映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

漁港の肉子ちゃん

2022年09月07日 | 映画(か行)

笑って、泣けて

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明石家さんまさん企画・プロデュースというアニメ作品です。
原作は西加奈子さん。

情に厚くてほれっぽく、すぐに男にだまされて痛い目にあっては
各地を転々と渡り歩く、食いしん坊で脳天気な肉子ちゃん。
今はとある漁港の町で、11歳の娘・キクコとともに
古いグラスボートをすみかにして暮らしています。
しっかり者でクールなキクコは、そんな母が少し恥ずかしい・・・。

焼き肉店で元気に働く肉子ちゃん。
クラスメート女子との人間関係に悩むキクコ。
そしてまた、風変わりな男子・二宮との交流が始まるキクコ。
みずみずしいキクコの心情を中心に、この二人の日常が描かれていきますが、
後に、この母娘の真実が語られるのです・・・。

なんと言っても、この豊満な肉子ちゃんがナイスです。
何度も男にだまされてもめげない。
いつも明るくて、そもそもあまり深くは悩まず、豪快。
そして働き者。
寝姿はまるでトトロのようです。
この吹き替えの声が大竹しのぶさんで、
よく「愛の賛歌」を鼻歌交じりで口ずさんだりしているのがご愛敬。

いつもキクコを見てはからかう松本と櫻井の後ろの方でおとなしい男子は二宮。
ちょっと笑っちゃうネーミング。
本作中「障害」という言葉は全く使われていないのですが、
二宮はある意味、そういう少年なのでしょう。
でもそんなことはお構いなしに彼のことが好きになってしまうキクコ。
こういうところもイイですよね。

そしてラストに明かされるある秘密。
泣けてしまいました。

笑って、泣いて、ハートウォーミングな作品でした。

 

「漁港の肉子ちゃん」

2021年/日本/97分

監督:渡辺歩

原作:西加奈子

出演(声):大竹しのぶ、Cocomi、花江夏樹、中村育二、吉岡里帆

 

肉子ちゃんの人間像★★★★★

満足度★★★★★



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