日の美しさ。
そして、ヴァンパイアとして甦った時に見た夜の美しさ。
こういう情景が結構リアルで、瑞々しい情感をさそいます。
しかし、ヴァンパイアとして生きるためには、人の生き血をすすらねばなりません。
ルイはそのことに罪悪感と哀しみを持ってしまうのです。
そういう繊細さを持つからこそ、レスタトはルイを仲間に加えたわけですが・・・。
そんなルイの気持ちを変えさせようと、
レスタトは更にクローディア(キルスティン・ダンスト)という少女を仲間に加えます。
クローディアは子供らしい貪欲さで人を襲い
立派な(?)ヴァンパイアになっていきますが、
いつまでたっても姿は子供のまま、
心だけ大人になっていく自分に絶望し、
レスタトを憎むようになるのです。
この物語、意外にもヴァンパイアの敵は、
信心深い人間でも、十字架でもなく、
同じヴァンパイア同志という哀しい物語です。
永遠の命とは言いますが、
永遠に人を襲わねばならないし、日の光に当たることができない。
永遠に続く毎日の中で次第に心は頽廃し意欲を失う・・・。
これでは「生きている」とはいえないですね。
つまりは、なんの希望もなく永遠に生きなければならないということが、
人の命を奪って生きることの「罰」なのではないかと思うわけです。
この作中ではルイだけがそのことに気づいているのです。
トム・クルーズとブラピという思い切った起用。
でも、二人の若々しく美しい姿を遺すにはもってこいの作品であったと思います。
そして、キルスティン・ダンスト。
少女時代の彼女は既にもう大人びていて、
今とほとんど変わらないという印象です。
ルイとクローディアは、その後ヴァンパイアの発祥の地を目指してヨーロッパに渡ります。
パリで出会ったヴァンパイアのリーダー的存在役は、アントニオ・バンデラス。
とにもかくにも、記念碑的作品ではあります。
それにしても、どうして私たちはこのヴァンパイアという存在に惹かれるのでしょう。
古今繰り返される、もの悲しいヴァンパイアの物語。
今やヴァンパイアはホラーではなくロマンですよね。
しかし、なんといっても私の中で一番なのは萩尾望都さんの「ポーの一族」。
他の物語の追随を未だに許していません。
エドガーとアランとメリーベルこそ、永遠なのであります。
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」
1994年/アメリカ/124分
監督:ニール・ジョーダン
原作・脚本:アン・ライス
出演:ブラッド・ピット、トム・クルーズ、アントニオ・バンデラス、スティーブン・レイ、キルスティン・ダンスト
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トム・クルーズとブラッド・ピット主演、
しかも双方ヴァンパイア、というこの作品。
前から興味はありましたが、見る機会がないままでしたが、やっと見ました。
サンフランシスコ、とある一室でインタビューが始まります。
インタビューに答える青年ルイ(ブラッド・ピット)は、
いきなり自分はヴァンパイアだと語り始める・・・。
時は200年ほどさかのぼります。
ルイはニューオリンズの農場主でしたが、妻を亡くし生きる望みを失っていました。
そこへ接近したのがヴァンパイアのレスタト(トム・クルーズ)。
レスタトはルイに自らの選択の機会を与え、
彼を永遠の命を生きる仲間にするのです。
人間として見た最後の朝日の美しさ。
そして、ヴァンパイアとして甦った時に見た夜の美しさ。
こういう情景が結構リアルで、瑞々しい情感をさそいます。
しかし、ヴァンパイアとして生きるためには、人の生き血をすすらねばなりません。
ルイはそのことに罪悪感と哀しみを持ってしまうのです。
そういう繊細さを持つからこそ、レスタトはルイを仲間に加えたわけですが・・・。
そんなルイの気持ちを変えさせようと、
レスタトは更にクローディア(キルスティン・ダンスト)という少女を仲間に加えます。
クローディアは子供らしい貪欲さで人を襲い
立派な(?)ヴァンパイアになっていきますが、
いつまでたっても姿は子供のまま、
心だけ大人になっていく自分に絶望し、
レスタトを憎むようになるのです。
この物語、意外にもヴァンパイアの敵は、
信心深い人間でも、十字架でもなく、
同じヴァンパイア同志という哀しい物語です。
永遠の命とは言いますが、
永遠に人を襲わねばならないし、日の光に当たることができない。
永遠に続く毎日の中で次第に心は頽廃し意欲を失う・・・。
これでは「生きている」とはいえないですね。
つまりは、なんの希望もなく永遠に生きなければならないということが、
人の命を奪って生きることの「罰」なのではないかと思うわけです。
この作中ではルイだけがそのことに気づいているのです。
トム・クルーズとブラピという思い切った起用。
でも、二人の若々しく美しい姿を遺すにはもってこいの作品であったと思います。
そして、キルスティン・ダンスト。
少女時代の彼女は既にもう大人びていて、
今とほとんど変わらないという印象です。
ルイとクローディアは、その後ヴァンパイアの発祥の地を目指してヨーロッパに渡ります。
パリで出会ったヴァンパイアのリーダー的存在役は、アントニオ・バンデラス。
とにもかくにも、記念碑的作品ではあります。
それにしても、どうして私たちはこのヴァンパイアという存在に惹かれるのでしょう。
古今繰り返される、もの悲しいヴァンパイアの物語。
今やヴァンパイアはホラーではなくロマンですよね。
しかし、なんといっても私の中で一番なのは萩尾望都さんの「ポーの一族」。
他の物語の追随を未だに許していません。
エドガーとアランとメリーベルこそ、永遠なのであります。
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア [DVD] | |
トム・クルーズ,ブラッド・ピット,アントニオ・バンデラス,クリスチャン・スレイター | |
ワーナー・ホーム・ビデオ |
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」
1994年/アメリカ/124分
監督:ニール・ジョーダン
原作・脚本:アン・ライス
出演:ブラッド・ピット、トム・クルーズ、アントニオ・バンデラス、スティーブン・レイ、キルスティン・ダンスト
「ポーの一族」は、本当に素晴らしい作品です。
レスタト、ルイ、クローディアに、エドガーとアランとメリーベルが透けて見えました。
ヴァンパイア、狼男、妖怪、超能力者、ミュータント…こうした言葉に、ついつい惹かれてしまう私。たんぽぽ様のご指摘のように、ホラーではなくロマン、悲しみ を感じてしまうからですね。
特に、時を経てエドガーたちを見知った人の話が語り継がれていく・・・そんなところが好きでした。
彼らは私たちとは違う時の流れを生きるのでしょう。どこかにポーの村があって欲しいような・・・。
おいでいただき、ありがとうございました。
ラトランドですか・・・。知りませんでした。
やはりいつも霧が立ちこめていたりするのでしょうか。バラの花が咲き乱れて・・・。
本当にいつか行ってみたい気がします。