祖国を逃れて自由はさらに遠く
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祖国アフガニスタンからの脱出後20年を経て体験を語る青年、
アミンを捉えたドキュメンタリーです。
しかし、ドキュメンタリーなのにアニメ。
というのも、主人公や周辺の人々の安全を守るため、
あえて実写ではなくアニメで製作されたのです。
アフガニスタンで生まれ育ったアミン。
ある時父が当局に連行されたまま、戻りません。
アミンは残された家族とともにアフガニスタンを脱出。
とりあえずは観光ビザでロシアに入ります。
しかしまもなくビザは切れ、家族はなんとか西側へ行こうとするのですが・・・。
そこに様々な苦難が待ち受けます。
難民となり行き場のないアミン。
そしてまたさらに彼はゲイなのでした。
なんとも生きにくい・・・。
わたし達が当たり前に思っている日常、普通の暮らし。
それは実はとても貴重なものであることがよく分かります。
祖国で安全が保証されず、やむなく国を捨てて、よその国へ。
けれどそこではあくまでも「よそ者」。
決して歓迎はされない。
こんな想像外のことが実は今、世界では何も珍しくないのだ、
ということを思い知ります。
こんなことがどうすればなくなるのか。
答えがないのがつらいですが、まずは知ること、でしょうか。
貴重な作品です。
<WOWOW視聴にて>
「FLEE フリ-」
2021年/デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フランス/89分
監督:ヨナス・ポヘール・ラスムセン
過酷な現実度★★★★★
満足度★★★★☆
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