映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「月の恋人」道尾秀介

2013年04月15日 | 本(恋愛)
TVドラマとは別物として楽しんでみては・・・?

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不甲斐ない彼氏と理不尽な職場を捨て、
ひとり旅に出た弥生は、滞在先の上海で葉月蓮介と出会う。
蓮介は、高級家具を扱うレゴリスの若き経営者として注目される存在だった。
一方、この街に住むシュウメイは、美貌を買われ、
レゴリスのCMモデルに選ばれるも、それをきっぱりと断っていた―。
恋は前触れもなく、始まった。
道尾秀介があなたに贈る、絆と再生のラブ・ストーリー。


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道尾秀介さんの文庫本新刊!ということで、購入してから気付きました。
そういえばこれ、TVドラマ化されていたものですね。
私、普段あまりTVドラマは見ないので忘れていました。
本作は、小説家が書きおろしでストーリーを作り、
それをもとに連ドラを制作、
そのドラマの放映とほぼ同時に原作本を刊行する
・・・というコラボ企画で書かれたもの。
しかもラブ・ストーリーということで、
道尾秀介作品としてはかなり異色です。
でも、これが面白かったのだな・・・。


年度末の忙しい時期で、
少しでも睡眠時間を確保したいと思っていたのに、
読み出すとなかなか止められず、眠くもならず、
結構なペースで読んでしまいました。
しかし、本巻のあとがきで著者が述べていますが、
この本とドラマはかなり内容が違い、
特にヒロインの人物像が大きく異なっているとのこと。
であれば、先にドラマを見たという方も、
ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
私は、この本の結局何がそんなに面白かったのだろうかと振り返れば、
このヒロインの飾らない人柄(一応見栄っ張りでもありますが)が親しみやすく、
つい感情移入して、先が気になってしまったのだなあ・・・と思ったのです。
会社経営のため"情"を捨て去ってしまったかのような蓮介が、
また人間味を取り戻していく、そのきっかけとなる彼女。
TVドラマでは、線香花火のコマーシャル映像などもあったのでしょうか。
それは見てみたかったと思います・・・。

「月の恋人」道尾秀介 新潮文庫
満足度★★★★☆


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