踊ることは心を解き放つこと
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内戦の傷跡が残る北アフリカ、イスラム国家アルジェリア。
少女フーリアはバレエダンサーを夢見て練習に励んでいます。
ある夜、フーリアは彼女に逆恨みを持つ男に階段から突き落とされて、大けが。
フーリアはそのため踊ることができず、
ショックで言葉を話すこともできなくなってしまいます。
そんな失意の彼女がリハビリ施設で出会ったのは、
それぞれ心に傷を抱えるろう者の女性たち。
フーリアはリハビリの結果なんとか足が動くようになり、
彼女たちにダンスを教えることで生きる情熱を取り戻していきます・・・。
本作、この国の事情も大きな要素となっています。
内戦後のアルジェリア。
その時に家族を亡くした者も多く、それが大きな心の傷になって残っているものも多い。
政情はなおかつ不安定で、ここでは自由な暮らしは望めないと思うものも多い。
フーリアの親友もその1人で、彼女は密かにこの国を抜け出して、
スペインへ渡り、夢をかなえようとしているのです。
でもそれは、とてもリスクが高いことなのですが・・・。
と、ただでさえ生活に不安の多い中、
この施設に集まっているのは、何かしら障害を持った女性たち。
けれど、彼女たちは強いですね。
これ以上はわるくならないと、開き直ったようでもあります。
ダンスをすることで心を空っぽにして、そして前へ進もうとする。
踊ることで、心を解き放つのです。
何かあっけらかんとした明るさとたくましさを感じました。
どんな場所にいても踏み潰されない、そう、雑草のような強さ。
わたし達の知らない様々な国の事情があって、
でも人々はどこでもみな同じ心を持って生きていますよね。
それをガッチリ線引きして、出入りも制限してしまうことが
非常に理不尽に感じられるのでした。
<シアターキノにて>
「裸足になって」
2022年/フランス・アルジェリア/99分
監督・脚本:ムニア・メドゥール
出演:リナ・クードリ、ナディア・カシ、アミラ・イルダ・ドゥアウダ、メリエム・ムジカネ
女性のたくましさ度★★★★★
自由希求度★★★.5
満足度★★★.5
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