無理難題に挑む「母」
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11歳の息子と暮らしているシングルマザー・アニー(デミ・ムーア)は、
裁判の陪審員を務めることになりました。
彼女が関わる裁判は、マフィアのドンと孫の少年の殺害事件で、
被告人はファミリーのボス、ボファーノ。
一般的な進み方なら、有罪は間違いないというところ。
ところが、ボファーノの配下でティーチャー(アレック・ボールドウィン)と呼ばれる殺し屋が
アニーに接近し、陪審で「無罪」に入れなければ、息子に危害を加えると脅すのです。
アニーの生活は常にティーチャーに監視されるようになり、
これは単に脅しだけではない、と実感するアニー。
やむなく陪審員の話し合いでは「無罪」を主張し、他のメンバーにいぶかしがられるアニーでしたが、
ティーチャーは更に要求をエスカレートさせ、
「無罪判決」を勝ち取るようにと言うのです・・・。
陪審員の出す結論は全員一致でなければならないのですね。
だからとにかくアニーが一人でも無罪を主張し続ければ、結論は出せない。
しかしそこをあえて全員に「無罪」を納得させよというのですから、これはめちゃくちゃです。
ところが、アニーは人並み以上に頭がよく、人を納得させることに長けている。
(本当は芸術家なんですけどね・・・。)
本心ではマフィアのボスなど死刑にしてしまえ、くらいに思っているのですが、
巧みに、「マフィアといえども確とした証拠なしに有罪にはできない」と、
皆の気持ちを動かすのです。
息子の命がかかっているので背に腹は変えられません。
さて一方、このティーチャーという殺し屋が、ちょっとした性格異常。
若きアレック・ボールドウィンです。
一見温和そうに見えるこの男。
勝手にアニーの知性や強い意志に親愛の情を見せつけつつ、
実は微笑んだままでも人を殺すタイプ。
うわー、ヤダ!!
こんな男を、どのように出し抜くかが、アニーの腕の見せ所です。
あ、アニーの息子、11歳少年はジョセフ・ゴードン=レビット。
笑っちゃうくらい、顔は今と同じ。
90年代の映画、私はその頃殆ど見ていなくて、これは宝の山かもしれません。
20年以上前の今活躍する俳優さんたちを見るのも楽しい!!
<WOWOW視聴にて>
「陪審員」
1996年/アメリカ
監督:テッド・タリー
出演:デミ・ムーア、アレック・ボールドウィン、ジョセフ・ゴードン=レビット、アン・ヘッシュ、ジェームズ・ガンドルフィー
サスペンス度★★★★☆
満足度★★★★☆
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