自立する自信を持てば、光る
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モンゴル首都ウランバードル。
サロールは、家族と暮らしながら大学で原子工学を学んでいます。
ある時、友人から代役を頼まれて、
怪しげなアドルトグッズショップで、アルバイトをすることに。
人生経験豊富な女性オーナー・カティアが営むその店には、
大人のおもちゃがところ狭しと並んでいて、毎日様々な客がやって来ます。
サロールはカティアとも交流するようになり、
奔放ではあるけれど孤独なカティアの人生が浮かび上がります。
モンゴルの作品。
こういっては何ですが、素晴らしく洗練されていて、
そしてちょっぴり力が湧いてくる、オシャレでステキな作品。
モンゴルという国への認識を一新しました。
今やどこの国も、特に都市部は状況が似ているようです。
モンゴルでもおそらく若きクリエイターが自分の力を発揮できる環境が
きちんと整っているのでしょう。
良きかな。
自分の中の古くさい世界観は一掃しなくては、とつくづく思いました。
サロールは始め、あどけなくてちょっぴりイモ姉ちゃん風ですらある女の子なのですが、
ストーリーが進むにつれて次第に洗練されていきます。
何もカティアからオシャレの仕方を教えてもらったわけではない。
彼女との交流の中から、
親に言われたとおりの道ではなく、本当に自分がやりたいことを自分の足で歩むように、
彼女自身が自覚し始めたから。
そしてその意志が内側から光り始めたから。
アダルトグッズのショップ・・・あまりにも怪しげと思ったのですが、
サロールは割り切って、照れたり怪しんだりもせず淡々と売り子を務めます。
こんなにも様々なものがあるのか?と私も驚いてしまいましたが・・・。
映像としても一つにじっくり焦点をあてたりはぜず、チラリと見せる程度。
だから意外とそんなにイヤらしい感じはしません。
それと、この「セールス・ガールの考現学」という邦題をつけた方には拍手を送りたい。
ショップの売り子がセールス・ガール。
あえて、怪しいお店のことには触れていません。
そして「考現学」などという言葉は多分ないけれど、
考古学をもじって現代を考えるという学問風の言葉を作ったのでしょう。
サロールが原子工学などと言う堅い勉強をしていたことにも繋がります。
ということで、ちょっとスタイリッシュに決めたこの題名が、
なんともマッチしています。
すっかり気に入ってしまいました!!
途中で歌が入るのも、楽しい!!
<Amazon prime videoにて>
「セールス・ガールの考現学」
2021年/モンゴル/123分
監督・脚本:ジャンチブドル・センゲドルジ
出演:バヤルツェツェグ・バヤルジャルガル、エンフトール・オィドブジャムツ
女子成長度★★★★★
満足度★★★★★
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