若い人をそっと後押しできるお婆さんに・・・
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14歳のつばめ(清原果耶)は、隣人の大学生・亨(とおる)(伊藤健太郎)に密かに恋心を抱いていました。
また、父と血のつながらない母との間に子どもができることになり、どこか疎外感を感じてもいます。
こんな誰にも話せない思いをかかえるつばめの唯一の憩いの場は、通っている書道教室の屋上。
ある日そこに、見知らぬド派手な老婆(桃井かおり)が現れて、
キックボードに乗って空を飛ぶのをつばめは目撃してしまいます。
この風変わりな“星ばあ”とつばめは次第に親しくなり、
恋や家族の悩みを打ち明けるようになっていきますが・・・。
ちょっとファンタジー風味のハートウォーミングなストーリー。
つばめのムリ筋の願いをなんとかかなえてくれる星ばあのために、
次にはつばめが、星ばあの願いを叶えようとします。
そもそも、星ばあとは何者なのか?
そんなところに、予想外の解答があったりして、ストーリーとしてもなかなか楽しめます。
そして、血のつながらない母、でも、つばめが幼い頃から温かく育んでくれた母との複雑な感情。
家族の物語としても手応えたっぷり。
星ばあのように、憎まれ口をたたきながらも、
自らの経験を踏まえて若い人をそっと後押しする・・・
そんな風なおばあさんになれたらいいな、と思ったりします。
何と言っても清原果耶さんは、透明性があって、多感な少女像をくっきりと浮かび上がらせます。
変にきゃぴきゃぴしないところが、やっぱりいいなあ・・・。
彼女の演技の前ではついつい、引きずり込まれて、涙、涙です。
伊藤健太郎さんの演技は抑え気味。
人のいい「お兄ちゃん」という感じでした。
確かに、ここではかっこつけてオーラを放ったりしてはいけないのです。
桃井かおりさんも、あの「美魔女」的、
いつまでもの謎の若さをかなぐりすてて、いい味出してます。
<シネマフロンティアにて>
「宇宙でいちばんあかるい屋根」
2020年/日本/115分
監督・脚本:藤井道人
原作:野中ともそ
出演:清原果耶、伊藤健太郎、水野美紀、山中崇、醍醐虎汰朗、坂井真紀、吉岡秀隆、桃井かおり
ハートウォーミング度★★★★★
満足度★★★★☆
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