映画と本の『たんぽぽ館』

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フルメタル・ジャケット

2020年09月07日 | 映画(は行)

戦争なんかクソだ!

* * * * * * * * * * * *

スタンリー・キューブリック監督による往年の名作。
そういえばまだ見たことがなかったな・・・ということで。

 

時はベトナム戦争の時代。
海兵隊の新兵訓練所、ブートキャンプからストーリーは始まります。
そこでは普通の若者がわずか8週間の訓練で殺戮者に仕立て上げられます。
特にここの教官・ハートマン(リー・アーメイ)は、
罵詈雑言、凄まじい言葉の暴力で新兵たちをなぶります。
そのためすっかり精神を病み、壊れてしまうものも・・・。

と、ここの下りが結構長いのですが、
それはまだ前段階にすぎなかった・・・!

その後、いよいよベトナムへ送り込まれた新兵たち。
報道部に配属されたジョーカー(マシュー・モディーン)は、取材のため最前線へ向かいますが・・・。

 

本作の公開に先駆けて、同じくベトナム戦争を題材とした「プラトーン」が大ヒット。
そのすぐ後に本作の公開、ということで、2番煎じという話もあったのですが、
予想外に本作もまた大ヒットとなったのでした。

その頃までの戦争映画は多分第二次世界大戦を舞台とするもので、
米軍はおそらく正義の味方的立場で、兵士たちは皆ヒーロー。
そういうものが多かったわけですね。
しかし、そもそもこのベトナム戦争の意義自体が当時の社会的にも受け入れられていない。
だからどうしたって、戦争礼賛作品にはなり得ないわけです。

本作も、反戦を声高に言ってはいない。
けれども戦争なんか「クソ」だぜ、と、それを言っているわけです。

ジョーカーは、“BORN TO KiLL”などと描いたヘルメットをかぶりつつ、
反戦運動のシンボルであるピースマークのバッジをつけていたりします。
こうした矛盾が本作とベトナム戦争のすべてを語っている気がします。

 

 

「フルメタル・ジャケット」

1987年/アメリカ/116分

監督:スタンリー・キューブリック

出演:マシュー・モディーン、アダム・ボールドウィン、ビンセント・ドノフリオ、リー・アーメイ

 

戦争の真実度★★★★★

満足度★★★★☆

 



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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (須磨明石)
2020-09-07 20:52:04
エグイですよね。
『時計じかけのオレンジ』も、ぜひ。
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Unknown (たんぽぽ)
2020-09-08 19:59:15
往年の名作、見ていないものが多いです。見たような気がしていても、テレビ放映のものだったり・・・。
まだまだ、楽しめる作品はありそうですね。ありがとうございます。
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